2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

カンナの花

女の子の名前として人気が高いのが「かんな、環奈、カンナ」だが、植物のカンナはカンナ科カンナ属の総称。カンナには多様な園芸品種があり、学名はCanna generalis。 カンナの開花時期は夏から10月中旬。カンナは真夏の炎天下、大きな葉の間から鮮やかな花…

シコンノボタンの花

「シコンノボタン」と聞くと、「紫紺の牡丹」なのか「紫紺野牡丹」なのか、誰もが迷ってしまうが、正解は「紫紺野牡丹」。そんな色気のない問いより、正に「紫紺」という色がピッタリのシコンノボタンはとても魅力的な花色で、そのためか公園などでよく見か…

ヒャクニチソウの花

既に何度も記したヒャクニチソウ(百日草)はキク科の一年草で、学名はジニア・エレガンス(Zinnia elegans)。原産地はメキシコで、日本には江戸末期の1862(文久2)年頃に渡来した。それゆえ、ヒャクニチソウは仏花としては新参者。それでも、お盆を彩る新…

ハナスベリヒユの花

小学校の夏の校庭には雑草のスベリヒユが一面に生い茂っていたのを憶えています。そのスベリヒユに似ているのがハナスベリヒユで、スベリヒユ科スベリヒユ属の多年草。園芸ではポーチュラカと呼ばれることもあります。ハナスベリヒユはスベリヒユとマツバボ…

ヒガンバナの花

ヒガンバナ(彼岸花)は全草にアルカロイド系の有毒成分を持つヒガンバナ科の多年草で、別名が曼珠沙華(マンジュシャゲ)、学名から園芸ではリコリスとも呼ばれていて、今年もあちこちで見ることができました。ヒガンバナは中国原産で、秋の彼岸の頃に、花…

オオモクゲンジの実

既に記したモクゲンジ(木欒子)は中国原産で、ムクロジ科モクゲンジ属の落葉高木。日本には古くから渡来していて、「栴檀葉の菩提樹(センダンバノボダイジュ)」とも呼ばれ、種子を数珠にするために寺院に植えられていたようです。「モクゲンジ」という名前…

ハギ属とミソハギ

「ドロップモア・パープル」と呼ばれるミソハギはヨーロッパからアジアに分布しています。夏の終わりから初秋にピンク色の花を咲かせます。その学名がLythrum virgatum、英名がDropmore Purpleです。 でも、日本ではLythrum ancepsをミソハギと呼ぶようです…

シロバナハギの花

どうやら秋が訪れ出したかと思えるのだが、秋の七草となれば、忘れてならないのがハギ(萩)。既にメドハギについて記したが、今度はシロバナハギの花である。ハギは秋の七草の一つだが、草ではなく、落葉低木。 ハギは日当たりの良い山野に生え、密集した枝…

メドハギの花

メドハギ(蓍萩)は日当たりの良い草地によく生えています。「メドハギ」は「めどぎはぎ」が変化したもの(*)。 マメ科ハギ属のメドハギは東アジア原産で、茎は直立してよく枝分かれし、枝に沿って密に葉がつきます。花は葉脇に数個ずつつき、淡黄白色、旗…

スイカズラの実

スイカズラ(忍冬)は日本の山野に自生する、半落葉性のつる植物です。甘く優しい香りの花を咲かせます。スイカズラ(忍冬)の花は咲き始めが白、翌日には黄色に変化することから金銀花という別名もあります。花の形が特徴的で、花びらが上下に大きく2つに分…

ケイトウの花

既にセロシアの花としてケイトウの花を紹介したのですが、今回は子供の頃から見慣れたケイトウの花です。ケイトウは8世紀頃に中国や朝鮮を経由して渡来し、鶏頭花(けいとうか)と呼ばれました。伊藤若冲の「鶏頭蟷螂(けいとうかまきり)図」(1789)は鶏頭…

マルバルコウソウとマメアサガオの花

昨年マルバルコウとして紹介したのがマルバルコウソウ(丸葉縷紅草)。マルバルコウ、ルコウアサガオ、ツタノハルコウなどが別名。野の花にはなかなか見られない朱赤色の花で、同じ北米原産のヒルガオ科ルコウソウによく似ていて、葉が丸いところから「マルバ…

A君の屁理屈

安土桃山時代に大泥棒として活躍し、京都三条河原で釜茹での刑に処せられたのが石川五右衛門。A君が興味を持ったのはその五右衛門の辞世の句です。 石川や 浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ この歌は戯作者にはもってこいの材料です。「浜の真…

コムラサキとシロミノコムラサキの実

蝶ではなく、植物のコムラサキはシソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。北海道と青森を除く日本各地の山野に分布する。同属のムラサキシキブとともに紫式部に因んで名付けられた。ムラサキシキブは樹高が3mにもなる「木」という印象だが、コムラサキは樹高が1.…

ハマユウの花

ハマユウ(浜木綿)はヒガンバナ科の多年草。名前は花がコウゾなどの樹皮を細く裂いて作った繊維から作った布と似ていて、神事でその白い布をゆう(ゆふ)と呼ぶことに由来する。ハマユウは海浜で見られ、開花時期は7月~9月。 ハマユウはインドネシアとスマ…

A君の学習結果:A君がまとめた神々についての常識

私たちの世界には色々な神々が存在しますが、A君は(1)日本の神、(2)キリスト教の神、(3)仏教の神に分けてまとめてみました。 (1)日本の神 「山や河、石や木などの物や、死んだ人間や動物」など、森羅万象のほとんど何でも神になり、そのため、「…

モミジアオイの花

今年まだ見ていなかったモミジアオイ(紅葉葵、Hibiscus coccineus)の花を見ることができ、安堵している。アオイ科のモミジアオイは北米原産で、明治初期に渡来し、別名は紅蜀葵(こうしょっき)。ムクゲ、フヨウ、ハイビスカスに似た花を咲かせ、茎はほぼ…

ニホンカナヘビ

最近よく見るのがカナヘビ。歩いていると、生垣や植え込みの周りでよく遭遇する。その度に子供の頃にヘビやトカゲと出会ったときの気持ちが蘇ってくる。子供の頃はトカゲやカナヘビよりヘビの方がずっと出会う機会が多かったのだが、流石に湾岸地域でヘビは…

ハッサクとポンカンの青い実

昨日シシユズについて記したが、近くにあるハッサクとポンカンのまだ青い実についても記しておきたい。 1日を朔日(さくじつ)と呼んだことから、旧暦の8月1日(新暦の8月27日)は「八月朔日」、略して「八朔(ハッサク)」。「八朔」の頃には食べることがで…

シシユズの実

私がまだ子供の頃、親戚の家が西条にあり、西条は柳田などと並んで、「新井の在」だという言い回しが妙に子供の私の耳に残っています。在の西条の親戚の家に大きな柚子の木があり、沢山の柚子がなっていました。それは私には印象的な光景で、そのためか、今…

オオスカシバ(大透翅)

スズメガ科のオオスカシバは蛾の仲間です。夏から秋に、うぐいす色の太い胴体を持ち、透明の翅を素早くはばたかせて直線的に飛びます。腹部に赤褐色の帯があり、腹端には黒色の毛束をもち、腹面は白です。日中に活発に活動し、ホバリングしながら、色々な花…

ナミアゲハの幼虫

3日前に「ナミアゲハの自由意志の確率(?)」と題して、花粉を運ぶナミアゲハの行動について私見を述べました。その結論は「心や意識をもつ個体の割合は、哺乳類だけでなく、生物全般に広げてみると、その確率は低くなっていきます。それに応じて、行動にお…

ネムノキの9月の花

ネムノキ(合歓木)はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木。子供の頃、触ると葉が閉じると思い込んでいて、何度触っても、まるで効果がなく、がっかりし続けたのを今でもよく憶えています。触るとすぐに閉じるのは同じマメ科ネムノキ亜科のオジギソウ(お辞儀草、…

A君の独断的で、断片的な見解(2)

浄土真宗の教義を少しでも理解したいA君は日本の仏教の歴史を次のようにまとめました。(1)日本仏教は大乗仏教で、信者数や規模は鎌倉仏教(浄土宗・浄土真宗、日蓮宗、禅宗)が大勢を占める。(2)鎌倉仏教は『法華経』を根本経典とし、天台宗を母体として…

キンギョソウの9月の白い花

オオバコ科のキンギョソウはヨーロッパ南部の地中海沿岸が原産の一年草植物です。花弁が金魚のしっぽのように見えるのでそう呼ばれるようになりました。草丈の高いタイプは切り花に、低い矮性種は鉢植えや花壇に向いています(画像は矮性種)。本来は長日植…

A君の独断的で、断片的な見解

A君が知る仏教は門徒だった祖父母を通じてのもの。仏教はインドから中国に入り、その際に経典が漢訳され、それがさらに日本に入る外来の宗教でした。ですから、仏教の用語や概念は外来のもので、英訳しても通じそうに思えるのですが、そのようには決して考え…

ペチュニアの花

ペチュニア(Petunia)は南米原産のナス科ペチュニア属に属する草本の総称です。和名はツクバネアサガオ(衝羽根朝顔)で、確かにアサガオに似ています。でも、アサガオはヒルガオ科サツマイモ属です(画像はソライロアサガオ)。 属名のPetuniaはブラジル先…

バーベナの花

バーベナ(美女桜、Verbena)はクマツヅラ科クマツヅラ属の総称で、250種程の一年草および多年草を含みます。ビジョザクラとも呼ばれ、園芸品種として、多くの種を含むハイブリッドです。 1年草として栽培され、サイズや色は多く、直立するものや這ってマッ…

自力と他力、そして自由意志(4):A君のとりあえずの理解

これまでの自力、他力、自由意志の話を聞きながら、A君は自分なりに単純化して、まとめてみました。 私たちは世界の中で行動しています。その世界は因果的な連関をもつ出来事や状態の集まりで、因果応報のこの世は「環境」と呼ぶことができます。行動もまた…

二つのコスモスについての知ったかぶり

キク科コスモス属のコスモスの和名は「アキザクラ」、「オオハルシャギク」です。一方、キバナコスモスはやはりキク科コスモス属ですが、種が異なります。原産地は共にメキシコです。 コスモスの日本への渡来は1896(明治29)年で、草丈が2〜3mになって分…