タイトルの問いは「草とは何か」と言い換えてもいいでしょう。いずれであれ、何とも哲学的な問いに聞こえますが、それを今花が咲いているモミジアオイ(紅葉葵、Hibiscus coccineus)で考えてみましょう。画像のモミジアオイは3mほどあり、たくさんの花をつけていて、木のように見えます。
形態学的な基準に沿って、木本性か草本性かを判断しましょう。
1.モミジアオイは冬季に地上部が完全に枯死します。木本ならば地上部の茎、枝が越冬し、維持されるはずですが、モミジアオイは毎年地上部が消失します。
2.モミジアオイの茎は木質化しません(草本性の茎)。茎は直立しますが、木本のような多年性の木質部を形成しません。
3.モミジアオイは株分けで増える宿根草の繁殖様式を持っています。木本植物では通常「株分け」は行わず、挿し木、接ぎ木が主になります。
4.モミジアオイは分類学的に多年生草本で、アオイ科フヨウ属のモミジアオイは木本のムクゲ(木槿)やフヨウ(芙蓉)とは異なり、草本です。
モミジアオイは明治初期に渡来した北アメリカ原産のアオイ科フヨウ属の宿根草。7月から9月頃までの夏の季節にフヨウによく似た大輪の赤い花を咲かせます。花がハイビスカスやタチアオイに似ているため、よく間違われますが、モミジアオイは花弁の根っこが細くなっていて、花弁の間に隙間が広くできるのが特徴です(画像)。
草丈は大きい物で2m近くになり、茎も草花としてはとても太くなります。名前は星形の葉の形がモミジに似ていることからつけられました。別名は「紅蜀葵(こうしょくき)」。
近年、葉の形が異なる「タイタンビカス」というモミジアオイとアメリカフヨウとの交配種が生まれ、赤、ピンク、白などの大振りの花が見られるようになりました。
*タイタンビカスはモミジアオイとアメリカフヨウとの交配種です。アメリカフヨウはフヨウによく似ていますが、フヨウ(やムクゲ)が木なのに対し、アメリカフヨウは草です。「草のモミジアオイ」と「草のアメリカフヨウ」の交配種が草のタイタンビカスです。とはいえ、花だけ見ていたのでは植物名だけでなく、草か木かさえよくわかりません。



