2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、そして、モミジバヒメオドリコソウの特定とは?

画像はホトケノザ、ヒメオドリコソウ、モミジバヒメオドリコソウの順だと思われるのだが…最後の画像のモミジバヒメオドリコソウはヒメオドリコソウとホトケノザの交雑種と考えられている。だが、ヒメオドリコソウとモミジバヒメオドリコソウの違いは微妙。 …

アブラナの花(2)

立春の2月5日にアブラナの花について記しました。黄色い花を咲かせるアブラナの別名は「菜の花」で、春の到来を感じさせる代表的な植物です。アブラナは観賞用や景観用だけでなく、料理の材料や油の原料としても使われてきました。小ぶりの花をたくさん咲か…

アオキの赤い残り実

アオキは花の少ない初冬に実をつけるため、江戸時代から人気があり、栽培されてきた。でき始めの実は緑色だが、1月頃から色付き始め、やがて鮮やかな赤になり、翌年の花が咲く月まで枝に残ることもある。画像は2月末の残り実だが、鮮やかな色を保っている。…

椿の花の美

ツバキの花にそろそろ飽き出すのが今の時期で、多くの人は桜の花を待ち望んでいる筈です。今年のツバキはまだ花をつけていますが、それにしても湾岸地域にはカンツバキやヤブツバキが多く植えられています。常緑で、冬に花をつける木は少ないためか、ツバキ…

瞬間の画像の意義

変化の典型は運動変化ですが、変化の反対は静止で、瞬間も静止の典型の一つと考えられてきました。変化は次のようなレベルの異なる概念枠組みによって扱われてきました。 a数学的概念としての点と線、つまり、個々の実数とその集合 b物理学(力学)的概念と…

日曜のカラスノエンドウの花

日曜の朝の土手にカラスノエンドウの花が咲き出し、春の兆しを演出しています。カラスノエンドウはマメ科ソラマメ属の植物で、日本のいたるところで見ることができます。繁殖力が強く、あちこちに自生していて、茎に巻きひげがあるのがカラスノエンドウの特…

ジンチョウゲの花

中国南部が原産のジンチョウゲ(沈丁花)は日本でも室町時代には既に栽培されていて、延徳二年(1490)の『尺素往来(せきそおうらい)』に「沈丁華」と記されている。雌雄異株だが、日本にある木はほとんどが雄株(*)。2月も末になり、湾岸地域でもあちこ…

クロッカス・トマシニアヌスの花:追加

数日前にクロッカス・トマシニアヌスについて記しました。画像が一枚だったので、さらに2枚追加します。クロッカスの花と土から早春を感じて下さい。

ヘレボルス:クリスマスローズの仲間

ヘレボルス・フォエティダスは常緑多年草、クリスマスローズの仲間で、茎が立ち上がる有茎種で、緑色を基調としたベル形の丸みのある花をつけます。その別名がコダチクリスマスローズ。フォエティダス(foetidus) は「悪臭」の意味で、少し臭気があり、全草…

ツルニチニチソウ(蔓日々草)の花

ツルニチニチソウはキョウチクトウ科ビンカ属の常緑で蔓性の植物。その分布域は地中海地域の南部、ポルトガル、スイス南部、北アフリカで、容易に栽培可能で花が美しいことから、日本では野生化し、帰化植物として広く定着しています。属名のビンカはラテン…

実梅の花

食べる梅となれば梅干しですが、南高梅はその一つとして有名です。食べるウメ、つまり実ウメは花も実も楽しめ、育てやすく、農薬もほとんどいりません。ウメは品種が多く、中国からの渡来種のほか、江戸時代に多くの品種が生み出され、現在では300種以上ある…

カワズザクラ(河津桜)の花

近くの公園のカワズザクラがこの数日で随分咲き出している。カワズザクラはオオシマザクラとカンヒザクラの交雑種。カンザクラ(寒桜)はカンヒザクラとヤマザクラの交雑種で、やはり数日前に咲いているのを見た。色んな桜が増え、オオシマザクラやソメイヨ…

オステオスペルマムの花

キク科のディモルフォセカ属、オステオスペルマム属はよく似ていて、判別が厄介だと昔書いたことがあります。ディモルフォセカはくっきりした形の花をつけ、色はピンク、白などで、春から夏にかけて長い間咲きます。オステオスペルマムの別名は「アフリカン…

アイビー(ヘデラ、西洋木蔦)の葉:変色、あるいは紅葉

ヘデラ・ヘリックス(Hedera helix)の通称はアイビー、和名はセイヨウキヅタ(西洋木蔦)。外壁や樹木に張り付いているウコギ科ヘデラ属の常緑蔓性低木です。アイビーは秋になると紅葉する種類が多く、冬になると落葉します。ヨーロッパから西アジア、北アフ…

クロッカス・トマシニアヌスの花

クロッカス・トマシニアヌス(Crocus tommasinianus)は春先に花を咲かせます。花の色はライラックから濃い紫色まで様々あります。クロッカスの別名は「アーリー・クロッカス(early crocus)」や「ウッドランド・クロッカス(woodland crocus)」で、ブルガ…

春のオオイヌノフグリ

フラサバソウの花を大きくしたような花をつけるオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)はオオバコ科クワガタソウ属の越年草で、湾岸地域のどこにも見られる野草です。和名はイヌノフグリに似ていて、それより大きいために付けられました。日本に入ったのは明治初年…

フラサバソウの花

オオイヌノフグリ(別名ルリカラクサ)の花に一見よく似た印象を与えるのですが、よくよく見ると随分と違います。野原で目を凝らさなくても見つかるのが帰化植物のオオイヌノフグリで、埋め立ての湾岸地域でも珍しくない植物です。フラサバソウの花はオオイ…

フクジュソウの黄色の花

フクジュソウは早春に黄色い花を咲かせることから、新年の季語となっている。春を告げるという意味で「福告ぐ草(フクツグソウ)」という名前が江戸時代に使われ、その後、「寿」と差し替えられ、「福寿草」となりました。また、旧暦の正月(2月)頃に咲き…

レウィシア・コチレドンの花たち

多肉植物のレウィシア・コチレドン(学名 Lewisia cotyledon、和名は岩花火(いわはなび))は北アメリカの西部、カナダのブリティッシュコロンビア州からカリフォルニア州にかけて分布しています。自生地のロッキー山脈付近の平均最低気温は約-10℃ですから…

ビオラの花

ビオラ(Viola)はスミレのラテン語名で、パンジーとの区別は曖昧で、花径5cm以上をパンジー、4cm以下をビオラとすることが多いようです。パンジーはヨーロッパの野生の「スミレ」から改良されたものです。花期は秋から春にかけてで、今頃は湾岸地域でもパン…

湯島天神の梅

上野に用があり、ついでに近くの湯島天神の梅を暫し楽しんだ。約300本の8割が白梅で、3割ほどの開花だった。湯島の梅の7、8割を占めるのが白加賀。画像は順に藤牡丹枝垂れ、月影(萼(がく)は緑)、十郎(白の一重)、白難波。 湯島天神、亀戸天神、谷保天…

春の先駆け:沈丁花と葉牡丹の花

春に他の花に先んじて咲くだけでなく、同じ花の中で先んじて咲いたのが画像の花です。「他の者に先んじて敵中に攻め入る」ことが「先駆け」ですが、沈丁花や葉牡丹の株の中で最初に咲いた花が「一番花」です。 従って、沈丁花や葉牡丹の株の中で他に先駆けて…

キュウリグサの小さな花

2月も中旬を過ぎると、野原に春の花が咲き始めます。そんな野草の一つがキュウリグサ(胡瓜草)。キュウリグサの花はとても小さく、よくよく見ないと見過ごしてしまうのですが、目を近づけてみると、ワスレナグサによく似た花をつけています。 キュウリグサ…

ストックの花

冬の定番のストック(stock)のほとんどはアブラナ科のアラセイトウ属です。南ヨーロッパ原産で、日本では秋蒔き一年草として扱い、開花期は早春~春。今あちこちで咲いています。花には芳香があり、切り花としても広く栽培されています。 「ストック」は英…

「雪の雫」の花

スノードロップ(snowdrop)の別名はガランサス、待雪草(まつゆきそう)、雪の花、雪の雫。スノードロップは白い下向きの花を1輪咲かせる春を告げる花である。スノードロップの原産地はヨーロッパ。花は3枚の白い花弁と真ん中に緑色の芯をもつ。「スノード…

神仏習合の具体例

仏教と神道の折衷が神仏習合で、日本固有の神信仰と大陸伝来の仏教とが密接に結びついた状況を「習合」と呼んでいます。神社に仏像を祀る、寺院の境内に神社を構えるのがその例です。「神仏混淆」という用語もありましたが、日本以外の地域の土着信仰と世界…

2月のクリスマスローズ

クリスマスローズはキンポウゲ科ヘレボルス属の宿根草で、ヘレボルスとも呼ばれています。原種系のヘレボルス・ニゲルは12月半ばから2月くらいまで花が咲きます。「クリスマスローズ」はそのニゲルを指した名前で、ちょうどクリスマスの頃に咲くバラのような…

「自然に従う」、「自然に逆らう」の意義

「ある男が村の娘と結婚し、子供に恵まれ、その後さらに孫に囲まれ、平和な一生を過ごす」という凡庸この上ない物語のどこにも謎などない。人の平凡な一生は「生きること」と「生むこと」に尽きる。子供は両親と結ばれ、その関係が子孫につながっていく。家…

梅が咲き、桜が咲く

寒空に河津桜が咲き出したと記したが、1月下旬の白梅に続き、紅梅も2月の初旬には咲いていた。河津桜と紅梅を比べてみると、似ている点が目立つ。それでも梅と桜は日本人に好まれる花として、それぞれの特徴を持って詠われてきた。 (桜) 願はくば 花の下…

私にとっての冬の黄色の花

植物の花は私を楽しませてくれる。特に、冬の花は嬉しい。だが、花は私を楽しませるために咲くのではない。人を楽しませるためにではなく、自らの子孫を残すために咲く。多くの植物は花をつけ、種をつくり、次の世代を増やす。そのために受粉が必要で、花粉…