モチノキ科のソヨゴ(戦、冬青)は常緑小高木で、別名はフクラシバ。波状の葉が風に揺れ、「そよぐ(音を立てる)」ことから命名された。常緑樹の中では葉色が明るく、6月頃に目立たない白い小さな花をつける。湾岸地域では公園や庭の植栽に利用され、あちこちでみることができる。
ソヨゴの実はサクランボのようにぶら下がる(画像)。秋から冬にかけて赤い実をつける樹木の中では、ソヨゴの実の色や姿は出色で、私はつい見惚れてしまう。
*葉が冬でも青いことから「冬青」と書くが、冬の青空の中に緑の葉が寒くても凜としている姿が浮かび上がってくる。芥川龍之介の『少年』には「そう云う蟻には石灯籠の下や冬青(モチ)の木の根もとにも出合った覚えはない」とあり、島崎藤村の『夜明け前(第二部)』には「よく行った神門のそばには冬青(ソヨギ)の赤い実をたれたのが目についた」とある(ソヨギはソヨゴの別名)。また、「冬青の実」は秋の季語。こうなると、「冬青」は判じ物である。


