2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧
湾岸地域の空き地や路傍でいつもお目にかかるのがヤナギハナガサやアレチハナガサ。どう見ても野生の雑草にしか見えない。二つの区別は茎が中実だとアレチハナガサ、中空だとヤナギハナガサ。バーベナの栽培種が野生化し、アレチハナガサ、ヤナギハナガサ、…
量子力学はどのように物事が変化し、世界が成り立っているかを説明する物理学で、その説明は物質を構成する粒子の本性と、それらが相互作用する力について理解することにあり、私たちが現在もっている最善の説明システムである。 量子力学は原子がどのように…
バラ科の常緑高木ビワとなれば、誰もが果物のビワを思い出すだろうが、その食べ頃は初夏。晩秋に花をつけ始めるビワはへそ曲がりで、天邪鬼だと思いたくなるが、サザンカやツバキ、そしてボケも同じ頃に花をつけ始めることを考えると、確かに少数派だが、異…
寒波で雪が降り続くと聞けば、寒風の中のセンリョウより、雪の中のセンリョウに心奪われ、赤と白の対比を愛でたくなります。そして、「赤い実を 雪降る中に 置いてみる」、「雪積もり 無彩の中の 実の赤さ」などと洒落て見たくなります。 センリョウはセンリ…
歴史が新しい湾岸地域には先駆種のクサギ、ナンキンハゼ(いずれも雌雄同株)、アカメガシワ(雌雄異株)がまだよく見られます(雄と雌が分かれているのが異株、雄と雌が同体なのが同株)。画像のナンキンハゼの並木は人が植えたもので、既に紅葉が終わり、…
現代詩の夜明けと言われる『月に吠える』は萩原朔太郎の第一歌集。大正6(1917)年、感情詩社・白日社出版部共刊で、56編を収録。一方、「海ゆかば」は信時潔が昭和12(1937)年に作曲、歌詞は大伴家持の『万葉集』巻十八「賀陸奥国出金詔書歌」から抜粋。 …
ヒガンバナ(彼岸花)科のスイセンの開花時期は12月中旬から4月末までと長く、湾岸地域でもあちこちでスイセンが花をつけ始めました。周りで最もよく見かけるのは白い花の中心部が黄色の「日本水仙」(画像)。 スイセンは地中海沿岸が原産で、平安末期に中…
20世紀初頭には「エントロピー増大の法則」は多くの人に知られていました。でも、「どうしてエントロピーは増大するのか?」 という問いはまだ解けませんでしたが、物理学者たちは「エントロピーが増大するのは物理学の法則である」と信じていました。 とこ…
既にヤブツバキ(藪椿、ツバキ科ツバキ属)について記しました。ツバキ(=ヤブツバキ)の原種は紅色の五弁花で、冬から春に開花します。そのツバキの変種には越後のユキツバキ(雪椿)や、茶人が好むワビスケ(侘助)などがあります。また、同じツバキ属に…
ポンカン(椪柑、凸柑)はミカン科ミカン属の柑橘類の一種。ポンカンはインド北部が原産地で、日本には1896(明治29)年に台湾総督が苗木を鹿児島に送って移植したのが最初です。甘みが強くて酸味は控えめ。果肉はやわらかく、果汁も多く、香りのよい柑橘で…
湾岸地域にはトベラが多い。そのトベラが今の季節になると、驚くような姿を見せる。それを見ると、リンネの分類学の着眼点が植物の生殖とそのエロティシズムにあることを想起してしまう(*)。 トベラの実は果皮が3枚に割れて開き、中からたくさんの赤い種…
常緑小高木のハマヒサカキ(浜姫榊)にも雌と雄の区別がある。ハマヒサカキは湾岸地域でも街路樹や生垣としてよく見るのだが、雌雄異株で、当然ながら雄株には雄花が、雌株には雌花が咲く。花は直径2〜6mmの鐘形で、下向きに開き、雌花は雄花より小さい。雄…
ナンキンハゼの紅葉は終わり、既に多くの葉は落葉しています。それでも、白い種がまだ木に僅かに残っているのを見ることができます。ナンキンハゼの紅葉は私の好きな紅葉で、今年も随分と楽しませてもらいました。 2年前にナンキンハゼが雌雄異花同株である…
今の湾岸地域はサザンカの花が見頃なのだが、冬至が過ぎ、そろそろヤブツバキの花が見え始めた。軽快なサザンカの花に比べると、ツバキ(=ヤブツバキ)の花は厚みがあり、重い印象を与える。 ヤブツバキは東北以西の暖地に生育する常緑小高木。照葉樹林を代…
梅の花に似た、雄しべの自己主張が目立つ白い小さな花をたくさんつける常緑低木がギンバイカ(銀梅花)で、6月中旬から7月に花をつけ、それが梅の花に似ていることから「銀梅花」という名がつけられたと既に記しました。 ギンバイカはオリーブ、ヒメイチゴノ…
LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーを指しますが、それ以外の「性的マイノリティ」も含めての総称として使われています。同性愛は「異端」として蔑まれ、国によっては犯罪として処罰されてきました。つい最近もプーチン大統領は性…
今年の冬至は12月22日だった。日本海側はまた大雪の予報が出ているが、東京は午後になって晴れ間が出た。子供の頃の冬至といえば、周りは既に雪が積もり、白い雪の風景が3月まで続くのだが、その雪国に比べれば、東京の冬至は生温く、色んな色が光り、まだ紅…
ピラカンサの主な品種にはトキワサンザシ、タチバナモドキ、ヒマラヤピラカンサ、カンデマリなどがあり、どれもピラカンサと呼ばれています。私も既にピラカンサとして何度か述べてきました。 和名のタチバナモドキはその実がミカンの仲間であるタチバナに似…
ヤツデは雌雄同体ですが、動物であるミミズもカタツムリも雄と雌の区別がなく、雌雄同体です。1個体に両性が同時に共存するのが雌雄同体。カタツムリのように移動能力が劣り、有性生殖の相手と巡り合うチャンスが低い場合、動物でも雌雄同体になるものが多…
ヤツデの開花時期はちょうど今頃で、球状の散形花序が集まって大きな円錐花序をつくり、その見事な幾何学的構成を見ることができます。白い花は直径5mmほどの5弁花です。 とても不思議なのはヤツデの花の変化で、そこにヤツデの生存戦略を垣間見ることができ…
ヤツデにとって重要でない話から始めましょう。私の世代には和風住宅の汲み取り式便所の目隠しに重宝されたのがヤツデで、トイレの近くにはヤツデを見つけることができました(今はすっかり変わりました)。また、ヤツデの花にはハエが特に多く集まり、ハエ…
土だけが目立つ花壇の端にキンギョソウを小さくしたような花が咲いている。その似た花姿から、ヒメキンギョソウと呼ばれている(画像)。だが、キンギョソウがゴマノハグサ科キンギョソウ属なのに対し、ヒメキンギョソウはゴマノハグサ科リナリア属。リナリ…
サザンカは冬の花ということになっているが、実際は10月末には咲き始める。そのため、花粉にはハナムグリ、ハチ、アリなど、色んな昆虫が集まる。サザンカの花には100本近くのおしべがあり、その中心に1本のめしべがある。スズメバチはおしべをかき分けるよ…
既にカリンについては何度も述べたのだが、この時期になっても黄色い実を見ることができる。実の色は徐々に変わっても、実がついたままなのは何のためか考えるとよくわからなくなる。何とも頑丈な実だとしか言いようがない。5月には既に実をつけていて、長い…
ツルソバはタデ科イヌタデ属の蔓性の多年草。蔓を伸ばし、葉も蕎麦の葉に、花も蕎麦に似ていることから「蔓蕎麦」と命名された。残念ながら食べられない。 ツルソバは東アジア原産で、広く自生しています。晩春から初冬までの長期間、茎頂や葉腋から総状花序…
*単語としてのユキツバキを「ユキツバキ」と表示し、植物のユキツバキをそのまま「」なしで指示することにします。 雪椿(ユキツバキ)は新潟県の県の木です。「ユキツバキ」を(政治経済的に)使うことはユキツバキの産地では普通のことで、ユキツバキを指…
サトイモ科のショウブ(菖蒲)とアヤメ科のハナショウブ(花菖蒲)はまるで別物。同じ「菖蒲」が使われるのは葉の形が似ているから。端午の節句に「菖蒲湯」に入るが、このとき使われるのが菖蒲の葉。アヤメ属のカキツバタもハナショウブと同じようにアヤメ…
ツバキについて5回書いたが、不評だったことは否めない。何を言いたいのか、よくわからないというのが読後感だろう。自己弁護だが、言いたいことを再言しておこう。 例の三つの画像を見て、「それぞれ何で、どんな役割や印象をもつか」と問われ、「真か否か…
ユキツバキは新潟県の木、加茂市の花である。ユキツバキは日本海側だけに分布し、加茂山にはユキツバキのほかヤブツバキもあり、その中間型も見られる。雪に埋もれる地表面は温度が一定で、マイナスにはならず、植物の保護に役立っている。地表の寒風にさらさ…
バラ科のボケ(木瓜)の花が咲いている。ボケの花は確か春先に咲く筈で、狂い咲きかと思ってしまうが、これが大間違いで、晩秋から咲くボケがあり、それが「寒木瓜」と呼ばれている。名前に「寒」のつく植物には「品種名として「寒」がつく植物」、「本来の…