ハツユキソウ(初雪草)は北アメリカのミネソタ、コロラド、テキサス原産の一年草。世界各国に1600種以上分布しているユーフォルビアの一種で、クリスマスに出回るポインセチアと同じ仲間。ハツユキソウというと初冬の花と思われますが、夏に小さな椀状の白い花(画像)が咲き、清涼な印象を与えます。英名は「スノー・オン・ザ・マウンテン」で、夏に茎の上部が分枝して、緑の葉が白い覆輪となり、雪が積もったように見えます。
その花はとても小さく、観賞価値はほとんどなく、鑑賞するのは株全体が白と緑の2色に覆われた葉の方である。花が咲く頃に丸みを帯びた楕円の葉が重なり合い、放射状に広がる。葉には7~8月頃に白い覆輪が入り、初雪が降ったような葉となり、輝くような白さで私たちを魅了する。湾岸地域ではまだ咲いている。
花が咲く頃に葉の色が花と同じ白い色に変わり、それが花と葉の共同作業のようで、何とも見事で、微笑ましく思えるのだが、ハツユキソウの悪巧み、老獪な策略なのかも知れない。葉の色が緑色でなかったり、斑入りだったりする植物は意外に多く、観葉植物として好まれているが、そんな植物の代表の一つがハツユキソウ。「初雪草」とは何とも大正ロマン主義風で、「宵待草」の竹久夢二が命名しそうな名前である。名前の由来は画像を見れば誰もが納得できるのだが、夏や秋に初雪がかかったような葉を見ることになると、季節感に大いにズレを感じるのも確かである。


