2024-01-01から1年間の記事一覧
ハマボウはアオイ科フヨウ属の落葉低木。浜に生える朴の木(ほおのき)から「はまぼう」になり、漢字は「浜朴」。「浜椿」ともいわれ、昔から詩歌に詠まれてきました。同じフヨウ属のオクラの花に色も形もよく似ています(画像)。ハイビスカスと同じように…
アマリリスは真っ直ぐな太い茎に、大きな花を咲かせます。「アマリリス」はヒガンバナ科の植物の総称で、原産は中南米・西インド諸島。地中に鱗茎をつくる多年草で、その花はユリに似ています(画像)。花の色は白・赤・薄紅・淡黄など様々。日本には江戸時…
湾岸地域にはサルスベリが多く、一部は街路樹にまでなっています。今は花があちこちで見られ、赤、ピンク、白の花が暑さにめげず咲いています。初秋までの長い期間に渡って花を楽しむことができるため「百日紅(ヒャクジツコウ)」という別名がありますが、…
ミズキ科のハナミズキ(花水木)の別名はアメリカヤマボウシ。日本の近縁種ヤマボウシに似ていることに由来します。北アメリカ原産のハナミズキが日本へ入ってきたのは明治時代。ワシントンにソメイヨシノを送った返礼として日本にやってきました。ハナミズ…
湾岸地域ではクロガネモチ(黒鉄黐)が多く植えられていて、今はあちこちでその青い実を見ることができる。クロガネモチはイチョウなどと同じように雌雄異株。実をつけるのはクロガネモチの雌の木。雄の木を見落としているのかも知れないが、どのクロガネモ…
蝶のコムラサキではなく、植物のコムラサキはシソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。北海道と青森を除く日本各地の山野に分布し、中国や朝鮮半島にも分布する。同属のムラサキシキブとともに紫式部にちなんで名付けられた。ムラサキシキブは樹高が3mにもなる「…
ノシラン(熨斗蘭)はアジア原産で、東海地方以西、さらには沖縄や済州島に分布する多年草。温暖な沿岸域のやや湿った林下などに生育。葉はヤブランに似ているが、より長くて幅が広くて、長さ30~80cm程で先端は垂れ下がる。花茎は長さ30~50cmで、断面は扁…
キジカクシ科のツルボ(蔓穂、綿棗児、Barnardia japonica)は地下に球根があり、秋の初めにピンク色の花が密生した細長い穂を出す(画像)。花期は8-9月で、葉の間から細長い花茎を伸ばし、総状花序をその先端につける。葉は1年に2回出る。まず、春に5-10枚…
シソ科のベニバナサルビア・サマージュエル ホワイト(Salvia coccinea Summer Jewel white seeds)の原産地はアメリカ、メキシコで、開花期は6~10月。「ベニバナ」はチグハグだが、この園芸種の花色は赤ではなく、白。 サルビアは夏の花の代表だが、ラテン…
フヨウ ムクゲ ワタはアオイ科の植物です。アオイ科の植物の花とワタの花とを見比べると、互いによく似ています。そして、ワタはハイビスカスのように熱帯、亜熱帯地域が原産です。エジプトや中南米の熱帯地域から次第に温帯地域へと人為的に広がっていった…
9月に入り、カリンの実が目立つようになってきた。どの実も相変わらず青いままなのだが、何だか古参の実のような貫禄が出てきたように思えてならない。今年はどの木も例年より実の数が多く、豊作である。 多くの実をつけたカリンがまだ暑い青空の中で、生き…
オキザリス・トリアングラリス(Oxalis triangularis)はブラジル原産のカタバミ科の栽培種。葉色は濃紫色で、葉形は三角形をしています。別名はムラサキノマイ(紫の舞)、インカノカタバミで、開花期は6月~10月。江戸時代末期に観賞用として導入され、日…
多くの老人は「マツヨイグサ」より、「月見草」や「宵待草」の方が自然を愛で、自然を感じる姿を表現するのに適していると思うようです。それは文学的、美学的な感性レベルの話で、人と自然と文学の共同作業の蓄積の結果なのです。でも、その植物とはどれも…
スズランノキ、ニッサボクと並んでニシキギは世界三大紅葉樹の一つで、日本の庭の名脇役となってきました。その紅葉の美しさから「錦木」と名づけられましたが、ニシキギには枝の節間にコルク質の「翼」があり、これを刃物や矢になぞらえて、「剃刀の木」、…
タマスダレ(玉簾)はヒガンバナ科の球根草。別名はレインリリー(雨ユリ)。タマスダレは夏から初秋に1本の花茎に花を一つだけ咲かせる(画像)。タマスダレの花は直径4-5㎝ほどの純白の花で、花弁は6枚、雄しべは黄色い(画像)。 タマスダレはヒガンバ…
「富士には月見草がよく似合う」は太宰治の「富嶽百景」の有名な言葉。バスの乗客たちが富士山を見て大喜びしている中で老婆が一人だけ富士山とは反対側を暗い顔をしながらじっと眺めていた。太宰は老婆に共感して、富士とは反対側の窓を眺める。すると、月…
今年はなかなかマメアサガオの花が見られず、心配していたが、昨日やっと花を見ることができた。マメアサガオは北アメリカ原産の1年草、1955年に東京近郊での帰化が報告され、現在では関東地方以西で道ばたなどに見られるらしいが、私は一か所でしか見ていな…
それにしても昔の説経節はどんなクドキとフシをもっていたのでしょうか。悲しい声のみで、涙を流して泣くばかりということから、浄瑠璃の声とは違っています。でも、当初は古浄瑠璃ともつながっていました。説経語りは享保年間には廃れてしまいますが、それ…
さて、説経、浄瑠璃、瞽女唄などの「さんせう太夫」と鷗外の「山椒大夫」はどのように違うのでしょうか。大胆に、直木賞と芥川賞の違い、大衆文学と純文学の違い、中世的人間像と近代的人間像の違いと表現できても、どれも100%正しくはなさそうです。まずは…
森鴎外の「山椒大夫」の舞台は越後、佐渡、そして京の都で、越後の春日から話が始まります。直江津は今の上越市で、私が6年間通った高田も上越市の一部です。「山椒大夫」の元の話が説経「さんせう太夫」で、浄瑠璃、瞽女唄などの「さんせう太夫」もほぼ同じ…
バラ属の植物は落葉低木で、雌雄同株。サンショウバラ(山椒薔薇)やハマナス(浜茄子、浜梨)などの日本の自生のバラを含め、一般的には春と秋に二度咲きします。ハマナスは古来より日本に自生するバラの原種の一つです。そのハマナスは西洋に渡り、私たち…
ナツズイセン(夏水仙)はホンアマリリスと同じヒガンバナ科の有毒の多年草。夏に花茎を伸ばして、ラッパ状の花を数個つける(画像)。花は、淡紅紫色で花びらは反り返り、目立つ茎は太く、花はヒガンバナ(彼岸花)に似ているが、ヒガンバナより先に咲く。…
ベラドンナリリーという別名をもつヒガンバナ科ホンアマリリス属のホンアマリリス(Amaryllis belladonna)は秋に咲く栽培種です。一方、春に咲くアマリリス(英語Amaryllis)はヒガンバナ科ヒッペアストルム属(Hippeastrum)です。アマリリスというと、春…
とてもノッポな変わった銅色の葉をもつカンナ・オーストラリア。開花時期は6月~10月で、花色は赤みを帯びたオレンジ。シックな銅葉との相性が抜群。最初に見た時、私にはそれがカンナだとわからなかった。花より葉の銅の色が強烈だった。 初夏から晩秋に…
マメ科のエンジュは中国では高貴な木で、紀元前1200年前、周代の朝廷の最高位にある三公がそれぞれ三本の槐(えんじゅ)の木に向かって座ったことから、三公の位を象徴する木と言われる。エンジュの枝垂れ品種のシダレエンジュ(枝垂槐)はその最高種とされ…
サンゴジュは関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄の主に沿海地域に自生するスイカズラ科の常緑樹。湾岸地域では公園や歩道によく植えられていて、今はその実が赤く熟し、見頃になっている。サンゴジュは葉が厚く燃えにくく、材には水分が多いので防火の…
新潟文化物語のfile-171 「赤倉温泉物語~妙高倶楽部が目指した高級避暑地~」で大正時代の赤倉温泉の開発史が述べられています。そこで江戸、明治初期の赤倉温泉の歴史の二コマを略述しておきます。 *https://n-story.jp/topic/file-171/ 尾崎紅葉の『煙霞…
メギの別名は「コトリトマラズ」、「ヨロイドオシ」で、日本原産の落葉低木です。日本では本州、四国、九州に分布、山地や丘陵等に自生しています。メギ(目木)の由来は枝や根を煎じた物が洗眼薬として使われてきたことに由来します。 メギは枝に鋭い棘があ…
マメ科のシカクマメ(四角豆、Psophocarpus tetragonolobus)は熱帯アジア、またはマダガスカルが原産とされる。さやの断面は四角形で、4枚の翼状のひだがついた形状が特徴的なマメである。実の断面が四角形なのがこの名前の由来で、別名がトウサイ(豆菜)…
タケノホソクロバ(Fuscartona martini)はマダラガ科のガの一種。日本全域と中国、朝鮮半島に分布する。幼虫は毒毛を具え、年2回発生が普通。5~6月に葉裏に生まれた卵塊から孵化した幼虫は集団でタケやササの葉裏をなめるように摂食するが,3齢以降は葉全…