ロドレイア へンリー「レッド ファンネル」

 ロドレイアはマンサク科ロドレイア属の常緑小高木。別名は枝先に集まって咲く花の様子などからシャクナゲモドキ(石楠花擬)。また、ホンコンローズとも呼ばれる。ロドレイアの仲間は東南アジアから中国南部にかけて7種が分布する。

 花色はピンクから濃紅色で、直径5㎝ほどの花が枝先に房状に集って下向きに咲く。香港では旧正月の飾りに欠かせない花。開花期は2~4月だが、燃えるような赤い花が見事である。樹形は立ち、シャクナゲに似た厚くて丸い葉は冬でも光沢があり、濃緑色。

*「レッドファンネル(red funnel)」という英名のごとく、花は漏斗のような形状で少し下向きに咲く(画像)。

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クロッカスの花

 クロッカスは秋植えの球根植物。原産地はヨーロッパ南部や地中海沿岸から小アジア。晩秋に咲き、花を薬用やスパイスとして用いるサフランに対し、クロッカスは早春に咲き、観賞用として栽培されるため、春サフラン、花サフランなどと呼ばれる。球根は直径4cmくらいの球茎で、細長く、花の終わった後によく伸びる。花はほとんど地上すれすれの所に咲き、黄色・白・薄紫・紅紫色・白に藤色の絞りなどがある。クロッカス(Crocus)はアヤメ科クロッカス属の総称で、最も古くから栽培されてきたのがサフランCrocus sativus)。昔はサフランが高級食材で、パエリアには欠かせない香辛料。

 その花サフランが今咲き出している。画像は紫と白の花だが、白いクロッカスの花言葉は「青春の喜び」。クロッカスの名前はギリシア語のクロケ(糸)に由来し、糸のような細長いめしべを持つ種があることによる。花は日差しを浴びて気温が高くなると開く。曇りの日や夕方以降は気温が低くなるので閉じる。

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オウバイの花

 梅の花が散り出し、早春から春へと季節が移り出しているが、早春の花の代表の一つがオウバイ(黄梅)で、まだ咲いている。オウバイの中国語名は「迎春花」、英名は「ウィンター・ジャスミン」である。オウバイはモクセイ科の半蔓性の落葉低木で、原産地は中国。早春に梅に似た形の黄色い花を咲かせる。花の大きさは直径2センチ程度。日本への渡来は元禄時代

  オウバイジャスミンの仲間だが、花の香りはほぼなく、枝は箒状に垂れ下がる「半つる性」で、地面についた枝からは根が発生し、新たな株ができる。雲南黄梅(オウバイモドキ)は同じく中国原産で似たような樹形だが、落葉性のオウバイと違って、冬期も葉を落とさない常緑性で、花の大きさは1.5センチほどである。ウンナンオウバイの多くは二重のような花が咲き、花や葉が比較的大きい。オウバイは以前言及したソシンロウバイレンギョウとも似ているが、こちらは見分けがつきやすい。

オウバイの花は古くなると、白く色が抜ける場合がある(画像)。

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社格や寺格

 神社に社格と呼ばれる身分、階級があったのは戦前までの話なのですが、「神宮」、「大社」という名称はそれだけで格式の高い神社であることを誇っているように見えます。戦後はそのような格式の区別あるいは差別はなくなり、民主的になった筈なのですが、私たちは相変わらず旧来の格式を盲目的に受け入れていて、格式の高さがご利益の高さにつながると思っているようです。人間は誰も平等というのが当たり前でも、神社は社格の違いがあるというのが当たり前という二重基準が未だに通用しているように思われます。多神教の神々に神格の上下があるように、神社にも社格の違いが今でも歴然と存在しています。その歴史は古く、平安時代から昭和21年にGHQによる神道指令によって廃止されるまで続いてきました。

 平安時代社格を定めたのが『延喜式』。朝廷から幣帛(神への捧げ物)が奉献される神社が「官社」ですが、「延喜式神名帳」にはその官社のリストが掲載されています。そこに掲載されている神社の数は、2861社。これらの神社は「式内社」とも呼ばれ、格式の高い神社とされてきました。掲載されていない神社は「式外社」と呼ばれました。

 明治時代には新しい社格制度が整えら、神社は「官社」と「民社」に分けられることになります。神祇官の管轄である官社は更に官幣、国幣、別格官幣社に分類されました。地方官の管轄である民社は府・藩・県社と郷社、村社、無格社に分けられました。戸隠神社社格国幣小社。斐太神社は式内社で、社格は郷社。関山神社は式内社の論社で、社格は県社。戦前まではこのような社格によって神社を分類し、身分づけをしていました。

 では、仏教に関して社格に似た寺格はあるのでしょうか。『延喜式』では官寺も定められていました。さらに、天皇祈願寺は「勅願寺」と呼ばれました。中世には皇族・貴族が住職を務める門跡寺院ができます。官寺や門跡は、朝廷における序列ですが、鎌倉幕府臨済宗の「五山」の寺格を制定し、それに続く室町幕府では、それを発展させ臨済宗寺院を五山・十刹・諸山・林下に区分したことから、その他の諸宗派内部の序列、格式としての寺格が成立しました。江戸幕府は本山-末寺の寺格制度を導入し、各宗派の本山を通じて仏教界全体を統制しました。明治維新後、政教分離により、国家による認定がなくなります。でも、現在でも各教団ごとに、大本山、本山、別格本山といった本末関係に基づく寺格(寺院等級)が存続しています。

 多神教の神々は神話の中で神格だけでなく、様々な特徴、役割が付与されています。これはギリシャ神話や日本神話を見れば明らかです。神々の社会があり、そこには神の身分があり、神格をもった神々がいます。とはいえ、神格や仏格は人格ではなく、社格や寺格とも異なります。神や仏への私たちの信仰は社格や寺格に左右されるとは考えたくないというのが建前であっても、実際には自分が住む場所の神社や寺より伊勢神宮本願寺の方がご利益があると考える人が多いのもまた確かなことです。信仰は自由で平等であるべきなのですが、俗世ではいまだに神も仏も不平等の世界の存在であるようです。

ムラサキウンラン(リナリア)

 3月に入り、あちこちで花が目立ち出した。そんな中、花壇の端にリナリアが咲いている。ムラサキウンラン(紫海蘭)=リナリアヒメキンギョソウ(姫金魚草)はウンラン属で、リナリアヒメキンギョソウは園芸名である。原産地は北アフリカ、スペインで、茎は細く、基部で分岐して高さ50cmほどになる。春から初夏にかけて、直径1cmほどの紫色の仮面状花を穂状に着ける。

 マツバウンランアメリカ原産で、1941年に京都市で初めて採集された帰化植物。現在では北関東、北陸地方以西に普通に見られるようになった。茎は細く、基部で分岐して高さ50cmほどになり、基部から走出枝を伸ばして分株をつくる。直径1cmほどの紫色の仮面状花を穂状につける。

 また、ツタバウンランはヨーロッパ原産の帰化植物で、日本に渡来したのは1912年(大正元年)。つる性のツタバウンランの花の時期は4月~6月あたりで、青紫色(紅紫色)の小さい、かわいい花を咲かせる。

 ムラサキウンラン、マツバウンラン、そしてツタバウンランのどれもよく似た花形で、それが「海の蘭」の由来である。画像はこれら三種だが、これら以外にもウンラン、ホソバウンラン、オオマツバウンランがある(マツバウンランツタバウンランの画像は昨年のもの)。

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ムラサキウンラン

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ムラサキウンラン

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ムラサキウンラン

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マツバウンラン

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ツタバウンラン

 

エンドウの花

 団地の花壇の一角にエンドウの花が見える。エンドウはマメ科 エンドウ属の、耐寒性があるつる性の一年草。茎も葉もろう質に覆われるため、白っぽく見えます。葉は互生し、羽状複葉で先端の小葉が巻きひげに変化しています。上部の葉腋に、長さ2~5cmの二股に分かれる花茎を出し、花が二つつくことが多いようです。花は蝶形で、赤紫色または白色です。既に挙げたヤハズエンドウの花と比べてみてください(画像)。

 エンドウは世界的に見るとムギと同じくらい古くから栽培されていますが、日本への本格的な導入は明治時代に入ってからです。エンドウの花は十分鑑賞に堪える美しい花で、しかも食用にもなります。

 「エンドウ豆」には三つのタイプがあり、未熟の豆を食べる「グリーンピース」、未熟の莢を食べる「サヤエンドウ」、そして莢も豆も食べることができる「スナップエンドウ」です。

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ヤハズエンドウ

 

セイヨウアブラナの花

 「菜の花」はアブラナ科アブラナ属で、「野菜の花」から「菜の花」になり、スーパーなどで販売されている食用の花を指しています。ビタミンCやミネラルが豊富な緑黄野菜で、私の好物の一つです。一方、河川敷に咲く菜の花はセイヨウカラシナかセイヨウアブラナで、画像はセイヨウアブラナです。春、一面に広がる菜の花畑は壮観で、代表的な春の風物詩です。開花時期は2月から5月の間です。

 作物としては油菜(アブラナ)、菜種(ナタネ)などの名称で知られています。 中国には紀元前に既に伝播していたようで、日本にも奈良時代までには中国から渡来し、野菜や油料作物として広く栽培されてきました。でも、現在栽培されているものはセイヨウアブラナで、かつて栽培されていたものとは種類が異なります。 アブラナは種子から油を採る植物に対する総称ですが、日本でかって栽培されていたアブラナ(和種)とヨーロッパで栽培されていたセイヨウアブラナ(洋種)に分けられます。

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