2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧
人が世界を分別をもって知るようになる第一歩は、生き物を動物と植物に分けることではないのか。「動き回り、食べる」動物と「動かず、光合成を行い、食べない」植物という区別が、分別知の契機となっている気がしてならない。では、最近よく登場するミドリ…
果穂は、種子を抱いた果苞(葉の変形)が房状になったもので、夏まで緑色をしていて、秋に熟すと茶色になる。小苞(しょうほう)が重なり合った果穂の形が独特で、つい見惚れてしまう。シデの名は、この実を四手(しめ縄や玉串に下げる、紙を折ったもの)に…
[仮説演繹法(hypothetico-deductive method)] ギリシャ哲学についてこれまで述べられたことを思い出してみよう。そこで使われていたのはもっぱら演繹的な推論であり、その特徴は前提から真理を保存する仕方で結論を導出することにあった。だが、この特徴…
ヤマハギはマメ科の顕花植物。アジア原産で、どこでもよく見かける。様々に品種改良されてきたが、高さと幅が3メートルまで育つ直生の低木。葉は楕円形で長さ5センチメートル程の3枚の葉からなる。花はピンクや紫の色で、7月から10月にかけて咲き、花序の柄…
2科学と演繹的推論[推論とその表現] 推論には演繹的推論(deduction)、帰納的推論(induction)、そしてアブダクション (abduction) がある。「カラスはみな黒い」からあるカラスが黒いことを導き出す演繹的推論に対し、多くのカラスが黒いことから,「カ…
動物の姿は何ともつまらない。動物の代表となれば、言わずと知れた人間様だが、これがまた何とも退屈この上ない。身体は左右対称で、二本の手足、二つの眼と耳と、ほぼ全員が同じ数の器官をもっている。他の動物も似たり寄ったりで、器官や組織の数も形も、…
デュランタは藤色や白の小花が集まって房状に垂れ下がって咲く熱帯花木。また、観葉植物としても一般に出回っていて、沖縄などでは生け垣としてよく植えられています。丈夫で開花期間が長く、暖地では庭木として植えることができます。樹高30~600cmに生長し…
[仮説とは何か] 仮説は自然に関する「知識に基づいた推測」である。では、ある言明を単なる推測ではなく、科学的な推測と判定するのは何によってなのか。科学的仮説は次の二つの条件を満たさなければならないと言われている。 (1)科学的仮説はテスト可能…
ギリシャの哲学は総じて演繹的推論を中心にした形而上学的な理論から成立している。また、ガリレオ、ニュートン、そしてダーウィンによる新しい経験科学が実験や観察を重視し、数学的な表現を積極的に取り入れた点も良く指摘される。そして、推論、実験・観…
ペイリーの『自然神学』(1802)、ライエルの『地質学原理』(1830)、ダーウィンの『種の起源』(1859)は、私にはどれも印象深い書物で、旧図書館の書庫で遭遇したことが思い出される。これら3冊はほぼ等間隔で出版されているが、それだけでも19世紀の前半…
[ラマルクの進化論] 1801年からラマルク(Jean Baptiste Pierre Antoine de Monet, Chevalier de Lamarck, 1744-1829)は進化理論の詳細について発表し始める。ビュフォンが既に生物の進化の可能性を示唆していたが、ラマルクは進化のメカニズムについて正…
セイヨウニンジンボクはシソ科に属し、原産地は南ヨーロッパから中央アジアである。ハーブとして用いられるほか、見た目が似ていることからコショウの代わりとしても使用されていた。唇形をした淡い紫色の小さな花を夏から秋にかけて穂状に咲かせる。日本に…
生命科学:化石と地質学[異なる形態を生み出す進化] ギリシャの哲学者アナクシマンドロスは地球が歴史的に変化してきており、それに応じて地上の生命も多くの異なる形態をとったと主張した。例えば、陸地がない初期の地球では魚しかいなかったが、陸地が現…
ムクゲ、タチアオイ、フヨウがいずれもアオイ科の植物で、花がよく似ていると述べた。ムクゲの花が好きな私には似た花が他にたくさんあるのは嬉しい限りなのだが、さらに人工的につくられたムクゲ擬き(全体の印象からはフヨウ擬き)が見つかった。 その名は…
アリストテレスとガリレオ、そしてニュートン アリストテレスは天体の運動法則と地上の運動法則は異なると考えたが、ガリレオはそんな区別をしなかった。彼の慣性概念はアリストテレスの運動の考えと全く正反対だった。慣性の法則によって、飛ぶ矢は空中を飛…
1か月ほど前にブラックベリーを見た時は花が咲いていたのだが、夏至を過ぎるとその実はすっかり赤くなっていて、それが黒く熟すまではあと少しになっていた。ブラックベリーはキイチゴの一種で、名前が似ているブルーベリーの仲間ではない。ブラックベリーの…
変化の歴史(6)[アリストテレスの科学とその方法] アリストテレスの経験科学への態度はプラトンと違っていた。人間がもつ最高能力は理性であり、その活動は観想という点では二人は同じだが、アリストテレスは「第一哲学」と並んで、「第二哲学」、つまり…
昨日ムクゲについて述べました。最近は庭木や公園木だけでなく、歩道の並木にもされ、よく見かけます。今年も花が咲き出していますが、「ムクゲ」の花と、「タチアオイ」、「フヨウ」の花との区別がなかなかつかず、不思議な気持ちになります。ムクゲの花が…
変化の歴史(5)自然主義的な研究の次のギリシャ 自然主義的な研究の次に登場するのはそのような研究の結果である知識や、それを表現する方法や言語に関する好奇心である。そして、実在、信念、方法等が自然主義的だけでない仕方で考察されることになる。[…
昨日は夏至。午後7時頃には夕焼けが見えた。私にとって夏至の花はヒマワリなどではなく、ムクゲ(木槿)。ムクゲをいつどこで知ったかはっきり憶えていないのだが、ムクゲが私を惹きつけた記憶が刻まれている。普通なら私が勝手に花に惹きつけられるのだが、…
変化の歴史(4)[原子論] 原子論はレウキッポスとその弟子デモクリトスによって唱えられた。デモクリトスは紀元前460年生まれなので、ソクラテスより10歳若い。彼の主張によれば、原子は不可分で、その部分の間に差はなく、原子の中は充満している。実在す…
花壇でお馴染みのペチュニアは、色々な園芸品種があり、成長が早くて丈夫。南アメリカに自生するペチュニア・アキシラリス、ペチュニア・インテグリフォリアをもとに、西欧で品種改良が進み、多様な品種がある。また、今よく見るのがアガパンサス(紫君子蘭…
変化の歴史(3)[ゼノンのパラドクス] ゼノンはパルメニデスの不変の哲学を擁護するために変化に関わる様々なパラドクスを考えている。彼が考案したのは、運動変化が存在するとすれば、矛盾が生まれる、それゆえ、運動は存在しないという推論である。まず…
6月から7月にかけて開花し、白、青、紫または赤の大きく発達した装飾花が咲き誇る。これが花序の周辺部を縁取るように並ぶのがガクアジサイ、園芸では「額咲き」。ガクアジサイから変化し、花序が球形ですべて装飾花となったアジサイは、「手まり咲き」。日…
久し振りによく晴れ、青い空が広がる。そのせいか隅田川界隈の風景を見たくなる。永代橋とスカイツリー、相生橋と明治丸等々、川辺の景色を眺めれば、梅雨の合間の緑と青が眼に溢れ、それが脳に充満し、躍動する生き生きした風景を満喫できる。少し足を延ば…
変化の歴史(1)ギリシャ哲学から経験科学へギリシャ哲学は一見すると科学哲学とは何の関係もないどころか、それが思弁だけからなるゆえに科学哲学の研究には何の貢献もしないとさえ考えられてきた。というのも、経験を重視する科学に対し、ギリシャ哲学は経…
コスモスは「秋桜」と書くから夏から秋に咲く花かと思いきや、別名がオオハルシャギク(大春車菊、大波斯菊)で最近は既に今頃から咲いている。コスモスに似た「ハルシャギク」の由来は波斯(ペルシャ)の菊。ペルシャとは全く関係ない謎のネーミングなのだ…
事始め 私たちが世界を知るということは何であり、どのような意味をもつのかを考えようというのがこれからのシリーズの意図である。余計なことを言わずに世界について何が正しいのかを端的に述べてみたい。神話は幻想や奇想が溢れ、想像力によって世界を説明…
「ハルジオン」なのか「ハルジョオン」なのか、「ヒメジョオン」なのか「ヒメジオン」なのか。なんだかとてもややこしい。漢字表記だと、「姫女苑」と「春紫苑」である。「紫苑(シオン)」はキク科の花で、秋に咲く。そのシオンが春に咲くので、ハルジオン…
江東区の湾岸部には「緑道」公園が多い。海と陸の間を緑道化し、公園にしたからである。新木場緑道公園も夢の島緑道公園と若洲海浜公園を結ぶ、荒川下流沿いの水辺の緑道公園である。園内は普通の歩道と自転車道が並列されていて、ランニングとサイクリング…