ハツユキソウの花と葉

 暑さに強いハツユキソウ(初雪草)は北アメリカに分布する一年草。葉に白色が混じり、開花期の7月~10月になると、暑さの中で雪が降ったように、頂部の葉に白い斑が入り、とても涼しげな姿になる。ハツユキソウは葉に隠れるように小さな白い花を咲かせる。真っ直ぐに伸長した茎頂部に、多くの花序を出し、それはトウダイグサ科特有の花序で、「杯状花序」と呼ばれている。言葉で説明するより、画像で確かめるのが得策だ。

 花が咲く頃に葉の色が花と同じ白い色に変わるということは、花と葉の共同作業のようで、何とも見事で、微笑ましく思えるのだが、ハツユキソウの悪巧み、老獪な企みなのかも知れない。葉の色が緑色でなかったり、斑入りだったりする植物は意外に多く、観葉植物として好まれているが、そんな植物の代表の一つがハツユキソウ。「初雪草」とは何とも大正ロマン主義風で、「宵待草」の竹久夢二命名しそうな名前である。名前の由来は画像を見れば誰もが納得できるのだが、夏や秋に初雪がかかったような葉を見ることになると、季節感に大いにズレを感じるのも確かである。

 ハツユキソウは世界各国に1600種以上分布しているユーフォルビアの一種で、クリスマスに出回るポインセチアと同じ仲間。英名は「スノー・オン・ザ・マウンテン」で、夏に茎の上部が分枝して、緑の葉が白い覆輪となり、雪が積もったように見えることから。