2023-01-01から1年間の記事一覧

ユリの花たち

あちこちでユリの花が目立つようになってきた。白、黄色、赤などの花が眩しい。どのユリの花も私たちを惹きつけてやまない。私にはユリの同定がとても厄介で、正直なところよくわからない。ユリの原種は北半球に約100種類が分布し、そのうち15種が日本に自生…

ハンショウヅルの花

キンポウゲ科センニンソウ属のクレマチスは「蔓性植物の女王」と呼ばれ、北半球に野生で生えている。樹木など、近くのものに蔓を絡ませて生長し、大きい物だと5m以上になる。 品種改良が進められたクレマチスは今では230以上の品種がある。花は大型、色も豊…

トレニアの花

この2、3年の間にトレニアを見る機会がめっきり減った。もっとあちこちで見られたのだが、随分少なくなった。それでも、トレニアは春から晩秋まで暑い夏にも負けずに、花を咲かせてくれる。2~3cm程度のスミレに似た花を株いっぱいに咲かせることから、別…

キムネクマバチ(クマバチ)とキオビツチバチ

花が咲き、そこにハチが集まる。まだこんな地上の風景を見ることができる。戦争があり、温暖化が進行していても、その風景はこれまで私たちが見慣れたもの。嵐の前の静けさなのかも知れない。 キムネクマバチ(クマバチ)の体長は20-24mm。ずんぐりとした体…

ムラサキカタバミの花

6月に入り、湾岸地域には多くの花が咲いている。今年特に目立つ花がムラサキカタバミ(紫片喰、紫酢漿草)で、あちこちに咲き乱れ、緑の中で薄紫色の斑点を生み出している。ムラサキカタバミの別名はキキョウカタバミ(桔梗片喰)で、南アメリカ原産。江戸…

ザクロの花

最近は湾岸地域でもよく見るようになったのがザクロ(石榴)で、その花が今年も咲いている。青空の中の赤い花は人を惹きつける。子供の頃、近所にザクロの木があって、不規則に裂けた実と種の多さ、そして酸っぱく、プチプチとした食感が強く記憶に残ってい…

花言葉とバラ

花について調べていると、花言葉がよく出てきます。そこには花への人の思い入れや望みが溢れていますが、時には迷信や誤謬の塊でもあり、とても人間的なものです。 その人間的な花言葉の発祥は17世紀頃のトルコらしい。花に思いを託して恋人に贈る風習がトル…

メラレウカ・リナリイフォリアの白い花

メラレウカ・リナリイフォリア(Melaleuca linariifolia)は公園や庭園の観賞用として栽培され、スクリーンや防風林としても利用されているとのことだが、私がこの植物を見るのは久し振りである。フトモモ科メラレウカ属の常緑樹で、「スノーインサマー」と…

シャゼンムラサキの花

シャゼンムラサキ(車前紫)はヨーロッパ原産で、ムラサキ科シャゼンムラサキ属の一年草。シャゼンムラサキは道端や海岸近くの野原に生え、全体が白い毛で被われています(画像)。5月から6月にかけ、青紫色、白色やピンク色のベル型の小花を咲かせます。 奇…

シロバナムラサキツユクサの花

ツユクサはツユクサ科ツユクサ属の一年生植物。ツユクサは夏の花で、その花の青さは早朝の露の下りたあぜ道を思い出させる夏の青色。朝露を連想させることから「露草」と名付けられたが、確かに午後には青色がすっかり見えなくなる。ツユクサには青の他に白…

ダリアの花たち

夏になればダリア、ダリアは夏らしい花の代表格で、キク科ダリア属の多年生植物。18世紀にメキシコからスペインにもたらされて以来、長い時間をかけて品種改良が行われ、多種多様な品種が生み出されてきました。日本には江戸時代にオランダ人が持ち込み、江…

立葵と鶏冠

タチアオイの花弁の付け根の部分をはがすと、そこは粘着性があり、肌に張り付く。それが赤いタチアオイなら、張り付いた花弁はニワトリのトサカに見える。そこから、タチアオイはコケコッコ花とも呼ばれてきた。 タチアオイが街中の庭や軒先に植えられていた…

サルビア・クレブランディの花

サルビア・クレブランディ(Salvia clevelandii)はカリフォルニア原産のサルビア。リング状に咲く花が何とも美しく、その上全草から漂う甘い香りが魅力的です。別名の一つがサンディエゴセージ。カリフォルニア州南部からバハカリフォルニアに分布し、初夏…

ギンバイカの花

オトギリソウ属のビヨウヤナギ、西洋キンシバイ(ヒペリカム・カリシナム)によく似た花姿をもち、花色が白いのがギンバイカ(銀梅花、銀盃花)で、フトモモ科ギンバイカ属の常緑低木です。白い梅のような花を咲かせることから、「銀梅花」と名付けられまし…

アカメガシワの花:子供の頃からいつも身近に見てきた先駆種

先駆種は植生(ある場所に生育しているすべての植物)が遷移していく初期に見られる植物種のことで、先駆植物、パイオニア種、パイオニア植物とも呼ばれます。新しい空き地が生まれると、そこに最初に映えてくる樹木が私には先駆種の代表例で、アカメガシワ…

ブラックベリーの花と実

バラ科キイチゴ属のブラックベリー(Blackberry)の別名はセイヨウヤブイチゴ(西洋藪苺)。花弁は5枚から7枚で、中心部に多数の雌しべがあり、その周辺に多数の雄しべがある点は、キイチゴ属の特徴をよく示している。 ブラックベリーはブルーベリーと比べ…

トケイソウから機械論的世界観へ

5月23日にトケイソウについて記しました。トケイソウ(時計草、パッションフラワー)はトケイソウ科トケイソウ属に分類される植物の総称。トケイソウはその花の形を時計の文字盤に見立てたことからつけられた名前で、私には植物機械論や機械論的自然観のシン…

ウメエダシャクは美しいのか?

ウメエダシャクはチョウによく似たシャクガ科のガ。翅は白色と黒色のまだら模様で、腹部は淡黄橙色で黒色の斑紋が並ぶ(画像)。日中に活動し、羽ばたきながら緩やかに飛び続ける。幼虫はウメやサクラの木の葉を食べる。そのウメエダシャクが咲き始めたアジ…

クレロデンドルム・ブルーウィングの花(2)

クレロデンドルム・ブルーウィングについて既に記しました。その姿は単に綺麗という訳ではなく、怪しげな暗示に満ちています。学名のClerodendrumはギリシア語の「cleros(運命)」と「dendron(樹木)」に由来し、呪術に使われていたことに由来すると書きま…

クレロデンドルム・ブルーウィングの花(2)

クレロデンドルム・ブルーウィングについて既に記しました。その姿は単に綺麗という訳ではなく、怪しげな暗示に満ちています。学名のClerodendrumはギリシア語の「cleros(運命)」と「dendron(樹木)」に由来し、呪術に使われていたことに由来すると書きま…

クレロデンドルム・ブルーウィングの花

クレロデンドルム・ブルーウィングはクマツヅラ科の非耐寒性常緑低木。5月~9月頃に青い蝶が羽を広げているような小さな花を咲かせます。雄しべも雌しべもカールしていて、その花姿から青い妖精、ブルーバタフライブッシュなどと呼ばれています。 でも、その…

フェイジョワとドクダミとテントウムシ(昨夜のものの改訂版)

私の哺乳類に対する常識は昆虫に対する常識とは随分違っている。哺乳類に対する常識には私自身の経験が入っているのだが、幼虫、蛹、成虫と変態する昆虫の成長を自ら経験することができず、私のような哺乳類にはその成長を経験し、実感することができない。…

リクニス・コロナリアの花

シルバーリーフとなれば、シロタエギクとフランネルソウが今風の流行。湾岸地域でもこれら二つが目立っています。 ナデシコ科のリクニス・コロナリアはアフリカ北西部、ヨーロッパ南東部から中央アジアなどが原産地で、その外観から「フランネルソウ」と呼ば…

ビワの実

ビワは実が主役であることを私に印象づけたのは坪田譲二の童話「ビワの実」。そこには樵の金十のビワを食べる体験と、ビワの木の再生が描かれている。 ビワ、アンズ、ウメ、モモ、サクランボなどのバラ科植物の種子や未熟な果実の部分には天然の有害物質(シ…

フェイジョワとドクダミとテントウムシ

私の哺乳類の常識は昆虫の常識とは随分と違う。幼虫、蛹、成虫と変態する昆虫の成長は私のような哺乳類の成長とはまるで異なる。少なくとも、哺乳類には通用しない成長が昆虫の成長であり、哺乳類は昆虫の成長を知る由もない。従って、哺乳類の一生は昆虫の…

追憶のドクダミ

私が生まれた家の裏庭に群生していて、祖母が愛用していたのがドクダミ(蕺草、蕺)。別名はドクダメ(毒溜め)、ジュウヤク(十薬)、ジゴクソバ(地獄蕎麦)などで、どれも民俗学的妄想を掻き立ててくれる。ドクダミ全体に独特の香りがあり、子供の頃はこ…

ペンステモンの花

ペンステモン(ジギタリス、Penstemon digitalis)は別名が「シロツリガネヤナギ」で、北アメリカ原産の多年草。ジギタリス(digitalis)はラテン語で「指の様な」という意味で、花の形が手袋の指に似ているため。 ペンステモンは釣り鐘形や、筒状でふっくらした…

フェイジョアの花

フェイジョアはフトモモ科の常緑低木。湾岸地域では果物として栽培されるのではなく、庭木や生垣用として使われている。南米原産で、果物としては主にニュージーランドで栽培され、別名はパイナップルグアバ。 花弁は外側の白と内側の赤に分かれ、雄しべの鮮…

アメリカナデシコの花

アメリカナデシコはナデシコ科ダイアンサス属の南ヨーロッパ原産の常緑植物。アメリカナデシコは「ビジョナデシコ(美女撫子)」、「ヒゲナデシコ(髭撫子)」とも呼ばれています。ビジョナデシコの名前の由来は日本に入ってきた際にあまりの花姿の美しさに…

初夏のハナセンナ

ハナセンナ(花旃那)は、ブラジル、アルゼンチン原産のマメ科センナ属の半耐寒性常緑低木。別名は「アンデスの乙女」。秋に黄花を咲かせますが、湾岸地域では初夏にも花をつけ、秋にまた咲く二季咲きのようです。 ハナセンナ(花旃那)の花は私が好きな花の…