冬のアヤメの花

 サトイモ科のショウブ(菖蒲)とアヤメ科のハナショウブ(花菖蒲)はまるで別物。同じ「菖蒲」が使われるのは葉の形が似ているから。端午の節句に「菖蒲湯」に入るが、このとき使われるのが菖蒲の葉。アヤメ属のカキツバタハナショウブと同じようにアヤメと呼ぶようになっている。

 さて、そのアヤメ科に属するディエテス・ビコロル(Dietes bicolor、英語ではAfrican iris)について7月に記した。南アフリカが原産地で、花は春から夏にかけて咲き、オレンジ色に縁取られた黒に見えるほど濃い紫色の斑紋が三つある(画像)。園芸種として「常緑アヤメ(ディエテス・イリディオイデス)」が流通している(画像)。

 常緑アヤメはアヤメ科アヤメ属の常緑宿根草で、開花は 10月から2月で、正に冬のアヤメの花である。「冬のアヤメ」は「夏のツバキ」のような奇妙な組み合わせ。夏にツバキの花を見ることはできないが、冬のアヤメの花は実際に見ることができる。つまり、アヤメの花は夏も冬も楽しむことができるという訳である。

ハナショウブ

ディエテス・ビコロル

常緑アヤメ

常緑アヤメ