12月のイチゴノキ

 イチゴノキ(Arbutus unedo)は地中海地方とヨーロッパ北部に分布するツツジ科イチゴノキ属の常緑低木。花は両性花で白色、花冠は直径4-6mmになる鐘形で、秋に円錐花序を生成する(画像)。

 果実は赤い漿果で、直径1-2cm。表面はざらつき、12月に次の花と同時に熟成する(画像は熟す少し前の実)。果実が目立つ頃には翌年の花が咲いていて、花と果実を同時に楽しめることが大きな特徴。

 イチゴというよりはヤマモモに近いイチゴノキは戦後に日本へ渡来し、花や実を観賞するため庭木として使われてきた。果実がイチゴに似るとして名付けられたが、お馴染みのイチゴ(バラ科)の仲間ではなく、ツツジの仲間である。イチゴノキの矮性品種はヒメイチゴノキと呼ばれるが、木の大きさが違うだけで、二つは花も実も同じ。英語ではどちらもストロベリーツリー。