2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧
糸魚川歴史民俗資料館(相馬御風記念館)傍に御風の文学碑があり、そこには『還元録』(1916)の一節が刻まれています。 「私は今その心の故郷へと帰って行くのである そして全く従順なる心を以て そこの生活の味はひを味はひ それによって失われつつあった…
ハナシノブ科のクサキョウチクトウ(草夾竹桃)の学名はPhlox panicurata。画像のように、花茎が立ち上がり、たくさんの花を咲かせます。秋口までの長い間、愉しむことができます。今は単に「フロックス」と呼ばれています。北アメリカ原産で、英名はSummer …
コブシの樹も花も申し分ない風情なのだが、その実は何とも形容しがたく、不規則なアモルファスのような姿をしている。それがとても対照的で、コブシに独特の存在感を与えている。すると、その仲間であるモクレンも似たような実をつけるのではないかと推量さ…
フジバカマ(藤袴)はキク科ヒヨドリバナ属の多年生植物。近くの公園の花壇にオミナエシと共に暫く前から咲いている(画像)。共に秋の七草。この暑い中で、フジバカマもオミナエシも元気である。 フジバカマは万葉の時代から人々に親しまれてきた植物。夏の…
蝉時雨の「蝉」は当然夏の季語なのだが、蜩(ひぐらし、かなかな)やつくつくほうし(法師蝉、つくつくし)は秋の季語である。私にはアブラゼミやミンミンゼミが夏休みを代表する蝉なのだが、かつての日本ではアブラゼミやミンミンゼミよりも蜩のほうが馴染…
「ヒルガオ」は夏の季語。私の子供の頃の記憶でも確かに夏の花なのだが、このところ温暖化のためか、4月中旬には花が咲き出している。総じて印象の薄い花であるのは確かなのだが、逆にそれが私の記憶に残っている。周知の如く、ヒルガオは朝開花し、昼に咲き…
エノキは北海道を除く日本各地に自生するアサ科の落葉樹。山地や雑木林の縁、川沿いなどに普通に見られ、ケヤキなどと共に昔から各地の一里塚や神社仏閣に植えられてきました。その巨木が今でも見られます。江戸時代の一里塚には木陰を提供するエノキがよく…
ギョリュウ(御柳)はギョリュウ属の落葉樹で、中国原産のタマリクス・シネンシス(Tamarix chinensis)を指します。でも、木が大きくなるためか、最近は花がピンクのラモシッシマ(T. ramosissima)の「ピンクカスケード」がギョリュウと呼ばれ、その年に伸…
マツバギク(松葉菊、Lampranthus spectabilis)はハマミズナ科(ツルナ科)マツバギク属の多年草で、葉と花の形から「松葉菊」と呼ばれ、キクに似た花を咲かせます。マツバギクの名前で出回っているものはランプランサス属(Lampranthus)のいくつかの種や…
モクゲンジ(木欒子)の英名は「golden rain tree(黄金色の雨の木)」で、夏に多数の黄色の花が咲き、雨のように散ることを表しています。また、「栴檀葉の菩提樹(センダンバノボダイジュ)」とも呼ばれ、種子を数珠にするために寺院に植えられていました。 …
ナツズイセン(夏水仙)はヒガンバナ科の有毒の多年草で、「リコリス」とも呼ばれます。今年もナツズイセンの花が咲き始めました。春にスイセンに似た葉を伸ばしますが、それが夏には枯れ、その後に花茎を伸ばして、ラッパ状の花を数個つけます。花は淡紅紫…
橙色に赤い斑点が入ったヒオウギ(檜扇、桧扇、日扇)の花が暑い中で咲いている。オレンジ色で斑点のある6弁花が見事で、暑さになど負けていない。アヤメ科のヒオウギの別名はカラスオウギ。ヒオウギは主に西日本の山野に自生する多年草で、朝鮮半島や中国…
「手に置けば空蝉風にとびにけり」(高浜虚子)であっても、蝉に変態した成虫は活き活きとして、聞き入れば、クマゼミ、アブラゼミ、そしてミンミンゼミの合唱があちこちの木々からうるさい程に聞こえてくる。でも、激しく鳴くのはオスだけ。 『奥のほそ道』…
柑橘類はミカン科のミカン属、キンカン属、カラタチ属に属する植物の総称。中でもミカン属には重要な果実が多く、日本では多くが栽培されています。柑橘の「柑」はミカン、「橘(たちばな)」は古くから観賞用として栽培されていたミカン科の植物です。柑橘…
『源氏物語』の中で光源氏との逢瀬を初めて拒んだのが空蝉(うつせみ)。空蝉は蝉の抜け殻のことですが、光源氏が口説こうと部屋に忍び込んだとき、上着のみを残して逃げてしまったことからそう呼ばれます。空蝉が光源氏を拒んだのは夫への誠意による行動で…
アサガオガラクサ(朝顔柄草、Evolvulus alsinoides)は北アメリカからアルゼンチンに100種ほどが分布するヒルガオ科アサガオガラクサ属(エボルブルス属)の匍匐性の多年草、もしくは低木です。寒さに弱いことから庭植えでは冬を越すのは困難で、通常は一年…
トネリコは落葉高木だが、シマトネリコは熱帯や亜熱帯に自生するモクセイ科の常緑樹で、タイワンシオジが別名。明るい緑色の葉が落葉樹のように見え、「庭で育てる観葉植物」とも呼ばれ、近年人気の高い庭木。そのためか、湾岸地域の公園や歩道でもよく見か…
イギリスでは「蔓(つる)植物の女王」として親しまれているのがクレマチス。クレマチスとテッセンは同じキンポウゲ科の蔓性の植物で、テッセンはクレマチスの原種の一つです。クレマチスはセンニンソウ属に属している花の総称。「テッセン(鉄線)」という…
既にセロシアの花としてケイトウを紹介したのですが、今回は子供の頃から見慣れたケイトウの花です。ケイトウは8世紀頃に中国や朝鮮を経由して渡来し、鶏頭花(けいとうか)と呼ばれました。伊藤若冲の「鶏頭蟷螂(けいとうかまきり)図」(1789)は鶏頭花の…
ケイトウ(鶏頭、鶏冠、セロシア)はヒユ科の一年生植物。ケイトウの花に見える部分は花ではなく、花は小さく、隠れてついています。アジサイやカラーなどと並んで、ケイトウの花もその「隠れ花」タイプです。画像は小さなウモウゲイトウですが、昭和世代の…
「時間」は「空間」と並んで昔から多くの人が注目し、絶えず議論されてきたもので、身近にありながら、どこか捉えがたい神秘的な匂いが漂っている。時間は見えないし、触ることもできない。そのため、時間を直接言葉で表現しにくいし、時間を測るには工夫が…
春のボケの花は多くの人が好きなのですが、ボケの実に関心を持つ人は少ない筈です。でも、瓜の形に似ていることから「木になる瓜」で「木瓜」と書き、今は「ボケ」と呼ばれています。昔から乾燥させた実を漢方薬として使っていたようで、現在も薬用にされ、…
日本に野生するブドウの代表がヤマブドウで、巻きひげを伸ばして、他の樹木に絡みつく。秋に熟す酸っぱい実は生食できるほか、ジャム、ワインの醸造にも使われる。ヤマブドウは雌雄異株で、雌株だけが実をつける。ヤマブドウと栽培ブドウの違いは、前者が雌…
セリ科ニンジン属のノラニンジン(野良人参)はヨーロッパ原産の帰化植物。英語ではワイルドキャロット(Wild Carrot)と呼ばれ、文字通り「野生化したニンジン」です。また、実に上品な「アン女王のレース(Queen Anne's lace)」という名前もあります。湾…
動物も植物も家畜や食料として人間に役立ってきましたが、動物のペットに対応するのが植物では園芸植物。園芸植物としてのツバキは人気が高く、多くの愛好家が様々なツバキを倦むことなく作出してきました。日本の野生のツバキはヤブツバキとユキツバキが代…
シオヤアブ(塩屋虻)はハエ目(双翅目)ムシヒキアブ(虫引虻)科の昆虫。「塩屋虻」という名前は、成虫のオスの腹の端に白い毛が密生し、塩を吹いているように見えることに由来する(二番目の画像がオス)。この白い毛はメスにはなく、オスとメスの見分け…
肝心のコブシの集合果に話を戻しましょう。コブシの集合果が動物たちを集めるための適応かどうかはよくわかっていません。果実が動物を使った繁殖方法の一つであることはよく知られていますが、コブシについての実証研究は意外に少なく、大抵は推測の域を出…
モクレン科のコブシは落葉広葉樹で、北海道から九州まで広く自生しています。早春にレモンのような香りのある白い花を咲かせ、春の訪れを告げる里山の花木で、団塊世代の私には「北国の春」と結びついています。近年は街路樹や公園樹として利用されることも…
カノコユリ(鹿の子百合、Lilium speciosum)の別名はドヨウユリ(土用百合)、タナバタユリ(七夕百合)。日本では、九州や四国に分布し、花弁がそりかえるような花姿と、花弁に鹿の子模様の斑点があり、下向きに咲くユリ(画像)。ユリのなかではやや遅咲…
クサギ(臭木)はシソ科の落葉小高木。私はこれまでその実の瑠璃色に魅了されてきました。クサギは新しく開けた土地に、初めに芽吹いて大きくなる先駆種、つまり、パイオニア植物です。そのため、埋め立てられた湾岸地域にも以前はクサギをたくさん見ること…