オオアラセイトウとハマダイコンの花

 オオアラセイトウ(大紫羅欄花)は、アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草で、牧野富太郎命名者。別名はショカツサイ(諸葛菜)、ムラサキハナナ(紫花菜)。別名のショカツサイは、智謀に富み、優れた軍師だった諸葛亮が、先々の戦場で軍隊の食糧補給のために利用したと伝えられている。また、ハナダイコンと呼ばれることもある

 群生して開花し、なかなか美しく、若い葉は食べられるため、中国北部では野菜として栽培される。菜の花とよく似ているので「菜の花」の紫色の品種と勘違いされる場合がある。中国原産で長江流域から東北まで分布している。日本には江戸時代に渡来したが、栽培されるようになったのは1930年代以後で、一般化したのは第2次世界大戦後。今では首都圏を中心に野生化していて、湾岸地域でも見ることができる。

 さて、「ハナダイコン」と一字違いの「ハマダイコン」はダイコンが野生化したものであり、ダイコンそっくりである。海岸の砂浜に生育することが多いが、時として沿岸域の荒れ地などにも生育する。葉は大根に似て羽状に分裂し、長さ20cm程度。荒い毛が生える点は大根に似ているが、光沢があって潮風には強そうである。3月の終わり頃から6月にかけて花茎を出し、花弁は淡い紫紅色を帯びて美しい。

オオアラセイトウ

オオアラセイトウ

ハマダイコン

ハマダイコン

ハマダイコン