2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

シマサルスベリの実

シマサルスベリは、ミソハギ科サルスベリ属の植物。沖縄では「島百日紅」(しまひゃくじつこう)とも呼ばれる。沖縄、中国、台湾に分布する落葉高木で、最大20メートルくらいになる。花期は6 - 8月頃で、白い花を咲かせる。樹皮は同属のサルスベリほどではな…

固有種、外来種から移民、難民へとつなげると…

妙高山麓は山菜の宝庫。山菜の時期が到来すれば、facebookも山菜の記事が増え出し、山里の恵みが次々と届き始める。最近は外国産の野菜や果物が珍しくないが、流石に山菜は日本在来の植物だと信じられているようだ。今やすっかりブームとなった山菜は自ら山…

解脱と涅槃の反人道主義

人は日々の暮らしの中でそれぞれ欲求、煩悩をもち、それを実現することを目指して生きています。欲求こそ生きることのエネルギーであり、欲求が目標を定めるのであれば、無欲は時に生きることの放棄にさえなってしまいます。個々の欲求の実現が生活の目標と…

ナリヒラヒイラギナンテン

中国が原産の常緑の低木。今はメギ科メギ属だが、旧ヒイラギナンテン属(マホニア)に分類されていたコンフューサ(コンフーサ)という種の植物で、それが品種改良され、「ナリヒラ」と名づけられた。ナリヒラという名前は、葉が細くてすらっと見栄えが良い…

「空」論を机上の空論にしないために…

「空」論は空理空論、絵空事かも知れない。だが、それに決着をつける前に、零の発見がインド数学の優れた功績であることを想い出しておこう。それは、次のように表現されている。 「かくして零の発見、単なる記号としてばかりでなく、数としての零の認識、つ…

寒木瓜

ボケ(木瓜)の花が咲いている。確か春先に咲く筈で、これは狂い咲きかと思ってしまう。だが、これが大間違いで、晩秋から咲くボケがあり、それが寒木瓜。名前に『寒』のつく植物には「品種名として『寒』がつく植物」、「本来の開花時期でない寒い季節に花…

ローカルな進化物語からスタートすると…最後のゴールとなる進化物語は何なのか

<手と足がなくなった理由> トカゲの一部が森の落ち葉の下や、柔らかい砂の下で暮らすようになり、移動しやすいように足がなくなっていきました。足が小さくなり、最後には足そのものがなくなってしまいました。足だけでなく、胴体も移動しやすいようにだん…

イロハモミジの今年の紅葉

台風の襲来のためか、今年の紅葉は冴えず、不満の紅葉風景なのである。子供の頃の田舎の秋はモミジ、その後の東京の秋はイチョウ、それが今でも私の秋の風景の肝心の材料なのだが、例年と比べ、紅葉、黄葉の色が今一つなのである。それでもイチョウと共に、…

晩秋のアキグミ

陽だまりの中に茱萸の実が色づいている。私は子供の頃からこの実が好きで、よく食べた記憶が蘇ってくる。それが陽だまりの中で増幅されて、時間が子供時代に戻ったような感傷に襲われるのである。 ナツグミ、トウグミ、ナワシログミはいずれも6月頃には実が…

セイヨウヒイラギ、ヒイラギ、ヒイラギモチ

セイヨウヒイラギはモチノキ科モチノキ属の常緑高木。真冬に赤い実をつけることから、ヨーロッパではキリスト教が入る以前に聖木となっていた。キリスト教では、キリストの足元から初めて生えた植物とされ、尖った葉や赤い実はキリストの流した血と苦悩を表…

岡倉天心:日本文化紹介を遥かに超えるメッセージ

全国に四つある岡倉天心の顕彰会(それぞれ岡倉天心の両親の出身地である福井県福井市、天心生誕の地である神奈川県横浜市、天心が晩年の活動の拠点とした茨城県北茨城市、そして天心の終焉の地となった妙高市にある)が一堂に会す「第24回天心サミットin妙…

フユザクラの花

本州を原産とするバラ科の落葉高木。一般的にはヤエザクラとマメザクラが自然に交配してできたものとされ、別名はコバザクラ(小葉桜)。開花期は11月から12月と4月の年2回であるが、その間も細々と咲き続ける(画像は11月中旬のもの)。冬に咲く花芽は全体…

謙信の「第一義」(3)

「第一義」で忘れてならないのが夏目漱石の『虞美人草』。そこでは「人生の第一義」は何かという問いのもとに物語が展開される。そして、「人生の第一義は道義である」というのが漱石の答。そして、この答えが「第一義」の近代的な意味である。「第一義」と…

シクラメン

シクラメン(ブタノマンジュウ、カガリビバナ)はサクラソウ科シクラメン属の多年草で、地中海地方が原産。明治末期に渡来。画像のガーデンシクラメンは比較的耐寒性が高く、戸外での栽培が可能なシクラメンの品種。ガーデンシクラメンが初めて世に出たのは1…

ネリネ

足元に咲く花に驚き、彼岸花の狂い咲きかと訝るが、よく見ると彼岸花より小ぶりである。調べてみると、その名は「ネリネ」。ヒガンバナ科ネリネ属(ヒメヒガンバナ属)で、彼岸花の仲間であると判明。 ネリネは南アフリカ原産で、大正時代に渡来。ヒメヒガン…

春日山林泉寺

小学何年生の時か忘れたが、一度遠足で林泉寺を訪れたことがある。それは兎も角、「春日山(かすがさん)」、「林泉寺(りんせんじ)」とはどんな名前なのか。かつて寺は修行の場として山中を選んで建立された。「…山」は「山号」と呼ばれ、中国で寺の所在を…

廓然無聖と即天去私

謙信は熱心な仏教徒で、その彼が山門の扁額に掲げた「第一義」は釈迦が悟った万物の究極の真理を指示する名辞。戦国武将として謙信は禅に傾倒し、その教えを重視した。その禅思想の用語の一つが「第一義」で、達磨大師と梁の武帝の問答の中に出てくる。 5世…

青空に黄色

アカシア、あるいはミモザの正式の学名はAcacia conferta、マメ科アカシア属の常緑低木。オーストラリア東部が原産で、葉は小さく、花は濃黄色で沢山咲かせる。既にその黄色の花を紹介したが、まだ見事に咲き誇っている。 センダンと聞くと、「栴檀は双葉よ…

『歎異抄』と妙高の異安心事件

「異端」となれば多くの人がガリレオの異端審問(1616、1633)を思い出すでしょう。当然、仏教にも異端があり、浄土真宗では異端を「異安心(いあんじん)」と呼んできました。その異安心の歴史を遡れば、浄土真宗の開祖である親鸞の教えに反する考えを嘆き…

カクレミノの実(2)

少し前にカクレミノ(隠蓑)のまだ青い実(画像)について次のように書いた。「葉は濃緑で光沢がある卵形の単葉で、枝先に互生する。花は6月から8月に咲き、実は長さ1cmくらいで先端に花柱が残り、晩秋に黒紫色に熟す。実の中には8mmほどの種が入っている。…

「謙信の第一義」と「漱石の第一義」

新潟県上越市は上杉謙信の故郷である。そのため、謙信は上越市民にとって地元の断トツのヒーロー。その謙信が上越に残した唯一ともいえる遺品が林泉寺山門の扁額の文字で、それが「第一義」。これが「謙信の第一義」として市民に愛でられてきた。だが、その…

アオキの実

アオキ(青木)はアオキ属の常緑低木。和名の由来は、常緑で枝も青い(緑)ため。葉は大きいものでは20cm程度になる。形状は通常楕円形で、縁には小さな鋸歯がある。その実は卵形の液果で、種子を1個含み、秋から冬に赤く熟す((画像)。大きさは2cmほど。…

ミケリア・マウディアエの実

この学名の別名が「深山含笑(みやまがんしょう)」。ハクモクレンにしては緑の葉があり、しかも開花も早いと見直すと、それはモクレン科ミケリア属の学名ミケリア・マウディアエ(Michelia maudiae)だった。別名がどうして「シンザンガンショウ」ではない…

謙信の「第一義」(2)

上杉謙信に関する記述に登場する「義」は、「儒教の「仁・義・礼・智・信」の「義」であり、それは「利」の対局にあるもの」とされている。義は、人間の正しい行動について言われ、義の人とは正義を守る人のこと。また、大名にとっての「義」とは、「攻める…

謙信の「第一義」

昨日の「上越妙高タウン情報」に「県立武道館に寄贈 第一義の額に入魂!」という記事(https://facebook.com/jcvfan.11ch)があります。それを読んだ上で次の文章を考えてみてください。 春日山の林泉寺は上杉謙信のゆかりの寺。その山門の正面の扁額には「…

シャクナゲの花

昭和世代なら「シャクナゲ」と聞くと、シャクナゲ自体より「しゃくなげ色に たそがれる はるかな尾瀬 遠い空」という一節を思い出すのではないか。「夏の思い出」に登場するシャクナゲ(石楠花)は高山種の花木。だが、それが最近は公園でもよく見かけるよう…

なぜ誰もが「故郷」に執心するのか:故郷は初体験の塊だから

なぜ私たちは故郷に執着し、特別の愛着をもつのだろうか。これは、老人なら必ず持つ、ごくありふれた問いである。私のように若い頃は閉鎖的で退屈な故郷が嫌いだった者でも、歳をとると懐かしくなってくるのが故郷。何とも人の気持ちはいい加減なものなのだ…

ヒメイチゴキの花と実

植え込みの木にドウダンツツジやアセビに似た小さな白い花が咲いていて、ヤマモモの実に似た黄色の実が葉の間に見え隠れしている。幾つかの実を見比べると、黄色から赤色に変わっていくようである。そこで、調べてみるとヒメイチゴノキ(姫苺の木)とわかる…

回心は自力それとも他力?

小乗と大乗の違い、自力と他力の違い、信仰をもつきっかけの違い、これらはこれまで混同されてきたケースが多いように思われます。親鸞とパウロの回心の類似性はこれまで比較宗教学的な見地から多くの意見が出され、様々に議論されてきました。 模索中の親鸞…

ホルトノキの実

ヤマモモに似ているが、古い葉が落ちる前に紅葉し、それが実に鮮やか。紅葉は常に見られる。気になって調べてみると「ホルトノキ」で、ホルトノキ科の常緑高木。別名はモガシ。「ホルト」はポルトガルのことで、平賀源内が命名したとされるが、定かではない…