オオモクゲンジの実

 既に記したモクゲンジ(木欒子)は中国原産で、ムクロジ科モクゲンジ属の落葉高木。日本には古くから渡来していて、「栴檀葉の菩提樹(センダンバノボダイジュ)」とも呼ばれ、種子を数珠にするために寺院に植えられていたようです。「モクゲンジ」という名前は、ムクロジの中国名「木患子」を音読みした「モクカンシ」が転訛したもので、一説ではムクロジと混同したことに由来します。モクゲンジは6~8月にとても美しい花を大量に咲かせ、その花の散る様子は「Golden-rain tree(黄金の雨の木)」 という英名が示しています。湾岸地域でも見ることができ、直径1センチほどの黄色い小花が密生します。

 モクゲンジよりも葉が大きいために名付けられたのがオオモクゲンジ(大木欒子)ですが、オオモクゲンジの葉は縁にギザギザがありません。9月に入り、オオモクゲンジも花をつけました。オオモクゲンジも中国原産で、ムクロジ科モクゲンジ属の落葉高木です。別名はフクロミモクゲンジ(袋実木欒子)で、実が膨らんだ三室の袋状だからです。本州中部以西に自生し、夏から秋にかけて、枝に黄色の小花を横向きに多数咲かせます。オオモクゲンジはとても大きくなる木で、高さ20mほどになります。滅多に見ない木ですが、湾岸地域では台場や豊洲にあります。

 オオモクゲンジの花や実の姿はモクゲンジにとてもよく似ています。今はオオモクゲンジの実が木全体についています。花もたくさん咲き、袋状の実も樹木全体についています。オオモクゲンジの実は三つの子房室に分かれていて、開いてみると、中に種子が入っています。この種子は次第に黒色に変わって行きます。