2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

シロヤマブキの花

シロヤマブキ(白山吹)はバラ科シロヤマブキ属の落葉低木で、庭や公園でよく見ます。花期は4-5月で、径3-4cmの両性花を側枝の先端に一つずつ白い花を咲かせます。 シロヤマブキとシロバナヤマブキは違います。白花のヤマブキ(山吹)のように見えても、シロ…

全知全能と自由は両立しない

神が全知全能であることと、私たち人間が自由であることは両立しない、つまり、全知全能の神は私たちの自由を認めない、あるいは自由な私たちは神の全知全能性を否定する、というのがA君の出した結論でした(昨日の「全知全能についてのA君の考察」参照)。…

モミジの実

モミジは4月頃に花が咲く。花は地味だが、房になってたれる小さな姿は美しい。雌雄同株で、雄花と両性花をつけるが、その花が終わると、すぐ実(種)ができはじめる。新緑が鮮やかなので、つい見落しがちだが、びっしり枝の先にぶら下がる。ブーメランのよう…

ベニカナメモチの花

「ベニカナメモチ」は総称で、明確な品種の名前ではありません。カナメモチの中でも紅色が強い個体を特にベニカナメと呼ぶようです。湾岸地域でよく見るレッドロビンはカナメモチとオオカナメモチの交配によってつくられた品種です。カナメモチの中でも特に…

全知全能についてのA君の考察

「神は全知全能だ」とよく聞きます。神も仏も同じ能力をもつなら、この世の常識からは神も仏も区別できなくなります(なぜ)。「栄枯盛衰」と聞くと『平家物語』を思い出しますが、「栄枯」は栄えることと衰えること、また、「盛衰」も繁栄と衰退を意味しま…

アオキの花

アオキ(青木)はアオキ科アオキ属の常緑低木で、既に何度か紹介してきた。「アオキ」という和名は常緑で枝も青い色をしているため。赤い実と緑の枝や葉、そしてそれらが雪の中に置かれると、実に見事な景色になるのである(画像)。 その実の落ちたアオキを…

無邪気な好奇心と賢い好奇心

人間は子供も大人も残忍で、殺人さえ日常生活では珍しいことではなく、まして戦争では殺人が普通の行為だと思われています。学校で起きているのはいじめや学級崩壊だけではなく、飼っていたウサギを皆殺しにした小学生がいたり、自分の親に毒を盛り、親の反…

ハボタンの花

ハボタンの開花時期は3月下旬から5月初旬。ヨーロッパ原産で、江戸時代に食用として渡来。その後は観賞用として改良されてきた。キャベツやブロッコリーの仲間で、葉はキャベツにそっくりなため、「花キャベツ」という別名もある。2月頃から中央部が盛り上…

バイカウツギの花

昨日紹介したのがアジサイ科のヒメウツギで、今日のバイカウツギも同じアジサイ科。ウツギも当然アジサイ科だが、ハコネウツギはスイカズラ科である。このようにウツギ属に属す種だけでなく、ウツギと名のつく木は他の種にも多い。花の美しいものや、葉や見…

ヒメウツギの花と蝶

初夏の花ヒメウツギ(姫卯木、姫空木)が既に咲き出していて、4月末は今では初夏ということなのだろう。ヒメウツギはアジサイ科ウツギ属の落葉低木。背が高くならない匍匐性のウツギの仲間。綺麗な白い花が咲くので、庭木としてあちこちで使われている。伸び…

素人の初歩的疑問:南方讃、南方山?

「義の人」と呼ばれる謙信は、自らの書状や願文で「義」を使わず、「筋目」を使っています。彼の筋目は今風には「正義」のこと。謙信自身の目的は王法と仏法の回復にありました。戦乱の原因が利己的な感情や利権をめぐる対立、浅はかな思慮にあり、それが慣…

オオアラセイトウとハマダイコンの花

オオアラセイトウ(大紫羅欄花)は、アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草で、牧野富太郎が命名者。別名はショカツサイ(諸葛菜)、ムラサキハナナ(紫花菜)。別名のショカツサイは、智謀に富み、優れた軍師だった諸葛亮が、先々の戦場で軍隊の食糧補給の…

ツルニチニチソウの花

ツルニチニチソウはキョウチクトウ科の常緑亜低木で、原産地は南ヨーロッパ。綺麗な卵型の葉で、大きさは5~8cm程度とちょっと大きめです。ただ、最近は斑入り種が多く出回っています。 改良品種には赤紫花や白花があります(画像)。繁殖力旺盛で、半日陰…

エニシダ類の花

既にエニシダについて記したが、ホオベニエニシダ (頬紅金雀枝)の満開の花には圧倒されて、再度画像を見てほしい。 見事というより、呆れるほどの花の量だが、ヨーロッパ原産で、マメ科エニシダ属のホオベニエニシダは黄色い蝶形の花の翼弁に赤斑が入った花…

ヤマブキとシャガの花

子どもの頃の我が家の裏庭にはミョウガ、ヤマブキ、シャガの群生があった。4月末か5月初めに祖母がヤマブキとシャガの切り花をつくり、私がそれを小学校の教室にもっていったのを思い出す。ミョウガは大嫌いだったが、ヤマブキとシャガが一面に咲く春の裏庭…

ベニバナトチノキの花

エゴノキ、クスノキ、スズカケノキなどと同じく、トチノキはトチではない。「栃木」はトチノキではなく、トチギ。栃木市の神明宮の屋根の「千木(ちぎ)」と呼ばれる柱が十に見えたため「十千木(とおちぎ)」と呼ばれ、「トチギ」となったと説明されても混…

プラタナスの花(2)

ヒポクラテス(B.C.460年頃~375年頃)は「医学の父」と呼ばれ、医学を科学的に研究し、医の倫理を強調した古代の医学者です。ヒポクラテスはギリシャのコス島のプラタナスの大樹の木陰で弟子たちに医学を教え、この木に由来する木が「ヒポクラテスの木」と…

プラタナスの花(1)

プラタナス(学名: Platanus)はスズカケノキ科スズカケノキ属に属する植物の総称。大きな葉で木陰をつくり、昔から街路樹・庭園樹として広く用いられています。トチノキ、ニレ、シナノキと共に「世界四大並木樹種」の一つです。和名はスズカケノキ。 プラタ…

「私は今ここにいる」という私の知識の正当化(2)

カントの試みから認知科学までの基本的構図をまとめておきましょう。私たちの信念の大半は世界を経験し、その結果に訴えることによって正当化できますが、幾つかの信念は知覚経験に訴えない仕方で正当化されると考える哲学者がいます。彼らはその幾つかの信…

サクラの花の終わりに:紅豊、紅笠、関山

ベニユタカ(紅豊)は松前紅豊とも呼ばれ、北海道松前町で松前早咲と龍雲院紅八重の交配により、ベニガサ(紅笠)はイトククリとサトザクラの自然交雑から生まれました。セキヤマ(関山)は桜湯に使われる豪華な八重咲きのサクラの代表品種。 これまでサトザ…

リナリアやマツバウンナンの花

既にアジュガとキランソウ、バラとナニワイバラ、そして、現在書き続けているサトザクラとヤマザクラなどを思い起こせば、そのもう一つの例として、リナリア(そして、キンギョソウ)とマツバウンランを捉えることができます。どれも前者が園芸種で、後者が…

「私は今ここにいる」という私の知識の正当化(1)

何かを見るとき、何かを見る眼に何が起きているかということと眼が何を見ているかということの間には大きな違いがあります。カントはこの違いに着目し、そこから私たちが見ている、あるいは経験している世界は私たちの精神(=心)によってつくり出されたも…

サクラの花の終わりに:白雪

里桜はオオシマザクラを基にしてヤマザクラ、エドヒガン、カスミザクラ、マメザクラなどを掛け合わせた園芸品種の総称で、多くの種類があります。サトザクラの歴史は、人々がサクラを庭に植え始めた平安時代からと言われ、その後交配が続いてきました。200種…

ナニワイバラの花

「野バラ」はシューベルトの名曲だが、野生のバラは「ノイバラ」(ヨーロッパのバラの原種は「イヌバラ」)。純白の5枚の花弁、椿のような照り葉、淡い芳香、たくさんの棘などの特徴をもつ原種のバラがノイバラである。有棘の低木類のバラが茨(いばら)と呼…

サクラの花の終わりに:天の川

天の川(アマノガワ)は、サトザクラ系のサクラで枝が上に向かって真っすぐに伸びます。枝が横に張らず、空に真っすぐに立ち上り、樹形は円柱状になり、その枝の様子から「天の川」となりました。花は淡紅色の八重咲きで、枝にそって上向きに咲き、芳香があ…

アオダモの花

よく見かけるスモークツリーかと思って近づくと、全体の様子が違う。花をつけ出したヒトツバタゴでもない。花の大きさはとても小さく、5ミリ前後。調べてみると、モクセイ科トネリコ属のアオダモ。高さは3mほどの若木で、成長すると10mほどになる落葉高木。…

サクラの花の終わりに:泰山府君

今年のサクラは終わりに近づいているが、まだ咲いている一つが「泰山府君(たいざんふくん)」。足立区の荒川堤で栽培されていた品種で、中世に桜町中納言が桜の花が散りやすいのを嘆いて、泰山府君を祭って花の期間が長くなるよう祈ったところ、そのお陰で2…

ツリガネズイセンの花

春というより初夏に似つかわしいのがツリガネズイセンの青い色。ユリ科のツリガネズイセンの葉はスイセンに似ているが、花はスイセンとは違い、釣鐘型をしている。そのため、和名は「釣鐘水仙」。イベリア半島が原産地で、ヨーロッパおよびアフリカ、アジア…

チューリップの花たち

今の湾岸地域ではあちこちでチューリップの花を見ることができます。「臨海副都心 チューリップフェスティバル」が毎年3月中旬から1か月ほど開かれていて、シンボルプロムナード公園セントラル広場で富山県砺波市からの球根が一斉に綺麗な花をつけています。…

レッドロビンの赤い葉

新緑の中で「万緑の中や吾子の歯生え初むる」(中村草田男)という句を思い出す人が多いのではないか。ところが、レッドロビンの新芽は緑色ではなく、紅色が美しく、他の植物の緑色と鮮やかなコントラストを生み出してくれる。他の緑の庭木とは風情が異なる…