ナミアゲハの幼虫

 3日前に「ナミアゲハの自由意志の確率(?)」と題して、花粉を運ぶナミアゲハの行動について私見を述べました。その結論は「心や意識をもつ個体の割合は、哺乳類だけでなく、生物全般に広げてみると、その確率は低くなっていきます。それに応じて、行動における他力や自力、自由意志の存在の確率も当然ながら低くなっていきます。そのためか、私たちはナミアゲハの自由意志など認めず、暗黙の裡にナミアゲハは他力の行動しかとらないと想定し、ナミアゲハの行動を本能的なものとして理解するのです。」というものでした。

 ナミアゲハは行動だけでなく、その成長も哺乳類とは随分違っています。何度も脱皮を繰り返しながら成長するのですが、5回の脱皮を経て、蛹になります。蛹になる前段階である5齢幼虫(場合によっては6齢幼虫)が「終齢幼虫」と呼ばれますが、昨日偶然にその幼虫に出遭うことができました。4齢幼虫までは白と黒の地味な模様なのですが、終齢幼虫になると頭に目玉模様のついた緑色の姿へと変わります(画像)。幼虫からナミアゲハへの変化については、誰も自由意志の介在の有無など議論せず、もっぱら進化の神秘を知ることに関心を寄せるようです。