2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「dialectic」の想い出と現在

1980年頃私はある学会の雑用をしていた。今では考えられないことだが、政党の党員、弁証法的唯物論やカント主義の専門家が理事の多くを占めていた。先日若い銀行員と話していて、「マル経、近経」という単語を知らないことに自分の年齢を感じてしまったのだ…

キダチチョウセンアサガオの花

ナス科のキダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)は、大きなラッパ状の花を「下向き」に咲かせる半耐寒性常緑低高木です。既に何回か記してきました。英語ではエンジェルス・トランペット・ツリー(Angel's trumpet tree)と呼ばれ、草のアサガオと違って…

アオビユの花穂

帰化植物のアオビユ(ホナガイヌビユ、穂長犬莧)の茎は高さが40~90cmで、畑や道路の縁,荒れ地などに普通に見られます。葉は長柄があり、菱状卵形または卵形です。アオビユはイヌビユに似ていますが、葉先の凹みが小さく、区別できます。花穂は熟すと褐色…

花とヤマトシジミ

ヤマトシジミ(大和小灰蝶、大和蜆蝶)はシジミチョウ科のチョウ。前翅長は9-16mmほどの小型で、北海道を除くと、どこでも見られるチョウ。翅の縁にそって二つずつの紋が並ぶ。前翅、後翅ともに翅の中央に小さな「く」の字の形をした模様がある。湾岸地域で…

ヤマハギの花

湾岸地域にはマメ科のヤマハギ(山萩)やミヤギノハギ(宮城野萩)が多く、少し前から花をつけています。ヤマハギはハギ属の一つで、日本各地の山野に生える落葉半低木。秋の七草の一つとして古くから日本人に親しまれてきました。『万葉集』にも萩を詠んだ…

ハナアロエの花

園芸植物のハナアロエの学名はBulbine frutescensでブルビネ属、アロエはアロエ属で別物です。ハナアロエは南アフリカのケープ地方からモザンビークに広く分布しているユリ科の植物で、60㎝ほどの高さになります。春から夏の終わりまで、花茎を伸ばして小さ…

チャバネセセリと花たち

セセリチョウ科のチャバネセセリ(茶羽挵)は東アジアからオセアニアにかけての暖地に分布します。日本でもあちこちで見ることができ、湾岸地域でも暑い夏、元気に飛び廻っていました。昨日まだたくさん花をつけているスイフヨウ(酔芙蓉)にチャバネセセリ…

クコの花

ナス科のクコ(枸杞、Lycium chinense)は東アジア原産の落葉低木。夏から秋にかけて薄紫色の花を咲かせて、秋に赤い実をつけます(画像)。クコの実は熟しても、自然に落ちることが少なく、長い間木の上に残ります(翌年の花期に熟すため、花と実が一緒にで…

花と実と蝶:三例

9月末になり、気候は随分と秋めいてきました。秋の虫も鳴き始めていますが、小さなチョウが懸命に生きている姿があちこちで見ることができます。画像はたった3例に過ぎませんが、今の季節の自然の営みを垣間見ることができます。 画像は順に、ニシキギの実…

サマースターの花

赤い花のマンデビラ・サンデリ(Mandevilla sanderi)は蔓性の常緑低木で、マンデビラの名前で流通する多数の園芸種の元となった原種マンデビラです。白い花のマンデビラ・ラクサ(Mandevilla laxa)はチリアン・ジャスミンとしても知られていて、夏に香りの…

キョウチクトウ「ペチートサーモン」の花

公園などにはサルスベリの矮性種が増えたが、キョウチクトウの矮性種も次第に見られるようになってきた。中でもよく見るのが「ペチートサーモン」。その名前の通り、独特の淡いサーモンピンクの小さな花が見どころです。 キョウチクトウの基本種とは違い、成…

ランタナの実:緑色から藍色へ

ランタナ(Lantana camara)はクマツヅラ科の常緑小低木。ランタナ属は中南米・南欧原産の150種ほどの低木・多年草を含めた植物で、熱帯や亜熱帯に広く野生化しています。日本では観賞用に栽培され、和名は「七変化」。その名の通り、花の色が変化する不思議…

オオモクゲンジの美しい実

既に記したムクロジ科のモクゲンジ(木欒子)は中国原産の落葉高木。日本には古くから渡来していて、「栴檀葉の菩提樹(センダンバノボダイジュ)」とも呼ばれ、種子を数珠にするために寺院に植えられていました。「モクゲンジ」という名前は、ムクロジの中国…

ピンクノウゼンカズラの花

今年の夏もノウゼンカズラは元気に花をつけていて、まだその花を見ることができる。秋が始まる中でノウゼンカズラ科のピンクノウゼンカズラ(桃色凌霄花、Podranea ricasoliana)を見ることができた。ピンクノウゼンカズラは中国、熱帯アメリカ原産の非耐寒…

フウセンカズラの実

フウセンカズラ(風船葛、Cardiospermum halicacabum)はムクロジ科の植物。「花を観賞するより、風船のような実を見て楽しむために栽培される」という説明を読むと、その変わった名前も納得できる。フウセンカズラは絡みつきながら繁茂する蔓性の一年草。夏…

消えたセンニンソウ

歩道の植込みにいい匂いがして、足を止めると、白い十字の花が蔓状にはい上ってたくさん咲いていた。それがセンニンソウ(仙人草、Clematis terniflora)で、蕊が長く、花びらは細い。クレマチスの仲間で、花に近づくと、甘い匂いが漂っていた。見た目の派手…

タチバナモドキの青い実

バラ科のタチバナモドキ(橘擬き、Pyracantha angustifolia)は中国原産の常緑低木。葉は長さ5〜6cmの狭く長い楕円形で、葉裏に灰白色の毛が密生するのが特徴。白い小さな花の後の実は緑色で、秋に橙黄色に変わる。タチバナモドキの名前は果実の色や形が扁球…

クレマチスの暗紫色の花

画像はClematis viticella 'Etoile Violette'という園芸種で、暗く濃い紫色の花が特徴のクレマチスです。クレマチスはキンポウゲ科の蔓性の植物で、北半球の温帯に多く分布し、その種類は300種近くあり、日本にも20種ほどが分布しています。画像のような大き…

ウモウゲイトウの花

ケイトウ(鶏頭、鶏冠、セロシア)はヒユ科の一年生植物で、夏から秋に庭や公園に欠かせない花の一つ。原産地はアジア、アフリカの熱帯地方で、日本には奈良時代に中国を経由して渡来しました。花の色は赤や黄色を基本にして、橙、紫、ピンクなど多様な色の…

マルバアサガオの花

久し振りにマルバアサガオに出遭った。子供の遊び場の端のフェンスに絡まり、花をつけていたのだ。9月初旬にマメアサガオとの再会について記した。それ以上に久し振りなのがマルバアサガオだった。マメアサガオは北アメリカ原産の1年草で、1955年に東京近郊…

アレチヌスビトハギの花と実

マメ科のアレチヌスビトハギ(Desmodium paniculatum)は北米原産の帰化植物。高さ1m程になる多年草。近くの芝生の庭の中に何本も姿を現わしていて、初対面の私は驚いてしまった。葉や茎全体に毛が目立つ。今長さ6~9mmの美しい紫色の花を咲かせている(…

ハツユキソウの花と葉

ハツユキソウ(初雪草)はその名前とは違って、暑さに強い。ハツユキソウは北アメリカに分布する一年草。葉に白色が混じり、開花期の7月~10月になると、暑さの中で雪が降ったように、頂部の葉に白い斑が入り、とても涼しげな姿になる。ハツユキソウの花は葉…

穏やかならざる夕焼け

「赤とんぼ」の歌詞は「夕焼、小焼の、あかとんぼ、負われて見たのは、いつの日か。」で、多くの人は夕焼けの中のアキアカネの姿を想像します。そして、私たちは日没時の西の空が赤く染まり、上の方へ目をうつすと,橙から黄となり,高い空は濃い青になって…

アオスジアゲハの元気な姿

アオスジアゲハはアゲハチョウ科のチョウで、湾岸地域でよく見られるチョウである。アオスジアゲハは黒地に青白い筋が一本入り、飛翔能力に優れ、速いスピードで、樹木や花のまわりを巧みに飛び回る。その雄姿が私は好きである。 黒地に鮮やかなブルーの紋様…

キバナコスモスの花色

「コスモス」の別名が「アキザクラ」、「オオハルシャギク」で、「キバナコスモス」とは種が異なることを既に述べました。両種とも1年草で、原産地も同じメキシコ。 コスモスの日本への渡来は1896(明治29)年で、花の色は白色、淡紅色、深紅色などでしたが…

マツバハルシャギクの黄色い花から…

小さなマツバハルシャギクが足元で咲いています。キク科のマツバハルシャギク(松葉波斯菊、Helenium amarum)の別名はマツバダンゴギクで、北米原産の一年草。丸みのある花の中央は黄色の花粉で満たされ、私だけでなく、チョウも惹きつけます。松のような細…

「彼岸、此岸」と「私」:何とも短い要約

お彼岸には次のような二つの意味があります。一つは迷いや煩悩のある此岸(しがん、この世界)に対し、悟りの彼岸のことで、二つは此岸から悟りの境地の彼岸に至るために、仏道の修行をおこなう期間のことです。秋のお彼岸は9月の「秋分の日」を中日とする前…

鶏冠のようなケイトウの花

私が子供の頃によく見ていたケイトウの花は炎のような鮮やかな花色で、家で飼っていた雄鶏の鶏冠によく似ていました。そのため、「鶏頭」と看做され、花房の先端が平たく帯状や扇状に大きく広がり、花穂の形態から「トサカケイトウ」と呼ばれてきました。英…

デュランタの実

クマツヅラ科のデュランタの和名はハリマツリ、タイワンレンギョウ。花色が濃い青紫で、白い縁取りが入るものは「タカラヅカ」と呼ばれる品種で、とても魅力的である。 秋のデュランタの実は薄いオレンジ色のキンカン(金柑)に似ている(画像)。そのため、…

二つの「七草」

友人に「春の七草」と「秋の七草」の違いについて問われ、考えてみました。春の七草は野菜が少ない冬に栄養を補うために粥に入れて食べられてきました。でも、秋の七草は野山に咲く草花を見て、喜び愛でるものです。春の七草と違い、「秋の七草粥」はありま…