2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧
湾岸地域ではほぼ1年中見ることができるのがタンポポで、蒲公英(ほこうえい)と書く。これは中国語表記を和名に当てたもので、「紫陽花(アジサイ)」、「向日葵(ヒマワリ)」などと同じ。その語源には諸説あり、例えば「たな」は「田菜」で、田んぼの草…
「ホトトギス」と聞いて、鳥と植物のいずれを思い浮かべるだろうか。大抵の人は鳥の方で、信長、秀吉、家康の歌を思い出す歴史好きも相当いる筈である。植物のホトトギスは知らない人が多い野草の一つで、名前は花びらにある紫色の斑紋がホトトギス(小鳥)…
アロニア(Aronia)は北米東部原産のバラ科の落葉低木、果樹や観賞用樹木として使われる。本州などに自生するカマツカに似ていて、西洋カマツカという和名もある。実が赤く熟すアロニア・アルブティフォリア(Aronia arbutiforia、画像)と、黒く熟すアロニ…
ヒイラギモクセイは柊(ひいらぎ)と銀木犀(ぎんもくせい)の交雑種。銀木犀に似ているが、ヒイラギモクセイの方が公園木や庭木として良く植栽されていて、湾岸地域でもよく見かける。雄株だけが知られ、花は雄花だけで、繁殖は取り木である。少し前までキ…
言い古された表現とはいえ、地球は本当に青い。空は青く、heavenly blue。海は青く、marine blue。北アメリカ原産のネモフィラは4月頃に青い色の花で大地を覆い、私たちを魅了する。その別名は「瑠璃唐草(るりからくさ)」。そして、ソライロアサガオの別名…
トキワヤマボウシはヤマボウシと同じようにミズキ科ミズキ属の果樹。ヤマボウシは落葉樹ですが、「常緑山法師」は常緑樹。トキワヤマボウシは中国原産ですが、普通のヤマボウシは日本。トキワヤマボウシの葉は常緑で濃い緑色をし光沢があり、冬期には赤褐色…
ナンテンはメギ科ナンテン属の常緑低木。和名は漢名の「南天燭」の略。幹の先端にだけ葉が集まってつく。初夏に白い花が咲き、晩秋から初冬に赤色の実をつける。今年は既に実が赤くなり始めている。ナンテンは「難を転ずる」ことにも通じるため、縁起木、厄…
ソライロアサガオが夏の空色とすれば、秋の空色はサルビア・アズレアだろう。サルビア・アズレアの方が紫に近い青。伝統色の名称だと、み空色、薄花色がソライロアサガオなら、サルビア・アズレアは青藤色といったところか。 サルビア・アズレア(Salvia azu…
ハナセンナはブラジル、アルゼンチンが原産で、マメ科センナ属の常緑低木。寒冷地では冬に落葉するか、枯れる。画像の花を見るとマメ科であることがわかるだろう。葉は互生する長さ3~5.5cmの偶数羽状複葉(画像)。奇数羽状複葉のものは多いが、偶数羽状複…
植物の受粉や昆虫の交尾は哺乳動物の交尾に比べると卑猥な感じがもたれないのが普通である。とはいえ、受粉や交尾は両性生物によって種の保存に不可欠の装置であり、それはどんな両性生物も変わらない。それに対する倫理的な配慮や感情は人間だけに特有なも…
白い花を咲かせるタマスダレ(玉簾、Zephyranthes candida)とピンク色の花のサフランモドキ(Z. grandiflora)はゼフィランサスと呼ばれ、人気が高い。南米が原産で、日本には明治初期に入った。特に、タマスダレは耐寒性もあり丈夫で、日本の風土に適応し…
久し振りに有明西埠頭を歩くと、大きな海鳥が見える。警戒心が薄いのか、近づいても逃げる気配がなく、ゆっくり動くだけ。素人の私に咄嗟に思い浮んだのが「ユリカモメ」。なにしろ、すぐ近くに「ゆりかもめ」の車両基地があり、その上、ユリカモメは東京都…
近くの公園のシシユズの実が色づき始めた。今年は10個近くの実がなり、眼に入ってくるようなシシユズの瘤だらけの塊は秋を感じさせてくれる。 シシユズ(獅子柚子、別名はオニユズ)はユズの仲間ではなく、ブンタンの仲間。そのため、ユズのような強い香りは…
コトネアスターはベニシタン(Cotoneaster horizontalis)の別名として使われるが、今ではシャリントウ属の総称として使われる場合が多い。例えば、盆栽界ではベニシタン(紅紫檀)やシロシタン(白紫檀)が定番だったが、新たな品種が増え、まとめてコトネ…
「匂い」ではなく、「臭い」と書かれるのがカメムシやクサギの臭い。カメムシの種類によっても異なるが、 悪臭の本体は不飽和のアルデヒド類で、最も臭気の強い種の一つがクサギカメムシ(臭木椿象)。カメムシ科クサギカメムシ属の昆虫で、日本中にいる在来…
秋に実をつける植物が多い中で、画像はツワブキの実ではなく、ツワブキのつぼみ。関東では12月から1月頃に開花するが、10月頃にはつぼみをつける。ツワブキ(石蕗、艶蕗)はキク科ツワブキ属の常緑の多年草で、初冬に黄色い花を咲かせる。子供の頃はフキがあ…
3日前にキバラヘリカメムシについて述べました。昆虫には、チョウのように卵、幼虫、サナギ、成虫というように、幼虫時代と成虫時代では形態も行動もまるで変わる完全変態するものがあります。例えば、イモムシとチョウはまったく形態が違い、完全変態ですが…
湾岸地域には運河が多い。東雲運河もその一つで、豊洲市場やオリンピック施設がつくられ、遊歩道が整備されて、格好の散歩コースになっている。秋の散歩を楽しんでいると大きな水鳥が水面を見ながら、魚を探し、時々クチバシを入れて獲っている。それが思っ…
ソヨゴ(戦、冬青)はモチノキ科モチノキ属の常緑樹。モチノキ科の常緑樹で、山の尾根など乾燥地した場所に多い。波状の葉が風に揺れ、「そよぐ(音を立てる)」ことから命名された。別名はフクラシバ。常緑樹の中では公園や庭の植栽に利用されることが多い…
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)はキク科アキノキリンソウ属の多年草。一時ほどの隆盛はなくてもあちこちで黄色の花が目立つようになってきた。北米原産で、外来生物としてススキなどの在来種と競合。11月頃まで開花し、河原や空き地などに群生する。濃…
ニシキギはニシキギ科ニシキギ属の落葉低木。花期は5月~6月で、庭園樹、公園樹、盆栽としてあちこちでよく見かける。名前の由来となった錦色の紅葉が既に始まっているが、枝にコルク質の翼があるのが特徴で、蒴果は熟して裂けると、真っ赤な仮種皮に包まれ…
トウガラシにも観賞用があり、その一つがブラックパール。その葉色は若葉のときはグリーンで、成長とともに、また温度が上がって陽にあたると、光沢のある黒色に変わります。黒色の実は辛く、成熟するとダークレッドへ色を変えます。赤から黒に変わるのではなく…
モナルダは、北アメリカに20種ほどが分布するシソ科ヤグルマハッカ属の一年草、または多年草で、夏の開花期間の長い宿根草のハーブとしても有名です。秋になっても夏を惜しむかのように咲いているのを見つけました。秋の中の夏の残り香のようで、暫し惹きつ…
アオツヅラフジの実 コブシの実 ナンキンハゼの実と紅葉 ヒイラギの実 コルヌス・オーロラの紅葉 このところすっかり秋になったようで、半そでの人がめっきり減った。人だけでなく、ここに登場する植物も秋の装いで、秋色が主役になってきた。秋に寒色は似合…
コスモスの原産地はメキシコ。アメリカ大陸発見後、スペインに種子が持ち込まれ、栽培が始まったようです。「Cosmos」は、ギリシャ語で秩序、調和、世界、宇宙などを意味しますが、ピタゴラスがはじめて宇宙をそう呼びました。彼は「世界のすべては数的で美…
ザクロはミソハギ科ザクロ属の落葉木で、その果実もザクロ。ザクロは中東から中国を経て日本に渡ってきた。ザクロの幹は細く灰褐色で、光沢のある明るいグリーンの葉をつける。枝に小さなトゲがある。湾岸地域の公園などにも植えられていて、今実をつけてい…
「何事も神の御心のままに」と言われても、キリスト者であれば、不平・不満をもつことはありません。門徒も親鸞の教えを盲目的に受け入れます。信仰とはそのようなものだというのが常識です。でも、宗教を離れ、人の好き嫌いとなると事情は変わります。越後…
キンモクセイ(金木犀、巌桂)は、ラベンダーやカモミールなどと同じく「アロマテラピー」に用いられます。その甘い香りの成分は、心をリラックスさせる効果があります。そのキンモクセイはモクセイ科モクセイ属の常緑樹。花期は秋(9 - 10月)で、湾岸地域…
昨日アレチウリについて書きました。アレチウリの雄花と雌花には同じように多数のスズメバチやミツバチが吸蜜のため飛来します。正に典型的な共生の例です。アレチウリの花期は8~10月。繁殖力が旺盛で、特定外来生物に指定されています。果実は長卵形~楕円…
湾岸地域には当然ながら海や川の水辺があり、護岸だらけでも空地や荒地はそれなりにある。そこにはマメ科のクズやウリ科のアレチウリが目立つ。だから、クズとアレチウリが仲良く絡み合っているのを見つけ、両方を見比べることができる。既にクズやその花を…