2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧
桜と菊は多くの人に国花と思われ、春の桜に対して秋を象徴するのが菊。鎌倉時代の初めに後鳥羽上皇が菊の花を好み、「菊紋」を皇室の家紋とした。それが菊の好まれる第一歩で、それ以来、菊は高貴な花ということになり、『菊と刀』が生まれた。 キクは7~8世…
アンゲロニア(Angelonia angustifolia)の別名はエンジェルラベンダー、ホソバアンゲロンソウ。原産地はメキシコで、開花期は6月から秋まで。「アンゲロニア」はアンゲロニア属の園芸品種の総称ともされています。 アンゲロニアの草丈は30~45cmで、茎は直…
キク科のイソギク(磯菊)は磯の菊ということから「磯菊」の名がある。日本固有の野生の菊で、湾岸地域にはあちこちに植えられ、今花をつけている。イソギクの栽培は江戸時代から始まっていて、現在では野生化が進み、あちこちで見ることができる。 イソギク…
既に二日前に「ソヨゴの赤い実」として記しました。そして、「秋から冬にかけて赤い実をつける樹木の中では、ソヨゴの実の色や姿は出色で、私はつい見惚れて、時間を忘れてしまう。」と書いたのですが、その際の画像には満足できず、ソヨゴの葉と実の協奏の…
マテバシイ、コナラ、クヌギ、シラカシ、アラカシなどの実が「ドングリ」と呼ばれています。その中の一つのアラカシの若いドングリについては9月初旬に記しました。アラカシは雌雄同株で、雌花の後にできるドングリは開花した年の10~12月に熟します。今回の…
ナデシコ科のホテイマンテマの学名はシレネ・ユニフローラ(Silene uniflora)。ホテイマンテマは西ヨーロッパ及びバルト海沿岸、マデイラ諸島を原産とする半常緑多年草で、ナデシコ科マンテマ属の観賞用の園芸種。伸びた茎の先に釣鐘状の花を咲かせます。開…
子供の頃、久し振りに家に戻った父親が森蘭斎の屏風について話していた記憶がぼんやりあるくらいで、私の新井での生活の中に画家森蘭斎はまるで存在していなかった。中学、高校となり、日本の歴史を知るにつれ、岡倉天心やフェノロサの名前を知ることになる…
日本の秋の風景に不可欠なのがススキですが、湾岸地域にはススキだけでなく、お化けススキのようなパンパスグラスもあちこちで見ることができます。 雌雄異株のパンパスグラスは雌株の花穂の方が大きく、長い毛があります(画像)。「シロガネヨシ」とも呼ば…
今年もまたマーガレットコスモスの黄色の花が咲いています。キク科のマーガレットコスモスは南アフリカ原産。一見すると、湾岸地域に多いユリオプスデージーに似ていますが、開花期が異なり、葉は緑色です。別名は「ガモレピス」、「イエローエンジェル」。 …
昨日ヒメユズリハの実について記しました。その際、ヒメユズリハ(姫譲葉)は同属のユズリハ(譲葉)に似ていて、区別が厄介だと述べました。その後、近くにあるユズリハと比べてみました。そして、ユズリハは枝の出方が大ぶりで、ヒメユズリハは葉が小ぶり…
映画「Steel Magnolias(マグノリアの花たち)」の舞台はルイジアナ州。タイトルのマグノリア(タイサンボク)は州の花で、南部女性の代名詞として使われてきました。タイトルの「Steel Magnolias」は「鉄のマグノリア」ですから、花のように優雅に見えても、…
湾岸地域にはツワブキ(石蕗、艶蕗)が多く、その花が今あちこちで咲いている。晩秋から初冬にかけて咲く黄色い花は風景に彩を添えるが、多すぎると興醒めでもある。ツワブキはキク科ツワブキ属に属する常緑多年草で、茎や根に薬効がある。 ツワブキの葉はフ…
ユズリハ科のヒメユズリハ(姫譲葉)は同属のユズリハによく似ていて、区別が厄介である。春に若葉が出ると、古い葉が落ちることから、「譲葉」と呼ばれた。ユズリハは枝の出方が大ぶりだが、ヒメユズリハは葉が小ぶりで、そのため「ヒメユズリハ」と呼ばれ…
モチノキ科のソヨゴ(戦、冬青)常緑小高木で、別名はフクラシバ。波状の葉が風に揺れ、「そよぐ(音を立てる)」ことから命名された。常緑樹の中では葉色が明るく、6月頃に目立たない白い小さな花をつける。湾岸地域では公園や庭の植栽に利用され、あちこち…
物理学の真髄の一つが保存則(conservation law)。エネルギーや質量が保存されることが大前提になり、そのもとで世界が考えられ、理解されてきた。この「保存」の世界観をリアリスティックと呼ぶなら、それに対峙するのがロマンティックな「破壊と再生」の…
モクセイ科のソケイ(素馨、Jasminum grandiflorum)の英名はRoyal jasmine。南アジア原産の半つる性植物です。ソケイが中国から日本に渡来したのは1819(文政2)年。 夏から秋にかけて咲く花は香りが強く、観賞用の鉢植えも流通しています。ソケイと言って…
モクセイ科のオリーブは常緑の高木で、地中海地方の原産。湾岸地域でもあちこちに植えられています。初夏に白やクリーム色の4枚の花弁を持つ花を咲かせますが、その花は控えめで、目立ちません(画像)。秋になると実が完熟し、黒褐色になり、オイルやピクル…
クスノキ科のヤブニッケイ(藪肉桂)は常緑の広葉樹。6月頃に淡いクリーム色の小さな花がまばらに咲きます。ヤブニッケイは雌雄異株で、花が終わると、メスの木には水分を含んだ果実ができます。果実は直径1~2センチの球形あるいは楕円球で、10~11月になる…
(1)火打山と大島亮吉 頚城三山のゆるぎなき主役は妙高山。それは古くから信仰の霊山であり、宝蔵院が管理してきた。では、他の山々はどうだったのか。糸魚川から静岡までのフォッサマグナを境に日本列島が分裂するとき、東西の両側が大きく隆起した結果、…
モチノキ科のイヌツゲ(犬黄楊)は見た目も名前もツゲとよく似ていて、同じ仲間と思われがちですが、ツゲはツゲ科で類縁関係はありません。ツゲはたいへん成長が遅く、緻密でなめらかなため、ツゲ材として櫛や印鑑の材料となりますが、成長の早いイヌツゲは…
湾岸地域には街路樹のサルスベリが多い。サルスベリは初秋までの長い期間に渡って花を楽しむことができ、そのため「百日紅(ヒャクジツコウ)」という別名がある。仏教の三大聖木(無憂樹、菩提樹、沙羅樹)は日本では気候の違いなどから育てることができず…
センリョウ(千両)の開花は初夏で、枝先に緑色の子房のみの目立たない花をつける。花のあとには緑色の実がつくが、この実は11月から3月にかけて赤や黄色に熟す。今年もセンリョウの実が色づき出している。 センリョウの葉は先端が尖り、縁には鋭いギザギザ…
新潟日報の今日の記事「「未踏峰主義」から「楽しもう」に!変わる京都大山岳部、笹ケ峰ヒュッテ(新潟県妙高市)で今昔談義」(https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/513837...)に関連して、昨年7月に「頚城の山と京都大学学士山岳会」を記し、笹ヶ…
ムクロジ科のフウセンカズラ(風船葛、Cardiospermum halicacabum)の別名はハートカズラ。花は小さく、風船状の実を見て楽しむ植物。熱帯に広く分布し、日本では観賞用に栽培されています。葉に対生する巻きひげで、からみつきます。花は直径8~10㎜の白色…
ホソヒラタアブはその名前通り腹の部分が細くなっているヒラタアブ。ホソヒラタアブの全体の色は薄い黄褐色で、胸の部分の背中側には銅色の美しい光沢が見られます。腹の部分の各節には特徴的な2本の黒い帯が見られ、地の色は黄色です。ホソヒラタアブはホバ…
ヒメリンゴはイヌリンゴ(犬林檎)、ミカイドウ(実海棠)とも呼ばれる。バラ科の落葉高木で、セイヨウリンゴとズミの雑種と言われているが、その起源は不明。4月から6月にかけて咲く花は、最初は薄いピンク色で、満開時には白くなる。ヒメリンゴの実は小さ…
キンセンカ(金盞花、学名がカレンデュラで、キンセンカの別名としても通用)の花色は、花びらに光沢のあるオレンジや黄色で、最近ではシックな花色や八重咲きの種類も出てきた。その花色と盃状に咲く花の形から「金盞花」と名づけられた。南ヨーロッパの地…
昔と気候が随分と変わり、湾岸地域はやっと紅葉が始まったところで、初冬とは言い難いのだが… そんな中で、ツツジ科のスズランノキ(Zenobia pulverulenta)の赤い葉は見事である。北米原産で、10月には紅葉するのだが、やはり11月に入ってから紅葉している…
「栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)」は、「大成する人は小さいときから優れている」という諺。この「栴檀」は中国では「白檀(ビャクダン)」のことで、良い香りを放つ木として有名です。 ゆりかもめの新豊洲駅近辺には街路樹としてセン…
ヒペリカム(Hypericum)はオトギリソウ科オトギリソウ属の学名ですが、中央アジアから地中海沿岸を中心に世界中に450種ほども分布しています。園芸植物として栽培されているのは低木で、湾岸地域ではキンシバイとビヨウヤナギがあちこちに植えられています…