2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ペチュニアの花たち

既述のルエリア・フミリス(Ruellia humilis)はアメリカの東部から中部が原産。ペチュニアに似ているので、英語名はWild petunia。でも、ナス科のペチュニアとは似て非なるもので、まるで違う種類です。 ペチュニア(Petunia)は南米原産のナス科ペチュニア…

ルエリア・フミリスの花

アメリカの東部から中部が原産。開けた森や低湿地、大草原や野原のやや乾燥した土地に生え、葉は長楕円形から披針形、葉や茎には毛があります(画像)。学名はRuellia humilis、ペチュニアに似ているので、英語名はWild petuniaです。でも、ナス科のペチュニ…

夏のユリ

ユリの花が旬を迎えるのは初夏から夏にかけてで、開花時期は6月から8月頃。ユリには色々な種類があり、開花時期もそれぞれ少しずつ違う。中国と日本には様々なユリがあり、ユリの宝庫となってきた。 欧米ではユリが格別に好まれるが、日本のユリを外国に紹介…

夏のアリとチョウ

暑くなり出し、アリやチョウの活動が目立つようになってきた。 (アリについて) 日本には280種ほどのアリがいて、棲み分けて棲息している。アリはハチから進化したもので、ハチ目アリ科の昆虫。女王アリが産卵し、大家族を作り、集団で暮らしている。その集…

古典的な図書館から近代図書館、そして現代図書館へ

ギリシャ人はフェニキアの文字からギリシャ文字をつくり、彼らの学問や文学を丹念に記録しました。ソクラテスやプラトンは、対話や議論を通じて知識を得ることを重視しましたが、プラトンは自らの学園アカデメイアに研究教育の図書館を設けました。テキスト…

クロコスミア:夏の思い出

クロコスミアの花言葉は「楽しい思い出」。そのせいではないが、クロコスミアは私の子供の頃の夏の思い出の一つ。子供の頃、「クロコスミア」という名前など知る由もなく、畑の端で咲いていた赤い花がいつの間にか無名のまま、半ば物化した記憶として今も残…

ダンゴギクの花

ダンゴギク(Helenium autumnale)は北アメリカに広く分布しています。湿地や湿り気のある草地などに生えます。葉は披針形で互生し、縁には細かい鋸歯があります。夏から秋まで、茎頂に直径2.5~5センチの花を咲かせます。真ん中の筒状花の部分が半球状…

セイヨウニンジンボクの白い花

昨日セイヨウニンジンボクの青花について記しました。今日はその白花です。シソ科ハマゴウ属のセイヨウニンジンボクの原産地は南ヨーロッパから中央アジア。ハーブとしても用いられてきました。暑い夏に爽やかな青色や白色の花を咲かせるのがセイヨウニンジ…

アメリカフヨウの花

アオイ科フヨウ属の多年草アメリカフヨウは北アメリカが原産で、高さは1~2メートル。私の中ではアメリカフヨウの大きな花は夏の到来を意味している。その別名は「くさふよう(草芙蓉)」と呼ばれ、6月から10月頃に上部の葉腋に花を咲かせます。花色には、…

リンゴとモモとお盆

子供の頃は夏が近づくと、林檎や桃が出回り、お盆の頃の仏壇には桃が供えられていたのを思い出します。私の頭の中では冬の蜜柑と対になっていました。子供の頃の桃や蜜柑の缶詰は見舞い品としてとてもポピュラーでしたが、林檎の缶詰はなかったと思います。…

ノリウツギの花

ノリウツギはアジサイの仲間で、円錐形の花序(花房)をもつため、ガクアジサイやカシワバアジサイによく似ています。開花期もアジサイより遅く、今咲き出しています。 開花は6~8月で、小さな花が集まってピラミッド状の円錐形を作ります。遠目にはガクア…

セイヨウニンジンボクの花

昨日セイヨウオトギリについて記しました。「西洋…」という名前の植物はとても多く、どれも西洋由来であることを示しています。セイヨウニンジンボクもその一つで、シソ科ハマゴウ属の植物です。その原産地は南ヨーロッパから中央アジア。ハーブとしても用い…

マツバギクの花たち

マツバギク(松葉菊、Lampranthus spectabilis)はハマミズナ科(ツルナ科)マツバギク属の多年草で、葉と花の形から「松葉菊」と呼ばれ、キクに似た花を咲かせます。マツバギクの名前で出回っているものはランプランサス属(Lampranthus)のいくつかの種や…

セイヨウオトギリの花

「人間とは何か」と「これは誰か」、「色とは何か」と「これは何色か」の問いの違いに似て、「植物とは何か」と「これは何という植物か」は違う問いです。その違いは「Xとは何か」と「これは何か」の違いであり、Xという概念が何かを問うことと、「これ」と…

アオドウガネとクサグモ

コガネムシもアオドウガネもコガネムシ科。コガネムシ(黄金虫)は文字通りメタリックグリーンに輝いていますが、アオドウガネ(青銅鉦)はつや消し状態の渋い緑色です。そして、それがコガネムシとアオドウガネとの違い。ライバルのドウガネブイブイと同じ…

ワルナスビとママコノシリヌグイの花

道端や空き地に生える北米原産で、ナス科の帰化植物ワルナスビ(悪茄子)は白色か淡紫色の花弁に黄色い雄蕊がアクセントになった花をつける。しかし、これが中々の曲者で、不用意に抜き取ろうとして掴むと、茎だけでなく、葉の両面に生える固くて鋭い棘が手…

氏、姓、苗字は歴史的偶然の積み重ねだから…

「氏」は天皇に仕える血縁の集団につけられたもので、「姓」はその集団の役職や地位を表すものです。例えば、「蘇我大臣馬子」の「蘇我」が氏、「大臣」が姓、「馬子」が名。でも、平安時代になると姓は形骸化し、氏に吸収され、「氏=姓」となります。中世…

ナツツバキの花

ヒメツバキの次はナツツバキ(夏椿)。ナツツバキはツバキ科ナツツバキ属の落葉樹。花の形が椿によく似ていて、夏に開花することから「夏椿」。別名はシャラノキ(娑羅樹)で、寺院によく植えられてきました。でも、釈迦が涅槃に入った時の「沙羅双樹(さら…

ヒメツバキ(イジュ)の花

ヒメツバキは日本の南西諸島から東ヒマラヤ、東南アジアまで広く分布し、樹高が40mにもなるものがあります。現在は南西諸島からヒマラヤに分布するヒメツバキと、東南アジアに分布する亜種の二つにまとめられていて、沖縄ではイジュと呼ばれています。 ナツ…

ガクアジサイの花:三つの姿

花弁 (花びら)の外側の部分が萼(がく)、その一枚が萼片。花弁が退化し、萼弁が花弁の役割を果たしているのがキンポウゲ科のアネモネ、クレマチス、キンポウゲ、シラネアオイ等々で、アジサイ科のアジサイもその一つ。アジサイの花も花びら状のものは萼弁で…

エキナセア・パリダの花

エキナセア・パリダ(Echinacea pallida)は北アメリカ原産で、キク科ムラサキバレンギク属の耐寒性多年草です。背の高いエキナセアの原種で、細い薄紫色の花弁が垂れ下がるのが大きな特徴です。夏の暑さに強く、元気よく花を咲かせます。ネイティブアメリカ…

メラレウカ・ティミフォリアの花 

フトモモ科のメラレウカの学名はMelaleuca thymifolia。原産地はオーストラリア南東部で、常緑低木。画像のように、綿のような花が枝を巻くように無数につく。開花時期は5月中旬~6月で、花の色は紫の他に、ピンクや白のものもある。 葉は長さ1㎝ほどの披…

スーパーベナの花たち

(洒落た名前?の)スーパーベナは小さい花がたくさん集まって咲く、手まりのような花姿をしているバーベナ。花の形が桜の花に似ていることから、「美女桜(びじょざくら)」とも呼ばれます。もともと亜熱帯原産のバーベナはたいへん丈夫で、春から秋まで真夏…

キマダラカメムシの交尾

体長20-23mmのキマダラカメムシは日本国内に生息するカメムシ亜科で最大種。台湾~東南アジアを原産地とする外来種で、長崎の出島から侵入、1935年頃には長崎市を中心に繁殖し、東京で最初に発見されたのは2008年。最近では都心のほとんどの公園で見つかりま…

「なでしこジャパン」とダイアンサス 

かつて日本男性が理想とした女性像は「大和撫子」と呼ばれていました。「大和」は日本の異名で、大和政権が大和(現在の奈良県)にあったことに由来します。「なでしこジャパン」は大和をジャパンに変えてできたサッカー日本女子代表チームの愛称で、2004年…

映画や小説が描く世界

パトリシア・ハイスミスの小説The Talented Mr. Ripley(才人リプリー君)(日本語版の題名は『太陽がいっぱい』青田勝訳、角川書店、1971年。『リプリー』佐宗鈴夫訳、河出書房新社)を原作とした1960年のフランス・イタリアの映画「太陽がいっぱい(Plein …

ペラルゴニウムの花

たまたま道端で見つけたペラルゴニウム(Pelargonium)は南アフリカ原産で、その園芸品種にはゼラニウム(Geranium)があり、花はよく似ています。 ペラルゴニウムの葉は鮮緑色で、開花期が長く、耐寒性があります。属名の「Pelargonium」はラテン語で「pela…

ブッドレアの花

ゴマノハグサ科フジウツギ属のブッドレアは長い円錐形の花穂が甘く香り、そこに多くのチョウが集まります。そのため、英語名は「バタフライブッシュ」、和名は「フサフジウツギ(房藤空木)」。ブッドレアは中国西部が原産のフサフジウツギを原種とした園芸…

シマトネリコとサルスベリ

トネリコ属のトネリコは日本列島を原産地とするが、シマトネリコはトネリコ属では数少ない常緑樹。つまり、トネリコが落葉高木、シマトネリコが常緑高木。シマトネリコは美しい小葉が規則的に並び、そこから降り注ぐ木もれ日が、涼しげでさわやかな印象を与…

アメリカデイゴの赤い花

デイゴはマメ科の落葉高木で、沖縄の県花である。デイゴが見事に咲くと、その年は台風の当たり年で、干ばつにも見舞われるという言い伝えがある(最後の画像がデイゴで、沖縄県の県花)。一方、アメリカデイゴ(亜米利加梯梧)は赤い葉っぱのような花が咲く…