「栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)」は、「大成する人は小さいときから優れている」という諺。この「栴檀」は中国では「白檀(ビャクダン)」のことで、良い香りを放つ木として有名です。
ゆりかもめの新豊洲駅近辺には街路樹としてセンダン(栴檀)が植えられています。その別名はオウチ(楝)、アミノキなど。残念ながら、白檀ではありません。センダンの別名オウチは色の名前でもあり、淡く、やや青みがかった紫色です。藤色よりは濃く、深みを加えたような、青みの爽やかな紫色です。センダンはビャクダンのように芳しくなくても、センダンの花の香りは甘く、バニラやチョコレートの香りに似ていますが、木にはビャクダンのような香りはありません(最初の画像は春に咲くセンダンの花)。
夏に楕円形の緑の実が枝一面につき、落葉後も木に残る姿が数珠のようで、「センダマ」(千珠)の意味で「センダン」と命名されたとも言われます。センダンの実は落葉後も枝に残り、画像のように今はまだ緑色ですが、冬には白く変わります。
木枯らしに 栴檀の実の 残りたる
楝の実 秋空の中 まだ緑