ナンテンの赤い実

 ナンテン属の木は他になく、一属一種の木とされ、秋の紅葉や晩秋にできる赤い実を愛でる和風庭園の定番であり、中国やインドにも自生が見られます。ナンテンの和名は漢名の「南天燭」の略で、高さは2mから4〜5mほど。幹の先端にだけ葉が集まってつきます。初夏に白い花が咲き、晩秋から初冬に赤色の実をつけます。ナンテンは「難を転ずる」ことにも通じるため、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから庭に植えられてきました。漢方では、乾燥させた果実を南天実といい、咳止め剤として利用されます。

 ナンテンは栽培の歴史の古い樹木で、江戸時代から明治にかけて100種以上の園芸品種がつくられました。現在でも40種ほどが栽培されています。白い実を付けるシロミナンテン、葉が糸の様に細くなるキンシナンテンなどがあります。湾岸地域でよく見るオタフクナンテンは紅葉が美しく、植え込みや庭木として広く植えられています。

 田舎の家で子供の頃に白い雪の庭で見たナンテンの赤い実は今でも思い出されます。

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