2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「…空木」の花たち(4)

初夏の花ヒメウツギ(姫空木)が今年は既に咲き出していて、4月末は今では初夏ということなのでしょう。ヒメウツギもアジサイ科ウツギ属の落葉低木。背が高くならない匍匐性のウツギの仲間です。バイカウツギと同じように白い花が咲くので、庭や公園の木でよ…

「…空木」の花たち(3)

バイカウツギ(梅花空木)はアジサイ科バイカウツギ属で、前の二つの植物のスイカズラ科タニウツギ属ではありません。ウツギの近縁種で山野の林内に自生し、茎が中空で、梅に似た花が咲くためバイカウツギと呼ばれるようになりました(画像)。原産地は日本…

「…空木」の花たち(2)

ハコネウツギ(箱根空木)もオオベニウツギと同じスイカズラ科タニウツギ属の植物で、別名はベニウツギ、ゲンペイウツギ。湾岸地域でもあちこちに植栽されており、よく見かけます。花期は今頃で、花は白からピンク、そして赤へと変わっていきます。そして、…

「…空木」の花たち(1)

これから暫く「…ウツギ」と呼ばれる植物について記してみたいと思います。ウツギと呼ばれる花木はたくさんありますが、幹や枝が空洞になる木を区別なく「…ウツギ(空木)」と呼んでいて、同じ属であるとは限りません。 その最初はオオベニウツギで、園芸種と…

ダイアンサスの花変化

カワラナデシコについては既に何度も述べましたが、今日の画像はナデシコの仲間であるダイアンサス属のタツタナデシコの一部。ダイアンサスは世界に約300種が分布し、やさしい草姿に可憐な花を咲かせ、香りも魅力があります。カーネーションもダイアンサス属…

ベニバナトチノキの花から

ベニバナトチノキの花が咲いています(画像)。ベニバナトチノキは北米南部原産のアカバナトチノキとヨーロッパ原産のセイヨウトチノキ(=マロニエ)の交雑種。セイヨウトチノキはパリのシャンゼリゼの街路樹が有名ですが、花期は5~6月で、赤い模様の入…

ニワゼキショウの花色

ニワゼキショウの花を見ると、アヤメ科の植物とは思えないと述べましたが、チリアヤメ、シベリアアヤメなどの葉をミニチュアにしたような葉の形を持っていて、共通の性質を見つけることができます。 ニワゼキショウは北アメリカ原産で、日本には明治時代に渡…

小さなアヤメ:チリアヤメとニワゼキショウ

既にチリアヤメについて述べたが、昨日偶然に別の一群を見つけることができた。アヤメ科のチリアヤメは学名からハーベルチアとも呼ばれている。背丈が低く、コンパクトなサイズで、普通のアヤメとは随分印象が異なる。チリアヤメは日本へは大正時代に渡来し…

ノイバラの花

今年は既にナニハイバラについて記しました。中国原産のナニワイバラは日本に宝永年間に渡来し、大阪でこのノイバラが売られていたことから、「難波のバラ」という意味で「ナニワイバラ」と呼ばれました。 『万葉集』、『常陸風土記』にバラが登場します。防…

シンビジウムの花

シンビジウム(Cymbidium)はラン科シュンラン属で、和名は霓裳蘭(ゲイショウラン)。私たちが単に「シンビジウム」と言うときは園芸種の洋ランを指していますが、本来はインドや中国を含む東南アジアを原産とするラン科の植物です。もともとは冷涼かつ湿度…

ユリオプス・ウィルギネウスの黄色い花

ユリオプス属は南アフリカからアラビア半島に数多く分布しています。「ゴールデンクラッカー」と呼ばれる園芸種は、南アフリカのケープ地方からレソトが原産です。高さは4メートルくらいになり、濃い緑色の針状の葉が密生します。1月から5月ごろ、枝先に…

ハクチョウゲの花

初夏に緑の葉の上に雪が降ったように小さな花を咲かせるのがハクチョウゲ。今年はそのハクチョウゲが既に花をつけている。花は一重で、直径は1cmほどと小さい。花の先端は5つに裂け、外側には淡い紫色が入る。ハクチョウゲは湾岸地域でも庭園や公園などに広…

瑠璃色のルリチュウレンジ

チュウレンジバチの漢字表記は「鐫花娘子蜂」で、ちょっと気になる。ハバチの一種で、その名前は雌の成虫が花の茎を彫って卵を産み付けることに由来するようだ。成虫がバラの茎に卵を生み付け、孵化した幼虫がバラの葉を食べることから害虫として嫌われてい…

コデマリとオオデマリの花

コデマリ(小手毬)はバラ科シモツケ属の落葉低木で、別名がスズカケ、中国(中南部)原産。その変種に八重咲きのヤエコデマリがあります。 一方、オオデマリ (大手毬) はレンプクソウ科ガマズミ属で、別名テマリバナ。コデマリとオオデマリはよく似た名前で…

別のセイヨウオダマキの花

セイヨウオダマキはキンポウゲ科オダマキ属のAquilegia vulgarisの和名で、既にその花について記しました。セイヨウオダマキは北ヨーロッパからシベリアに広く分布しています。春から初夏にかけ、花茎を伸ばして、長い距のある紫色の花を咲かせます(画像)…

トベラの花と昆虫

トベラ(扉)はトベラ科の雌雄異株の常緑小高木。本州の海岸に自生し、潮風や乾燥にも強いので、公園や街路樹などにも植栽されています。湾岸地域でもあちこちに植えられ、緑を提供しています。トベラの花は最初白いのですが、時間が経つとクリーム色に変化…

ラナンキュラスの変身から(1)

昨年まで見慣れていた大輪のラナンキュラスが今年は見つからなく、園芸家の嗜好が豹変したのか不安になっていた。そんな中、今年のニューフェースのような花が桜の咲く前からあちこちに見られるようになった。ところが、私にはその花の名前がわからず、それ…

マメ科の花たち

エニシダ、キングサリと同じマメ科のフジ(藤)は蔓性の落葉植物で、その花は誰もが知っています。園芸では「藤棚」を作り、花を密生させて鑑賞します(画像)。キングサリもエニシダも今咲き誇っています。共に黄色の花色が見事ですが、エニシダにはシロバ…

シャクナゲの花たち

今湾岸地域ではあちこちでツツジが満開で、その花が風景を占領している。シャクナゲもそのツツジに負けじと花をつけている。昭和世代の私は「シャクナゲ」と聞くと、シャクナゲ自体より「しゃくなげ色に たそがれる はるかな尾瀬 遠い空」という「夏の思い出…

無知の美

ハルジオン(春紫苑)の花は春の野原に不可欠で、その舌状花の色は白、ピンク、薄紫など、実に微妙で多様。ハルジオンの花には白色から紫がかった色まである。アントシアニンがこの色を生み出しているのは確か。この色の違いは、色素の合成・発色に関わる遺…

ロサ・ダマスケナの花が咲き誇る

「道端のロサ・ダマスケナ(Rosa × damascena)の花」でバラの女王を記しました。まだ、元気に新しい花を開き続けています。多彩なピンク色の花を咲かせるダマスクローズは古くから人々に愛され、ローズオイル、香水、アロマキャンドルなど、私たちの生活に…

チリアヤメ(ハーベルティア)再見

アヤメ科のチリアヤメは学名のハーベルティア(Herbertia lahue)とも呼ばれています。チリアヤメは芝生の端などで点々と花を咲かせ、小さいながらも鮮やかな濃いブルーの色がとても印象的です。花は朝開いて、午後になると花弁が先端から捲れ、夕方にはしぼ…

サルビアの赤い花

シソ科アキギリ属(サルビア属)のサルビア(Salvia splendens)はブラジルが原産。和名はヒゴロモソウ(緋衣草)で、その名前通りに鮮やかな赤色の花が特徴です。サルビアの仲間は900種ほどありますが、最も親しまれているのがこの赤い花のサルビア・スプレ…

ムラサキツユクサの花

既にムラサキツユクサが咲いていて、ツユクサより花が大きい。ムラサキツユクサはツユクサ科ムラサキツユクサ属に分類される多年草。北米から中南米にかけて約20種が分布し、日本には明治時代に入ってきた。大きな3枚の花弁を優雅に広げる。ムラサキツユクサ…

ツキヌキニンドウの花

今年は既にツキヌキニンドウの花が咲いています。スイカズラ属のツキヌキニンドウは秋まで長い期間花を楽しめる半常緑から常緑性の蔓性の植物です。生育が旺盛なため、ぐんぐんと枝を伸ばします。花の外側は紅オレンジ色で、内側は咲き始めが白く、だんだん…

グラジオラス・ピュアベールの花

アヤメ科のグラジオラスの別名は「唐菖蒲(とうしょうぶ)」で、それをヒントに植物図鑑のアプリを検索してみると、以下のような順に植物名の特定が進行していったのだが、結局最後はネット上の書き込みから探り当てるしかなかった。今話題のChat GPTで検索…

マーガレットとリビングストンデージーの花

キク科のマーガレットの「風恋香」は香りのマーガレットです。サンデーリップルとハナワギクの交配種で、ラベンダーがもつ芳香成分を花に含み、マーガレットでは世界初となるラベンダーに似た香りをもつ品種です。香り成分はラベンダーと同じですが、ラベン…

タイワンバイカカラマツとバイカカラマツの花

タイワンバイカカラマツ(台湾梅花唐松(落葉松))は文字どおり台湾原産ですが、バイカカラマツソウ属ではなくカラマツソウ属で、台湾原産でも、寒さに強く育てやすい多年草です。 八重咲のバイカカラマツは北米原産で、梅に似た花とカラマツソウに似た葉が…

シュッコンアマの花

シュッコンアマ(宿根亜麻)はアマ科アマ属で、ヨーロッパが原産。アルプス周辺に分布し、5月から6月頃に、淡青色の花を咲かせます。今年は既に花をつけています。 学名は Linum perenne、英名は Perennial flax。 シュッコンアマは春に細い茎先に円錐花序を…

シランの花

このところ厄介な名前の植物が多いのだが、「シラン(紫蘭)」は単純明快である。ラン科シラン属のシランの野生のものは何と準絶滅危惧種だが、栽培品としては広く普及していて、湾岸地域でも今はあちこちに赤紫色の花を咲かせている。ラン科の植物には珍し…