メラレウカ・リナリイフォリアの白い花

メラレウカ・リナリイフォリア(Melaleuca linariifolia)は公園や庭園の観賞用として栽培され、スクリーンや防風林としても利用されているとのことだが、私がこの植物を見るのは久し振りである。フトモモ科メラレウカ属の常緑樹で、「スノーインサマー」と…

シャゼンムラサキの花

シャゼンムラサキ(車前紫)はヨーロッパ原産で、ムラサキ科シャゼンムラサキ属の一年草。シャゼンムラサキは道端や海岸近くの野原に生え、全体が白い毛で被われています(画像)。5月から6月にかけ、青紫色、白色やピンク色のベル型の小花を咲かせます。 奇…

シロバナムラサキツユクサの花

ツユクサはツユクサ科ツユクサ属の一年生植物。ツユクサは夏の花で、その花の青さは早朝の露の下りたあぜ道を思い出させる夏の青色。朝露を連想させることから「露草」と名付けられたが、確かに午後には青色がすっかり見えなくなる。ツユクサには青の他に白…

ダリアの花たち

夏になればダリア、ダリアは夏らしい花の代表格で、キク科ダリア属の多年生植物。18世紀にメキシコからスペインにもたらされて以来、長い時間をかけて品種改良が行われ、多種多様な品種が生み出されてきました。日本には江戸時代にオランダ人が持ち込み、江…

立葵と鶏冠

タチアオイの花弁の付け根の部分をはがすと、そこは粘着性があり、肌に張り付く。それが赤いタチアオイなら、張り付いた花弁はニワトリのトサカに見える。そこから、タチアオイはコケコッコ花とも呼ばれてきた。 タチアオイが街中の庭や軒先に植えられていた…

サルビア・クレブランディの花

サルビア・クレブランディ(Salvia clevelandii)はカリフォルニア原産のサルビア。リング状に咲く花が何とも美しく、その上全草から漂う甘い香りが魅力的です。別名の一つがサンディエゴセージ。カリフォルニア州南部からバハカリフォルニアに分布し、初夏…

ギンバイカの花

オトギリソウ属のビヨウヤナギ、西洋キンシバイ(ヒペリカム・カリシナム)によく似た花姿をもち、花色が白いのがギンバイカ(銀梅花、銀盃花)で、フトモモ科ギンバイカ属の常緑低木です。白い梅のような花を咲かせることから、「銀梅花」と名付けられまし…

アカメガシワの花:子供の頃からいつも身近に見てきた先駆種

先駆種は植生(ある場所に生育しているすべての植物)が遷移していく初期に見られる植物種のことで、先駆植物、パイオニア種、パイオニア植物とも呼ばれます。新しい空き地が生まれると、そこに最初に映えてくる樹木が私には先駆種の代表例で、アカメガシワ…

ブラックベリーの花と実

バラ科キイチゴ属のブラックベリー(Blackberry)の別名はセイヨウヤブイチゴ(西洋藪苺)。花弁は5枚から7枚で、中心部に多数の雌しべがあり、その周辺に多数の雄しべがある点は、キイチゴ属の特徴をよく示している。 ブラックベリーはブルーベリーと比べ…

トケイソウから機械論的世界観へ

5月23日にトケイソウについて記しました。トケイソウ(時計草、パッションフラワー)はトケイソウ科トケイソウ属に分類される植物の総称。トケイソウはその花の形を時計の文字盤に見立てたことからつけられた名前で、私には植物機械論や機械論的自然観のシン…

ウメエダシャクは美しいのか?

ウメエダシャクはチョウによく似たシャクガ科のガ。翅は白色と黒色のまだら模様で、腹部は淡黄橙色で黒色の斑紋が並ぶ(画像)。日中に活動し、羽ばたきながら緩やかに飛び続ける。幼虫はウメやサクラの木の葉を食べる。そのウメエダシャクが咲き始めたアジ…

クレロデンドルム・ブルーウィングの花(2)

クレロデンドルム・ブルーウィングについて既に記しました。その姿は単に綺麗という訳ではなく、怪しげな暗示に満ちています。学名のClerodendrumはギリシア語の「cleros(運命)」と「dendron(樹木)」に由来し、呪術に使われていたことに由来すると書きま…

クレロデンドルム・ブルーウィングの花(2)

クレロデンドルム・ブルーウィングについて既に記しました。その姿は単に綺麗という訳ではなく、怪しげな暗示に満ちています。学名のClerodendrumはギリシア語の「cleros(運命)」と「dendron(樹木)」に由来し、呪術に使われていたことに由来すると書きま…

クレロデンドルム・ブルーウィングの花

クレロデンドルム・ブルーウィングはクマツヅラ科の非耐寒性常緑低木。5月~9月頃に青い蝶が羽を広げているような小さな花を咲かせます。雄しべも雌しべもカールしていて、その花姿から青い妖精、ブルーバタフライブッシュなどと呼ばれています。 でも、その…

フェイジョワとドクダミとテントウムシ(昨夜のものの改訂版)

私の哺乳類に対する常識は昆虫に対する常識とは随分違っている。哺乳類に対する常識には私自身の経験が入っているのだが、幼虫、蛹、成虫と変態する昆虫の成長を自ら経験することができず、私のような哺乳類にはその成長を経験し、実感することができない。…

リクニス・コロナリアの花

シルバーリーフとなれば、シロタエギクとフランネルソウが今風の流行。湾岸地域でもこれら二つが目立っています。 ナデシコ科のリクニス・コロナリアはアフリカ北西部、ヨーロッパ南東部から中央アジアなどが原産地で、その外観から「フランネルソウ」と呼ば…

ビワの実

ビワは実が主役であることを私に印象づけたのは坪田譲二の童話「ビワの実」。そこには樵の金十のビワを食べる体験と、ビワの木の再生が描かれている。 ビワ、アンズ、ウメ、モモ、サクランボなどのバラ科植物の種子や未熟な果実の部分には天然の有害物質(シ…

フェイジョワとドクダミとテントウムシ

私の哺乳類の常識は昆虫の常識とは随分と違う。幼虫、蛹、成虫と変態する昆虫の成長は私のような哺乳類の成長とはまるで異なる。少なくとも、哺乳類には通用しない成長が昆虫の成長であり、哺乳類は昆虫の成長を知る由もない。従って、哺乳類の一生は昆虫の…

追憶のドクダミ

私が生まれた家の裏庭に群生していて、祖母が愛用していたのがドクダミ(蕺草、蕺)。別名はドクダメ(毒溜め)、ジュウヤク(十薬)、ジゴクソバ(地獄蕎麦)などで、どれも民俗学的妄想を掻き立ててくれる。ドクダミ全体に独特の香りがあり、子供の頃はこ…

ペンステモンの花

ペンステモン(ジギタリス、Penstemon digitalis)は別名が「シロツリガネヤナギ」で、北アメリカ原産の多年草。ジギタリス(digitalis)はラテン語で「指の様な」という意味で、花の形が手袋の指に似ているため。 ペンステモンは釣り鐘形や、筒状でふっくらした…

フェイジョアの花

フェイジョアはフトモモ科の常緑低木。湾岸地域では果物として栽培されるのではなく、庭木や生垣用として使われている。南米原産で、果物としては主にニュージーランドで栽培され、別名はパイナップルグアバ。 花弁は外側の白と内側の赤に分かれ、雄しべの鮮…

アメリカナデシコの花

アメリカナデシコはナデシコ科ダイアンサス属の南ヨーロッパ原産の常緑植物。アメリカナデシコは「ビジョナデシコ(美女撫子)」、「ヒゲナデシコ(髭撫子)」とも呼ばれています。ビジョナデシコの名前の由来は日本に入ってきた際にあまりの花姿の美しさに…

初夏のハナセンナ

ハナセンナ(花旃那)は、ブラジル、アルゼンチン原産のマメ科センナ属の半耐寒性常緑低木。別名は「アンデスの乙女」。秋に黄花を咲かせますが、湾岸地域では初夏にも花をつけ、秋にまた咲く二季咲きのようです。 ハナセンナ(花旃那)の花は私が好きな花の…

キョウチクトウの白い花 今年もまたキョウチクトウの花が咲き出し、暑い夏が近づいていることを予告しているようである。それにしても、「夾竹桃(きょうちくとう)」とは奇怪な字面である。この中国名は葉の形が竹に似ていて、花が桃の花に似ていることに由…

大学通信教育へのこだわりと我慢(改訂版)

大学通信課程の学生が通学課程の対面授業こそ大学の授業だと信じ込むのは当然のことです。大学通学課程を卒業した研究者が通信課程で教えることになれば、自ら受けた通学課程の授業をもとに通信課程の授業を考えます。ですから、通信課程で望まれる授業は通…

ハナショウブの花

ハナショウブ(花菖蒲)はアヤメ科アヤメ属の多年草。別名は「ハナアヤメ」。全国に花菖蒲園があり、ハナショウブの品種を楽しむことができる。5月下旬から6月に開花し、梅雨の頃の代表的な花の一つ。 ハナショウブは野生の野花菖蒲(のはなしょうぶ)が原種…

ロボウガラシの花

同じアブラナ科の「ルッコラ」に似ていて、味もゴマのような香りに辛みや苦みがあるが、サラダリーフとして世界中で栽培されており、イタリア料理によく使われる。ところが、その名は体を表していない。ロボウガラシはヨーロッパ、西アジア原産で、別名はカ…

ヒペリカムの花たち

ヒペリカム(Hypericum)はオトギリソウ科オトギリソウ属の学名ですが、中央アジアから地中海沿岸を中心に世界中に450種ほども分布しています。園芸植物として栽培されているのは低木で、湾岸地域ではキンシバイとビヨウヤナギの花が今一斉に咲いています。…

天心の六角堂の幾つもの意味

岡倉天心自らが考案し、1905(明治38)年平潟の大工小倉源蔵に建てさせたのが五浦の六角堂です。「六角堂」は通称で、天心自身は「観瀾亭(かんらんてい、大波を観る東屋)」と名付けています。六角形をした個性的な建物は、中国の道教で重要視された6とい…

青紫と黒

サルビア・ガラニチカ(Salvia guaranitica)はシソ科アキギリ属の宿根多年生植物で、南米原産。草丈は1.5m程度に達し、初夏から晩秋にかけて3~5cm程度の濃青色の唇形の花を咲かせます。 日本では、本来サルビア・プラテンシス(Salvia pratensis)を指す「…