イチゴノキの花と実

 イチゴノキ(Arbutus unedo)は地中海地方と西ヨーロッパ北部、西フランス、アイルランドに分布するツツジ科イチゴノキ属の常緑低木。花は両性花で白色(まれに薄いピンク)、花冠は直径4-6mmになる鐘形、秋に10-30花ほどからなる円錐花序を生成する(画像)。

 果実は赤い漿果で、直径1-2cm。表面はざらつき、12月に次の花と同時に熟成する(画像は熟す前の実)。果実は開花の翌年の12月頃に熟す。果実が目立つ頃には翌年の花が咲いていて、花と果実を同時に楽しめることが大きな特徴。イチゴというよりはヤマモモに近い。

 イチゴノキは戦後に日本へ渡来し、花や実を観賞するため庭木として使われてきた。果実がイチゴに似るとして名付けられたが、お馴染みのイチゴ(バラ科)の仲間ではなく、ツツジ科イチゴノキ属に分類される。

 イチゴノキの矮性品種はヒメイチゴノキと呼ばれるが、木の大きさが違うだけで、二つは花も実も同じ。英語ではどちらもストロベリーツリー。