モクゲンジの花

 中国原産のモクゲンジ(木欒子) はムクロジ科モクゲンジ属の落葉高木で、日本には割と古くから渡来していたと思われます。「栴檀葉の菩提樹(センダンバノボダイジュ)」とも呼ばれ、種子を数珠にするために寺院に植えられていたようです。「モクゲンジ」という名前は、ムクロジの中国名「木患子」を音読みした「モクカンシ」が転訛したもので、一説ではムクロジと本種を混同したことに由来します。

 モクゲンジは6~8月にとても美しい花を大量に咲かせ、その花の散る様子は「Golden-rain tree(黄金の雨の木)」 という英名が見事に示しています。湾岸地域でも公園で見ることができます。モクゲンジの花長さ30センチ前後の円錐の花序に、直径1センチほどの黄色い小花が密生します(画像)。

 鳥の羽根のような葉は先端の1枚と3~7対の小葉からなります。小葉は卵形ですが、縁に不揃いな粗いギザギザがあって形状は複雑。葉は枝から互い違いに生じ、全体では長さ25~45センチほどになります。新緑は美しく、環境が良ければ秋の黄葉も綺麗です。モクゲンジよりも葉が大きいため名付けられたのがオオモクゲンジですが、オオモクゲンジの葉は縁にギザギザがありません。