ナンテンの赤い実

 ナンテンはメギ科ナンテン属の常緑低木。和名は漢名の「南天燭」の略。幹の先端にだけ葉が集まってつく。初夏に白い花が咲き、晩秋から初冬に赤色の実をつける。今年は既に実が赤くなり始めている。ナンテンは「難を転ずる」ことにも通じるため、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから庭に植えられてきた。漢方では、乾燥させた果実を南天実といい、咳止め剤として利用されてきた。例えば、喉飴がある。

 ナンテンは栽培の歴史の古い樹木で、江戸時代から明治にかけて100種以上の園芸品種がつくられた。現在でも40種ほどが栽培されている。白い実を付けるシロミナンテン、葉が糸の様に細くなるキンシナンテンなどがある。

 冬が近づくと、子供の頃に見た裏庭の真っ赤なナンテンの実が思い出される。今の湾岸地域でよく見るのはオタフクナンテン。こちらは実ではなく、紅葉が美しく、そのため植え込みや庭木として広く植えられている。

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