2024-01-01から1年間の記事一覧

キンセンカとヒャクニチソウ

キンセンカは冬の仏壇を飾る仏花。キク科のキンセンカの別名はカレンデュラで、今はカレンデュラの名前の方が使われている。園芸ではレモンマドレーヌ、あるいはチーズトルテなどと呼ばれ、仏花の名前もすっかり様変わりである。キンセンカの花色は花びらに…

カラミントとキャットミント

カラミント(Clinopodium nepeta)はシソ科トウバナ属の多年草。ミントに似た香りがし、ハーブとして使われる。高さ30~60㎝。茎は基部でよく分枝して直立し、4稜形、下向きの屈毛がある。葉裏には腺点が密にあり、揉むと強い香りがする。花は多数つき、白色…

サルココッカの果実

サルココッカ(Sarcococca confusa)も和名はなく、カタカナ表示のツゲ科の常緑低木です。いい香りが漂い、よく見れば、サルココッカの花が咲いていました。それが昨年の2月でした。葉は濃い緑色で、光沢があり、冬の緑が魅力的です。花は小さく、白色で、早…

ハマヒサカキの花と臭いから

サカキ科のヒサカキやハマヒサカキの花の香りはプロパンガスの臭いのようだと言われてきました。今湾岸地域は植栽されたハマヒサカキの花が咲き、実がつき、プロパンガスの臭いをあちこちで嗅ぐことができます。春に嗅いだヒサカキの花の臭いによく似ていま…

初冬の昆虫たち

今はツワブキとヤツデの花が咲き、その花に群がるハエやアブが目立つ。陽の光の中で賑やかに飛び交い、つい見惚れてしまう。子供と老人は振舞いが似ていると言われるが、生き物への関心の強さと生態への興味は子供と老人に共通していて、似ている典型例なの…

初冬のバラ

冬薔薇 寒空の中 凛として 初雪の 便りを聞いて 薔薇を見る 山茶花と 競い合うかな 冬の薔薇

初冬のヘクソカズラの実

ヘクソカズラ(屁糞葛)には「サオトメバナ」(早乙女花)という美しい別名がある。また、花の中心がお灸を押しつけたような形をしていることから、ヤイトバナ(ヤイトはお灸のこと)とも呼ばれる。いずれもとても人間らしい命名で、つい感心してしまう。 ヘ…

サンシュユの赤い実

サンシュユ(山茱萸)はミズキ科の落葉小高木。春に枯れ木のような枝に先ず黄色い花が咲き出すのがサンシュユ。そのため、「ハルコガネバナ」とも呼ばれ、春の黄色の花と秋の赤い実がサンシュユの大きな特徴です。サンシュユの実はピラカンサの実より大きく…

ハマゴウの実

北海道を除いた日本全国の海岸砂地に自生するシソ科の常緑低木。ハマゴウは平安時代の『延喜式』、『本草和名』では「浜を這う」という意味で、蔓荊子(はまはふ)、波万波比(はまはひ)などと呼ばれていました。その後、実、葉、樹が精油分を含み、芳香が…

シュウメイギクの綿毛

キンポウゲ科のシュウメイギク(秋明菊)は湾岸地域でも公園でよく見ることができ、これまで何度も記してきました。風に揺れるシュウメイギクの花は楚々とした美しさがありますが、キクではなく、アネモネの仲間です。シュウメイギクは1本の茎から数輪の花を…

シロダモの雄花

クスノキ科のシロダモは照葉樹林でみられる高さ10mにもなる常緑樹。葉の表面には光沢があって3本の脈が目立ち、裏面は灰白色です。若い葉は表裏とも絹毛で覆われていて、新葉が開くときは遠目にもよくわかります。 辰巳の公園には大きな木が多く、その木々の…

コスモスの花たち

既に記したブラキカムの和名はヒメコスモス(姫秋桜)でしたが、コスモスも元気に咲いています。キク科コスモス属のコスモスの和名は「アキザクラ(秋桜)」、「オオハルシャギク」。コスモスの日本への渡来は1896(明治29)年で、草丈が2〜3mになって分…

ブラキカムの花

学名はBrachyscomeですから、ブラキスコメと呼ぶべきなのでしょうが、日本での一般的な名称はブラキカムで、オーストラリア、タスマニア、ニュージーランド、ニューギニアに、60~70種が分布する半耐寒性のキク科の一年草、または多年草です。オーストラリア…

ユーカリの葉

ユーカリはオーストラリア、ニュージーランドなどが原産で、フトモモ科ユーカリ属の常緑高木。シルバーリーフの葉が美しく、シンボルツリーとして人気があります。また、ユーカリの葉は爽やかな香りがあり、ドライフラワーや切り花としても楽しめます。 ユー…

ワタと綿毛(わたげ)

ワタはアオイ科の植物。アオイ科の植物の花を見比べると、互いによく似ている(画像)。そして、ワタはハイビスカスのように熱帯、亜熱帯地域が原産。綿は植物の「ワタ」から採取される繊維のこと。綿の繊維は平たく、天然の撚り(より)があり、紡いで糸にす…

ランタナの花と実

ランタナ(Lantana camara)は6月末からずっと初冬まで花が咲いている。同じ茎から微妙に異なる色の花を咲かせる。まさに色の「七変化」で、それが別名になっている。実の方も緑から藍色へ変化する。 ランタナ属は中南米・南欧原産の150種ほどの低木・多年草…

喜寿

ありがたや 何事もなく 喜寿の朝 目が覚めて 哀しくもなし 誕生日 団塊の 老いたる姿 溢れおり 冬の朝 寒さ感じて 我が身老い 老いながら 感じる老いの 違いかな 共に老い 妻の顔見て 我を知る 冬の朝 寒さ感じて 目覚めけり 宿り木なるや 我が老いの身 老い…

モチノキの実

モチノキ(餅の木、黐の木)はモチノキ科の植物で、湾岸地域にはモチノキとその仲間、つまり、モチノキ属の常緑高木がたくさんあり、クロガネモチやナナミノキが植えられています。樹皮から鳥糯(とりもち)が採れるため、モチノキと呼ばれるようになったの…

不思議なヤドリギ

モチノキを見ていて、気づいたのがヒノキバヤドリギ。私がこのヤドリギを見たのは初めてでした。「宿主、ヤドリギ、ヤドカリ、家主、店子」等々の表現が頭を過ったのですが、ヤドリギは私には神秘的な謎の具体例の一つでした。 ヤドリギは高い木の枝上に固着…

ベニニガナの花

キク科ウスベニニガナ属のベニニガナ(紅苦菜、Emilia coccinea)は中国南部からインド東部が原産です。別名で「カカリア」、「エメリア」あるいは「えふでぎく(絵筆菊)」とも呼ばれます。8月から10月頃、高さ30~60センチの茎の先に、オレンジ色または橙…

冬のクスノキ

クスノキ科のクスノキ(樟、楠)は常緑樹で、花の後にできる緑色の実は11月に入ると、黒紫色に熟し出します(画像)。中には種が一粒入っていて、ムクドリやカラスなどの餌となります。実は小鳥たちには好物で、種が遠くまで運ばれます。 常緑の広葉樹はクス…

元気なオオハナアブ

ハナアブ科の代表種がオオハナアブ。「オオ」がつきますが、実際にはナミハナアブと体長は変わらないのですが、太って丸い体形が特徴なのがオオハナアブ。大きな複眼には迷路のような模様があります。複眼が互いに接しているのが雄で、離れているのが雌(画…

ギンバイカの実

ギンバイカ(銀梅花)は雄しべが躍っているような白い小さな花をたくさんつける常緑低木。ギンバイカは6月中旬から7月に花をつけますが、その名前の「銀梅花」は梅の花に似ていることから。 ギンバイカは常緑で葉の密度も高く、屋外で冬越できるため、湾岸地…

クランベリーハイビスカスの葉と花

既に記したクランベリーハイビスカスは花だけでなく、葉も茎もよく似た色をしています。クランベリーハイビスカスの草丈は2mほどにまでなり、茎は直立、分枝は斜上、茎の色は赤色または赤紫色です(画像)。葉色は暗紫色または紫色で、葉の形は菱形で葉縁部…

血の繋がりと知の繋がり

「関ヶ原合戦に敗れた石田三成の嫡子重家は徳川家康に助けられ、出家し、次男重成は津軽信建に匿われ、子孫の杉山氏は津軽藩士として存続した。また、三成の娘辰姫は秀吉没後に高台院の養女となり、弘前藩2代藩主津軽信枚に入輿し、3代藩主信義を産む。さら…

ルリマツリモドキの花

ソマツ科のルリマツリモドキは中国原産で、初夏から秋の長期間、小さなブルーの花を咲かせます。秋になると紅葉し、冬には地上部の枝が枯れて地下茎の状態で冬を越します。神秘的なブルーの花はよく目立ちます(画像)。 「モドキ」のつかないルリマツリは同…

初冬のタケニグサの花

ケシ科のタケニグサ(竹似草、竹煮草)は湾岸地域でもあちこちに見ることができます。とはいえ、空き地が次第に減り、その個体数が減っていることを実感します。「タケニグサ」は茎が中空で竹に似ているから「竹似草」、あるいは、竹と一緒に煮ると、竹が柔…

クランベリーハイビスカスの花

アオイ科のクランベリーハイビスカス(Hibiscus acetosella)の別名は「ハイビスカス・アセトセラ」、「フォールス・ローゼル(false roselle)」。原産地がアフリカの低木で、「ローゼル」や「ケナフ」の近縁種です。アフリカの野生の「ハイビスカス」の雑種…

初冬のバラとキク

桜と菊は多くの人に国花と思われ、春の桜に対して秋を象徴するのが菊。鎌倉時代の初めに後鳥羽上皇が菊の花を好み、「菊紋」を皇室の家紋とした。それが菊の好まれる第一歩で、それ以来、菊は高貴な花ということになり、『菊と刀』が生まれた。 キクは7~8世…

アンゲロニアの花

アンゲロニア(Angelonia angustifolia)の別名はエンジェルラベンダー、ホソバアンゲロンソウ。原産地はメキシコで、開花期は6月から秋まで。「アンゲロニア」はアンゲロニア属の園芸品種の総称ともされています。 アンゲロニアの草丈は30~45cmで、茎は直…