ウモウゲイトウの花

 ケイトウ(鶏頭、鶏冠、セロシア)はヒユ科の一年生植物で、夏から秋に庭や公園に欠かせない花の一つ。原産地はアジア、アフリカの熱帯地方で、日本には奈良時代に中国を経由して渡来しました。花の色は赤や黄色を基本にして、橙、紫、ピンクなど多様な色の園芸品種があります。ケイトウの花穂の形状がニワトリの鶏冠(とさか)に似ているものがあり、そこからこの名がつきました。

 ケイトウ(セロシア)の花のように見える部分は茎が進化した花序(花穂)です。その根元の帯化部分に小さな花がたくさんあり、これらの花は花びらがありません。ケイトウ(セロシア)には大別して次の六つの花の咲き方があります。

(羽毛タイプ)

・ノゲイトウ(野鶏頭):細長いしっぽのような形をしているケイトウ

・スピカータ系ノゲイトウ(野鶏頭):ノゲイトウによく似た花をつける矮性品種

・プルモーサ系ウモウゲイトウ(羽毛鶏頭):何本もの穂状花序からなる羽毛のようなふさふさとした花が特徴のケイトウ(画像)

・キルドシー系ヤリゲイトウ(槍鶏頭):何本もの穂状花序からなり、固まって咲く

(鶏冠(トサカ)タイプ)

・トサカケイトウ(鶏冠鶏頭):鶏のトサカのような形状で、花が平たく扇形のように咲く

・クルメゲイトウ(久留米鶏頭):トサカ状の花が重なり合い球状に咲く

 画像はウモウゲイトウですが、昭和世代の私には「トサカ」系のケイトウが記憶の中のケイトウです。暑い夏の陽の中で咲く大きな赤いトサカは夏の花の思い出の一つ。私が子供の頃によく見ていたケイトウの花は炎のような鮮やかな花色で、家で飼っていた雄鶏の鶏冠によく似ていました。

*画像はウモウゲイトウとトサカケイトウ