街中のナミアゲハ

ナミアゲハは日本のチョウの代表格で、街中でも見ることができるアゲハチョウです。ナミアゲハの外見はキアゲハに似ていますが、ナミアゲハは翅の根元まで黄白色の線が入り、全体的に黒い部分が太くなっています。オスは全体に黒色ですが、メスは後翅に赤色…

アイズシモツケ(会津下野)の花

園芸ではシモツケ ホワイトゴールドと呼ばれているバラ科シモツケ属の落葉低木がアイズシモツケ(Spiraea japonica‘White Gold’)。黄色の葉が印象的なアイズシモツケ(会津下野)は日本では北海道を始め、本州から九州にかけての地域に生息しています。 湾…

クナウティア・アルベンシスの花

学名がKnautia arvensisで、ブルーライラックとも呼ばれています。クナウティア・アルベンシスの「クナウティア」は17世紀のドイツの植物学者クナウトの名前に由来します。ゆらゆらと揺れる姿が美しく、自然の造形力に驚かされる花姿で、つい見惚れてしまい…

ツツジだらけの歩道

サクラの花が散ると、ツツジの花が咲き出し、今が満開である。公園や歩道には赤や白のツツジの花が咲き誇っている。それにしても、ツツジだらけの歩道は私には異様な風景に思えるのである。子供の頃、故郷で今のような光景を見たことがなかった。 東京のツツ…

ローズゼラニウムの特徴

フウロウソウ科のローズゼラニウム(和名は「ニオイテンジクアオイ」)はセンテッドゼラニウム(匂いゼラニウム)の中でも最もポピュラーな品種。ピンクの花で、バラの香りがあります。花は日当たりがよければ春から秋まで良く咲き、環境が合う場所では冬も…

クレマチスの花

イギリスでは、クレマチスは「つる植物の女王」として親しまれています。クレマチスはセンニンソウ属に属している花の総称の一つで、多彩な植物が含まれています。 今のクレマチスはテッセンやカザグルマが原型になっています。中国原産のテッセンは白い花び…

カラフトヒヨクソウの花:補足

今朝カラフトヒヨクソウについて記したのですが、画像は鮮明でないだけでなく、クワガタソウ属の仲間たちとの区別をしにくいものでした。そこで、カラフトヒヨクソウの画像を二つ追加しておきます。今朝述べたカラフトヒヨクソウの特徴が補足の画像を通じて…

モチツツジ 「ハナグルマ」の花

モチツツジ 「ハナグルマ」(黐躑躅「花車」、Rhododendron macrosepalum cv. Hanaguruma)は日本固有種でツツジ科ツツジ属の低木モチツツジ(Rhododendron macrosepalum)の園芸品種です。花車は江戸時代から栽培されている古典的な品種で、花色は明るい紫…

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花

タイトルは七七七五の都々逸の形式で、立っても座っても、また歩いても、姿が艶やかで魅力的な女性を花に譬えたもの。百合はまだだが、芍薬や牡丹が咲き始めている。 ボタンによく似ているのがダリアで、メキシコの国花。ダリアは花の形がボタンに似ているた…

カラフトヒヨクソウの花

カラフトヒヨクソウ(Veronica chamaedrys、ゴマノハグサ科クワガタソウ属)を見れば、私を含め、大抵の人はオオイヌノフグリだと思うに違いない。鮮やかな青い色の花が咲き、群生していると、誰もがつい見惚れてしまうのではないか。花はオオイヌノフグリよ…

グラジオラス・ピュアベールの花

アヤメ科のグラジオラスの別名は「唐菖蒲(とうしょうぶ)」。それをヒントに植物図鑑のアプリを検索し、以下のような順に植物名の特定が進行していったのが昨年の今頃だった。今話題の生成AIで名前が不明の対象をどのように検索し、特定するのか、格好の例…

トウダイグサ属の三植物

トウダイグサ科は約300属7500種以上を含む巨大な科です。特に、トウダイグサ(ユーフォルビア)属 (Euphorbia) が多く、何と1500種を越えます(科や属が多いことの意味はいずれじっくり考えてみたいと思っています)。 トウダイグサ属の花は雌雄異花で、特…

ウエストリンギアの花

ローズマリーかと思って近づくと、何か違うというのがウエストリンギア。ウエストリンギアはオーストラリア原産のシソ科ウエストリンギア属の半耐寒性常緑低木で、当初日本では「オーストラリアン ローズマリー」という名前で流通が始まったようです。でも、…

トウキョウコシビロダンゴムシ

「ダンゴムシ」と言う名前は随分久し振りに聞いた気がする。復習すれば、「ムシ」という名前がついていても、昆虫ではなく、ワラジムシ目で甲殻類に属する生きもの。ダンゴムシはヨーロッパからやってきた外来種で、明治以降に日本に入ってきた。ダンゴムシ…

イリス・アルビカンスの花の印象

アヤメ科のイリス・アルビカンス(Iris albicans)はサウジアラビア~イエメン原産の多年草です。英語名のCemetery Irisは墓地に植えられてきたことに由来します。イリス・アルビカンスは最も古くから栽培されてきたアヤメ属の植物であると言われています。…

ベニカナメモチ(レッドロビン)の満開

「ベニカナメモチ」は総称で、カナメモチの中でも紅色が強い個体を特にベニカナメモチと呼ぶようです。湾岸地域でよく見るレッドロビンはカナメモチとオオカナメモチの交配による品種です。カナメモチの中でも特に新芽が赤く美しいものを指しているようなの…

タブノキの雌花

タブノキは北海道、青森、岩手を除いて全国に分布するクスノキ科の常緑樹。暖地の海岸沿いに多いが、公園や庭園に植栽されることもおおく、湾岸地域ではとてもポピュラーな樹木。また、日本書紀に登場するほど神事との関連が深く、「霊(たま)が宿る木」を…

エノキの実

エノキ(榎)はニレ科エノキ属の落葉高木。「榎」という漢字は道の脇の大樹が木陰を作るので、夏の木の意味の和字。丸い小さな実をつけ、秋に熟すと橙褐色になり、食べることができる。味は甘く、昔は子供のおやつだったようである(画像)。名前の由来は諸…

セキチクの花

セキチク(石竹、China pink、Dianthus chinensis L.)はナデシコ科の園芸種。葉が竹に似ていることがこの名の由来。セキチクは中国原産で、万葉時代に渡来。ピンク、白、赤などの花色があります。 *万葉時代の日本では、「石竹」と書いて「なでしこ」と読…

アカマツとクロマツの雄花

アカマツとクロマツの違いは何かと問われると、一瞬慌ててしまいます。でも、簡単な見分け方の一つは葉先に触ってみることです。アカマツの葉の先は手のひらで触っても、痛くありません。でも、クロマツの葉の先は手のひらで触ると、痛いのです。つまり、ク…

月見草と宵待草、そしてマツヨイグサ

ゴデチア、あるいはイロマツヨイグサについて記したばかりですが、すると、月見草と待宵草が気になるのは私だけではない筈です。 「三七七八米の富士の山と、立派に相対峙し、みじんもゆるがず、なんと言うのか、金剛力草とでも言いたいくらい、けなげにすく…

ゴデチアの花

ゴデチア(英語Godetia、Clarkia amoena)はアカバナ科の耐寒性または半耐寒性の一年草で、日本では園芸植物で、江戸末期から明治初期に渡来しました。別名はイロマツヨイグサ(色待宵草)で、マツヨイグサに似ているためです。アメリカ合衆国の西海岸、特に…

花と虫の一コマ

画像はホワイトレースフラワー(学名Orlaya grandiflora)にやってきたホソヒメヒラタアブのオスです。何とも小さなアブですが、どうやらその姿を捉えることができました。 ホワイトレースフラワーの和名は「ドクゼリモドキ(毒芹擬き)」で、猛毒を含むドク…

ヒメエニシダの花

エニシダ(金雀枝)は春に黄色や白の花を咲かせるマメ科の低木です。エニシダ、キングサリと同じマメ科のフジ(藤)の花は誰もが知っています。園芸では「藤棚」を作り、花を密生させて鑑賞します。キングサリもエニシダも共に黄色の花色が見事ですが、エニ…

ふるさとに関わる四人についての不公平で、私的な思い出

(1)ふるさとと西脇順三郎 西脇順三郎は1894年、新潟県小千谷に生れました。1911年中学を卒業し、画家を志し上京。藤島武二を訪ね、彼の内弟子になります。1912年慶應義塾大学に入学、1917年卒業論文「純粋経済学」を全文ラテン語で書きます。1920年慶應義…

イペーの黄色い花

イペーはノウゼンカズラ科の広葉樹。イペーは南米先住民語で〈皮の厚い木〉を意味する。イペーはブラジルの国花で、サクラと同じように花が咲き終ってから、葉が出てくるという特徴があり、花は一ヶ月ほど咲き続けます。 南米から沖縄に最初に導入されたイペ…

カラタネオガタマの花

昨年カラタネオガタマの生垣を見つけたのだが、今年もその生垣にたくさん花が咲き、甘い香りを漂わせている。 オガタマノキ(招霊木)の「オガタマ」は「招霊(オキタマ)」が転訛したもので、かつては神の「依代(よりしろ、神霊が寄り憑く樹木、岩など)」…

集団と集団の美

個体の美と集団の美は何がどのように異なるのか。実際に集団美を巧みに使っているように思われる例はあちこちに溢れている。集団で生きるのが生物の基本的な本性の一つであることを考えるなら、個体の美は集団の美から派生したものと考えるべきなのかも知れ…

エリオステモンの花

オーストラリア東部の植物です。ミカン科の常緑樹で、枝葉を触ると少しいい香りがします。4~5月に花をつけます。 つぼみはピンク色に発色し、白い星形の花をたくさん咲かせます(画像)。葉はやや厚みがあり、カールしている、独特な形をしています。日本へ…

ミナミヒメヒラタアブ

キタヒメヒラタアブと呼ばれていたハナアブの仲間はミナミヒメヒラタアブと改名されたが、それは10年ほど前のこと。衝撃的な学名変更だったが、画像はミナミヒメヒラタアブのメス。