2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

晦日の新しい公園

湾岸地域には多くの運河があります。東雲運河も大きな運河の一つで、その運河の中間に「旧防波堤」と呼ばれる細長い堤防が残っています。防波堤は幅が30m以上もあり、多くの樹木が生い茂り、森林のような緑地帯になっています(画像)。この防波堤は有明や新…

アネモネの花たち

アネモネは南ヨーロッパ地中海沿岸原産で、明治初期に渡来。和名はボタンイチゲ(牡丹一華)、ハナイチゲ(花一華)、ベニバナオキナグサ(紅花翁草)で、いずれの名前も花の美しさを表現しています。 アネモネは古くから人との関わりが深く、神話や伝説にも…

年末のコミケ

「コミケ」、「冬コミ」、「夏コミ」は同人誌即売会「コミックマーケット」の略称。8月に開催されるのが「夏コミ」、12月に開催されるのが「冬コミ」。二つとも有明の「東京ビッグサイト」で催される。コミックマーケットは同人誌の即売会。つまり、個人サー…

ミニシクラメンの花

「シクラメンのかほり」は小椋佳がつくり、布施明が歌ったのですが、その頃のシクラメンは随分と大柄な植物でした。その後もシクラメンの花が小さいという印象をもったことはなかったのですが、5年程前に小さなシクラメンを見出してから、シクラメン観が変わ…

ジョウリョクシャラの白い花

その白い花はシャラノキ(ナツツバキ、最後の画像)の花によく似ています。そのため、和名は「ジョウリョクシャラ(常緑沙羅)」。ツバキ科のゴードニア・ラシアンサス(Gorodonia lasianthus)は北アメリカ原産の常緑高木で、ツバキやサザンカのような白花…

ダイダイとシシユズ

ダイダイはインド、ヒマラヤが原産。日本へは中国から渡来。また、ヨーロッパへも伝わり、ビターオレンジとして栽培されています。日本では正月飾りに用いられ、樹高4-5mになる常緑小高木で、枝には棘があります。 初夏に白い花をつけ、冬に果実が黄熟し、果…

ヤブデマリ・ピンクビューティーの12月の花

ヤブデマリはスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木で、自生するものは樹高5m位になる白花種です。ヤブデマリ・ピンクビューティーは野生種よりも葉が小型で、咲き進むにつれて装飾花が白から紅ピンク色に変化します。ヤブデマリの開花は5月~6月で、花弁の…

ビオラ、ソルベタイガーアイの花

スミレ科スミレ属のビオラはパンジーと同様、ヨーロッパや北アメリカが原産でとても丈夫な花です。パンジーとの違いは花の大きさ。花の直径が5㎝以上のものをパンジー、4㎝以下のものをビオラと区別していますが、その定義は曖昧です。ビオラの和名は「三…

自然釉のようなノブドウの実

ノブドウ(野葡萄)の実は9~10月頃、緑色から赤紫、時に白色など、様々な色に熟し、鳥が食べ、種子があちこちに散布されます。ブドウミタマバエやブドウトガリバチといった昆虫の幼虫が実の中にしばしば寄生することがあり、特にブドウミタマバエの幼虫に寄…

歌は世につれ世は歌につれ

(これまで3回に分けて記してきたものをまとめたもの) 時代を超えて歌い継ぎたい歌があれば、音楽を通じて語り継ぎたい歴史もある。私が寒くなると聞きたくなるのが五輪真弓の「恋人よ」。五輪はフランスでフランス人を前に歌っていた時に「(自分は)日本…

その他の12月のチューリップの花

パ(ー)ロット咲きのチューリップだけでなく、普通のチューリップも年末なのにたくさん咲いていて、驚いてしまった。そこで、調べてみると、冬に咲くチューリップは「アイスチューリップ」と呼ばれ、一度球根をポットの土に植え付けて根を成長させた後、そ…

12月のチューリップの花

12月末に地植えのチューリップを見るのは珍しい。色んな色のチューリップが咲いている中に珍しい「パ(ー)ロット咲き(parrot bloom)」のチューリップを見つける(画像)。何かをくるりと包んでいるような、何かに巻きついているような姿をしている。ホワイ…

12月のイチゴノキ

イチゴノキ(Arbutus unedo)は地中海地方とヨーロッパ北部に分布するツツジ科イチゴノキ属の常緑低木。花は両性花で白色、花冠は直径4-6mmになる鐘形で、秋に円錐花序を生成する(画像)。 果実は赤い漿果で、直径1-2cm。表面はざらつき、12月に次の花と同…

歌は世につれ世は歌につれ(2-2)

バーグマンは1950年にロベルト・ロッセリーニが監督するイタリア映画『ストロンボリ』に主演し、二人は共に既婚者であったにもかかわらず、不倫関係を持つようになる。この不倫関係とその後の二人の結婚は大きなスキャンダルとなり、バーグマンはその後の数…

冬のプリムラの花

プリムラはヨーロッパやアジアに自生するサクラソウ属(Primula)の原種やその変種を交配して作られた一群の園芸品種です。和名はクリンザクラ(九輪桜)。多年草で、花期は冬~春です。花色は様々で、花の少ないこれからの時期には目立つ存在になります。 プ…

歌は世につれ世は歌につれ(2-1)

フランソワーズ・サガンの『ブラームスはお好き』(Aimez-vous Brahms?、1959、朝吹登水子訳、「世界文学全集」新潮社、1960年、河野万里子訳、新潮文庫、2024年)のあらすじは次の通り。パリに暮らすインテリアデザイナーのポール(女性の名前)は離婚歴が…

12月のサルビアの花

今咲いているもう一つのサルビアがサルビア・インボルクラタ(Salvia involucrata)。美しい赤紫の苞がある花を長期間咲かせ、12月に入っても元気に咲いています。初夏からパラパラと咲き出しますが、最盛期は秋から冬です。葉には仄かな芳香があり、株は横…

冬のベニバナサルビアの白い花

シソ科のベニバナサルビアの原産地はアメリカ、メキシコで、開花期は6~10月。「ベニバナ」はチグハグだが、この園芸種サマージュエル ホワイト(Salvia coccinea Summer Jewel white seeds)の花色は赤ではなく、白。また、スノーニンフ(Salvia coccinea S…

菊の花たち

菊の原産地は中国で、人との係わりの歴史は3000年以上と長い。中国で菊は神聖な力を持つ薬として珍重され、漢時代には既に「重陽の節句」の原型となる行事が行われていた。梁(502~557年)の時代に菊の栽培が始まり、唐代(618~907年)以降、品種改良が盛…

トウネズミモチの黒い実

湾岸地域にはネズミモチとトウネズミモチが多い。二つはよく似ている。だが、葉を光に透かして見ると、違いがはっきりする。ネズミモチの葉はかなり分厚く、葉の裏から陽に透かしてみても、葉脈が殆ど見えないが、トウネズミモチは綺麗に筋が見える。さらに…

他力本願と自由意思

金子みすゞは門徒の中の門徒のように言われます。実際、彼女の多くの詩が他力本願の世界を表現していて、次の詩もその一つです。 さびしいとき わたしがさびしいときに よその人は知らないの わたしがさびしいときに お友だちはわらうの わたしがさびしいと…

冬のブーゲンビリアの花

オシロイバナ科のブーゲンビリアは熱帯性の低木。和名はイカダカズラ(筏葛)、ココノエカズラ(九重葛)で、蔓性あるいは半蔓性ですが、私には木にしか見えません。原産地は中南米の熱帯雨林。花の色は画像から赤紫となるのですが、実際の花はいわゆる花の…

ツルソバの花と実

以前はあちこちの空地にツルソバ(蔓蕎麦)が見られたのですが、最近はすっかり少なくなってしまいました。ツルソバはタデ科イヌタデ属の蔓性の多年草。蔓を伸ばし、葉も蕎麦の葉に、花も蕎麦に似ていることから「蔓蕎麦」と命名されました。葉や茎には酸味…

歌は世につれ世は歌につれ:その例

時代を超えて歌い継ぎたい歌があれば、音楽を通じて語り継ぎたい歴史もある。私が寒くなると聞きたくなるのが五輪真弓の「恋人よ」。五輪はフランスでフランス人を前に歌っていた時に「(自分は)日本人だ」と痛感したという。1978年に「さよならだけは言わ…

冬のレースラベンダー

ラベンダーの一種レースラベンダーは鑑賞用のラベンダーとして作られた園芸種。葉の細かい切れ込みがレースのように見えることから名づけられました。 ラベンダーの中では一番丈夫で育てやすく、また花期の長い四季咲き品種。花が咲いていない時もレースのよ…

モミジバゼラニウムの葉と花

フクロソウ科のモミジバゼラニウム(紅葉葉ゼラニウム)はモミジのようなカラーリーフをもつ観葉植物で、その上、ゼラニウムに似た花をつけ、葉と花の両方を楽しむことができます。 モミジバゼラニウムは南アフリカ原産で、ハナテンジクアオイとテンジクアオ…

ノースポールの花

冬に咲く白菊のノースポールギク(Mauranthemum paludosum)は1960年代日本に移入され、白い北極を思わせる花から「ノースポール」という別名で親しまれるようになりました。その和名はカンシロギク(寒白菊)で、フランスギク属の半耐寒性多年草です。「ノ…

冬薔薇

冬至に冬薔薇の二句が浮かび出る。生きることの二つの側面が描き出されている。 生誕の日や冬薔薇の紅の檄(楠本憲吉) 病む瞳には眩しきものか冬薔薇(加藤楸邨) 相澤啓三の詩集『冬至の薔薇』(書肆山田、2010)は巻頭を飾る「冬至の薔薇」から始まり、巻…

冬至のドウダンツツジの葉

今年の冬至は12月21日。子供の頃の冬至には既に雪が積もり、その白い雪の風景が3月まで続く。その雪国に比べれば、東京の冬至は穏やかで、色んな色が光り、まだ紅葉が残っている。その上、湾岸地域は常緑樹が多いためか、風景の中に緑色が目立つ。 そんな風…

師走のピラカンサの実

ピラカンサはタチバナモドキ(ホソバノトキワサンザシ)、トキワサンザシ(常盤山査子)、ヒマラヤトキワサンザシ(別名カザンデマリ、インドトキワサンザシ)の総称で、名前が込み入っているだけでなく、実物の見分けもとても厄介です。ヒマラヤトキワサン…