2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

我が故郷での親鸞と謙信(2)

(2)親鸞 平安時代末期の1173(承安3)年、京都の日野有範(ありのり)の長子として誕生したのが親鸞。4歳で父、8歳で母と死別した後、1181(養和元)年、9歳で出家し、29歳までの20年間、比叡山で堂僧として修学の日々過ごします。1201(建仁元)年、親鸞…

ニチニチソウ

初夏から晩秋まで毎日次々に花をつけるのが「日々草」。キョウチクトウ科のニチニチソウは今の高温の炎天下でも毎日綺麗な花を咲かせている。別名はビンカで、原産地はマダガスカルやスンダ列島などの暖かい地域。そのため、夏の暑さや多湿に強い。 その名前…

我が故郷での親鸞と謙信

(1)二人の交錯まで 奈良時代に鎮護国家思想(仏教は国家を守護・安定させる力をもつ)に基づき、741(天平13)年に聖武天皇が「国分寺」の建立の詔を出し、その建設事業が始まります。さらに、743(天平15)年に国家安泰を願って東大寺盧舎那仏像の造立が…

夏のゴーヤ

ゴーヤの正式の名前はツルレイシ(蔓茘枝、蔓荔枝)で、ウリ科の植物とその実である。おもに未熟な緑色の実を野菜として食べている。また、ニガウリ(苦瓜)ともゴーヤーとも呼ばれている。 「ツルレイシ」という名前はイボに覆われた実の外観と、完熟すると…

ニシキギの翼

スズランノキ、ニッサボクと並んでニシキギは世界三大紅葉樹の一つとされ、日本の庭では名脇役となってきました。紅葉の美しさから「錦木」と名づけられましたが、ニシキギには枝の節間にコルク質の「翼」があり、これを刃物や矢になぞらえて、「剃刀の木」…

謙信と南方位山

春日神社は奈良の春日大社の分霊を祀り、春日山神社は米沢市の上杉神社より分霊された上杉謙信命を祀っています。「春日山」という名前は春日神社の「春日」に由来します。一方、春日山神社は1887(明治20)年、旧高田藩士小川澄晴(小川未明の尊父)が発起…

ルリフタモジ(瑠璃二文字)の花

ルリフタモジの学名(Tulbaghia violacea)の小種名は紫色を意味していますが、実際は淡紅色で、それは画像で確認できます。「瑠璃(色)」となっていますが,青紫色ではなく,むしろ薄紅紫色です。 ヒガンバナ科ツルバギア属のルリフタモジは学名のツルバギ…

空蝉と蝉時雨

「手に置けば空蝉風にとびにけり」(高浜虚子)であっても、蝉に変態した成虫は元気で、聞き入れば、クマゼミ、アブラゼミ、そしてミンミンゼミの合唱があちこちの木々から聞こえてきます。激しく鳴くのはセミのオスだけです。 『奥のほそ道』で芭蕉は「閑さ…

ヤドリフカノキの実

昨年「シェフレラ」と記したウコギ科フカノキ属のヤドリフカノキが黄色い実をつけている。「ヤドリフカノキ」という和名は、自生の場合にフカノキに着生することからつけられた。別名はシェフレラ(Schefflera)、ホンコンカポックで、黄色の小さな丸い実を…

アサガオカラクサの花

アサガオカラクサ(朝顔柄草、Evolvulus alsinoides)は北アメリカからアルゼンチンに100種ほどが分布するヒルガオ科アサガオカラクサ属(エボルブルス属)のほふく性の多年草、もしくは低木です。寒さに弱いことから庭植えでは冬を越すのは困難で、通常は一…

ハイビスカスの花

ブッソウゲはアオイ科フヨウ属の低木で、沖縄では「赤花」と呼ばれます。中国南部、インド洋諸島など諸説あり、原産地は不明。日本本土への渡来は、慶長年間(1610年頃)に薩摩藩主島津家久が琉球のブッソウゲを徳川家康に献じたのが最初。和名の「扶桑華」…

アオツヅラフジの花

今年は歩道脇の植込みの中のアオツヅラフジ(青葛藤)を見ていなかったのだが、先日のタラノキの横に見つけることができた。元気に蔓を伸ばし出していて、よく見ると、小さな花をつけているではないか。アオツヅラフジの花を見るのは久し振りのことで、何と…

老人から妙高の若人へ

私のふるさと妙高市は妙高戸隠連山国立公園の半分近くの面積を占め、春夏秋冬、豊かな自然の恵みに満ち溢れ、アウトドアスポーツと温泉を満喫できます。かつての豪雪の中の生活はそこに住む人々の絆を深め、我慢強さを育み、温かい人情を生み出してきました…

ナナミノキの青い実

毎日暑い日が続いていると、赤い実より青い実の方が嬉しい。天候に応じて好みが変わるというのは何とも自分勝手な話だが、それも至極人間的なことで、致し方あるまい。 今涼しそうな青い実をつけているのがナナミノキ(七実の木)。ナナミノキはモチノキ科モ…

ミツバオオハンゴンソウ(三葉大反魂草)の花

ミツバオオハンゴンソウはオオハンゴンソウ、一昨日記したアラゲハンゴンソウと同様、明治から大正期に渡来した北アメリカ原産の帰化植物です。学名ルドベキア・タカオ(Rudbeckia triloba ‘Takao’)は北アメリカ原産のキク科オオハンゴンソウ属の二年草、あ…

ブラックベリーの実

ブラックベリー(Blackberry)はバラ科のキイチゴ属に属し、木とその果実の両方を指します。狭義にはブラックベリーは栽培種セイヨウヤブイチゴ(西洋藪苺)です。アメリカ中部が原産で、落葉半蔓。結実期は7月から8月上旬。果実は生のまま食べることもあり…

フヨウ属の花たち(2)

モミジアオイは明治初期に渡来した北アメリカ原産のアオイ科フヨウ属の宿根草植物。7月から9月頃までの夏の季節にフヨウによく似た大輪の赤い花を咲かせます。花がハイビスカスやタチアオイに似ているため、間違えやすいのですが、モミジアオイは花弁の根の…

フヨウ属の花たち

フヨウ属はアオイ科の植物群で、北半球各地に分布し、1年草、2年草、多年草の草本から、低木、高木まで実に様々のものが含まれています。「木」と「草」はまるで違うというのが私たちの常識ですが、フヨウ属には草も木も含まれています。木(木本、woody plan…

ルドベキア・ヘンリーアイラーズの花

筒状に細く丸まった花弁がちょっと変わっていて、洒落た雰囲気も漂うルドベキアの園芸品種。夏から秋にかけて花を咲かせる品種です。和名はアラゲハンゴンソウ、英語名はConeflower。花付きは良くボリューム感があり、次々と花を咲かせます。花には甘い香り…

ノシランの白い花

ノシランはユリ科ジャノヒゲ属でアジア原産。花は白く、ひも状で、8月から9月頃にかけて開花(画像)。これが「熨斗(のし)」の形に似ているところから、この名前がつきました。野生化しているものが多く、夏の暑い草いきれの中の白い花は暫し暑さを忘れさ…

カンナの花と葉

黄色の花の普通のカンナを見慣れている私の眼に飛び込んできたのが、とてもノッポな変わった銅色の葉をもつカンナ・オーストラリア。開花時期は6月~10月で、花色は赤みを帯びたオレンジで、シックな銅葉との相性が抜群。むろん、最初に見た時、私にはそ…

黄金虫と狩人蜂

夏は狩人蜂(カリュウドバチ)の季節です。彼らはクモやハエ、それにチョウやガの幼虫などを狩ります。クロアナバチはバッタ、とくにキリギリスのなかまのツユムシ類を幼虫の食べ物として狩りをします。でも、成虫は花の蜜を吸います。ヤブガラシの花が好きな…

クサギの花

クサギ(常山木、臭木)は日当たりのよい野原によく見られるシソ科の落葉小高木。葉に異臭があることから、「クサギ」の名がついたが、錠剤のビタミンBの匂いに似ていて、なぜか懐かしい。葉は大きく、長い葉柄を含めて30cmにもなり、柔らかくて薄く、柔らか…

サルスベリの花

仏教の三大聖木は無憂樹、菩提樹、沙羅樹ですが、日本では気候の違いによって育てることができず、代用樹が用意されました。既にナツツバキについて記しましたが、ナツツバキは沙羅樹の代用です。無憂樹(アショーカ樹)は橙色から紅色の細かい花を沢山つけ、…

ノラニンジンの花たち

ノラニンジンは野菜のニンジンの野生種と言われています。空き地や草地は湾岸地域でもめっきり減ってしまいましたが、久し振りにノラニンジンの群生に出遭いました。「ノラニンジン」は昭和初期に牧野富太郎が見つけました。ノラニンジンはセリ科ニンジン属…

トポスやトピア

トマス・モアが1516年にラテン語で出版したのが『ユートピア』で、そこに登場する架空の国家の名前がUtopia。ギリシャ語の οὐ (英語のno), τόπος (topos、ラテン語のtopia、英語のplace) を組み合わせ、「どこにも無い場所」という意味の地名とされる。だが…

モクゲンジの実

落葉樹のモクゲンジはセンダンのような葉を持ち、枝先に長さ15~40cmの大きな円錐花序を出し、径1cmほどで黄色い4弁花を多数つけます。その花については既に記しました。花弁は強く反り返り、赤い付属体がつき、基部は短い爪となる(その時の画像)。 昨日、…

スペアミントの花

スペアミントは葉に特色があり、濃い目だが明るい緑色、葉のふちには刃こぼれのようなギザギザが入る。スペアミントの名前はこの槍の穂先(=spear)からきている。ペパーミントはスペアミントとウォーターミントが自然に交雑して生まれた品種である。 シソ…

コエビソウの花

今年もまたコエビソウが咲き誇っています。メキシコ原産のコエビソウはキツネノマゴ科の常緑低木。花のつく穂が苞(ほう)に覆われていて、その形が小海老の尻尾に似ていることが名前の由来です。 赤茶色で鱗状に重なっている部分が花のように見えますが、こ…

ダリア(フィガロ)の花

キク科のダリア(Dahlia pinnata)はメキシコやガテマラ原産で、夏から秋にかけ、青以外のどんな色でもあると言われる程豊富な花色や、様々な咲き方で華やかに咲きます。同属で、冬に咲き、背丈が屋根まで届く木立性の皇帝ダリア(Dahlia imperialis)もありま…