フヨウ属の花たち

 フヨウ属はアオイ科の植物群で、北半球各地に分布し、1年草、2年草、多年草草本から、低木、高木まで実に様々のものが含まれています。「木」と「草」はまるで違うというのが私たちの常識ですが、フヨウ属には草も木も含まれています。木(木本、woody plant)は地上に出ている茎が二次成長で太り続け、長い間存続し、草(草本、herb)は地上部分が短期間(一年程度)で枯れてしまう、あるいはそれより長持ちする場合でも太り続けることがない植物と考えられています。多くの植物は木本、草本のいずれかですが、どちらにも入らないものもあります。タケ類(イネ科)、ヤシ類(ヤシ科)、多年生つる性植物がそれらの例です。

 タチアオイは同じアオイ科ですが、フヨウ属ではなく、タチアオイ属。でも、花はフヨウ属の花によく似ています。フヨウ属の主なものとして、フヨウ、ムクゲ、ブッソウゲ、モミジアオイハマボウなどが知られていますが、近年はアメリカフヨウやタイタンビカスも見られるようになっています。そこで、まずはそれらの花を見比べて下さい。そして、次にどれが草で、どれが木か考えてみて下さい。

*ヒントは葉の形ですが、葉が見えないものもあり、気軽に考えて下さい。画像はムクゲ(一重と八重)、アメリカフヨウ、タチアオイ、タイタンビカス(赤と白の花)、モミジアオイのいずれかです。