ニチニチソウと日々の世界

初夏から晩秋まで次々に花をつけるのが「日日草」。「ニチニチソウ」と聞くと、私がいつも頭に浮かべるのは「日日是好日(にちにちこれこうにち、にちにちこれこうじつ)」という禅語です。この禅語は『碧巌録』第六則に収められている公案で、「日々是好日…

ヨウシュヤマゴボウの花と実

「ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)」とはハイカラなのか野暮なのかわからない名前だが、意外と街中に生き続けていて、湾岸地域でも歩道の端で実をつけ、決して珍しくないのである。ヨウシュヤマゴボウはヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草で、別名はアメリ…

ノアサガオの花が咲き出す

アサガオは夏の花ということになっているが、野生のアサガオ、ノアサガオが花をつけ始めた。樹木に巻き付き、樹上で咲くノアサガオの逞しさには脱帽である。「野朝顔」とは何とも味気ない名前に聞こえるのだが、「野菊」や「野薔薇」は多くの人が文学的な味…

ナンキンハゼの花

ナンキンハゼは中国原産の落葉広葉樹で、公園などに植栽され、湾岸地域でも馴染みの樹。10月終りころに果実をつけ、果皮が弾け、白い種子が残ります。ナンキンハゼの有毒の葉は寒くなくても見事に紅葉し、栄養分のある種子は野鳥の食糧になります。 ナンキン…

ディエテス・ビコロルの花:再訪

アヤメ科のディエテス・ビコロル(Dietes bicolor)の花は春から夏にかけて咲き、オレンジ色に縁取られた黒に見えるほど濃い紫色の斑紋が三つあり、園芸種として「常緑アヤメ」とも呼ばれています。私が魅了されたのは、淡いクリーム色(和の色名では「若芽…

オニグルミの実

オニグルミ(鬼胡桃)はクルミ科クルミ属の落葉性の高木です。その実は縄文時代から食用として利用されてきました。採取時期は9 - 10月頃で、子供の頃の記憶によれば、熟した果実を竿などでたたき落とすか、落ちているものを拾い集め、土に浅く埋め、外皮を…

シロテンハナムグリとキマダラカメムシ:再会

昆虫少年でなかった私は昆虫に関心がなかった。それが今は少々違って、暑くなり出すと、昆虫の活躍する姿が目立ち始め、その姿に惹きつけられるのである。画像はシロテンハナムグリとキマダラカメムシである。どちらもなかなかの姿で、再会が嬉しい。私には…

ムラサキバレンギクの花

ムラサキバレンギク(紫馬簾菊、Echinacea purpurea)はキク科ムラサキバレンギク属の多年草。エキナセア、エキナケアとも呼ばれています。北アメリカ原産の多年草で、花期は初夏から晩秋。丈夫で育てやすく、長期間開花するので、花壇などでもよく使われて…

ヤブランの小さな花

ヤブラン(藪蘭)はキジカクシ科ヤブラン属の多年草で、日本中に広く分布し、下草として自生しています。湾岸地域でも多用され、歩道脇などでよく見かけます。ヤブランは夏にジャノヒゲの花に似た紫色の花を咲かせます(画像)。今年もその花があちこちで咲…

ヤナギハナガサの花たち

ヤナギハナガサ(柳花笠)はクマツヅラ科クマツヅラ属の多年草で、別名が「サンジャクバーベナ」。バーベナは250も種類があり、その中のバーベナ・メテオールシャワーは三尺バーベナの欠点をカバーした品種(画像)。 ヤナギハナガサは南アメリカ原産の耐寒…

「山椒大夫」を見直す

森鷗外の小説「山椒大夫」は説経、説話と呼ばれる「さんせう太夫」を下敷きにしています。今では安寿と厨子王となれば、ほぼ誰もが彼の作品を思い浮かべます。そこで、まずは小説の内容を見てみましょう。 平安時代末期、母、安寿、厨子王、そして女中は行方…

ハマナスの紅い実

子供の頃、ハマナスは砂浜に自生すると教えられ、北海道の夏の砂浜を思っていたのだが、このところ公園や歩道に植えられていて、珍しくない植物になってしまった。今は花が終わり、実が赤く色づき始めている。ハマナス(浜茄子、浜梨)はバラ科バラ属の落葉…

ポーチュラカの花

「ポーチュラカ」よりは別名の「マツバボタン」、「ハナスベリヒユ」の方が私には馴染みがあります。ポーチュラカは出自のあまりはっきりしない植物で、日本でも夏の雑草として畑などに繁茂するスベリヒユとマツバボタンが掛け合わさったもの、あるいはタチ…

アサガオガラクサの花

アサガオガラクサ(朝顔柄草、Evolvulus alsinoides)はヒルガオ科の多年草で、園芸種は「アメリカンブルー」と呼ばれています。アサガオガラクサはソライロアサガオより小さく、少しアサガオに似ています。アサガオガラクサの原産地はアメリカ中南部。開花…

アフリカハマユウの花

ヒガンバナ科のアフリカハマユウ(阿弗利加浜木綿)は南アフリカ原産。花茎を伸ばし、先端に散形花序を出し、白いユリのような漏斗状の花を多数咲かせます。花は夜中に満開になります。芳香のある虫媒花で、球形の果実をつけます。白色花が代表的ですが、園…

ネムノキの高嶺の花

ネムノキ(合歓木、合歓の木)はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木で、別名がネム、ネブ。子供の頃のネムノキは大木ばかりで、その特徴的な花は私には高嶺の花だった。夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことからこの名がついた。また、「合歓木」…

アセビの実

アセビ(馬酔木、梫木)はツツジ科アセビ属の常緑低木。日本に自生し、湾岸地域でも公園や庭でよく見かけます。別名は「あしび」、「あせぼ」。開花時期は 3月から4月中旬で、壷形の花を咲かせます(画像)。花の色は、薄紅色、あるいは白色。 枝葉に「アセ…

タイサンボクの白い花

タイサンボク(泰山木、大山木)の名前は花、葉、樹形などが大きくて立派なことから、中国山東省の泰山に喩えたものです。また、花の形を大きな盃に見立てて「大盃木」、それから次第に訛って「泰山木」になったという説や、大きな樹形が大山のように見える…

ランタナ・カマラの色変化

ランタナは世界中に150種類ほど存在しています。似たような仲間にコバノランタナがありますが、草丈が大きい場合は1mほどにもなるランタナ・カマラに対してコバノランタナは20㎝から30㎝ほどしかありません。 ランタナ・カマラには「シチヘンゲ(七変化)」…

エリカ・バウエラの花たち

ツツジ科のエリカ・バウエラ(Erica bauera)の英名はBridal heath。南アフリカのケープ地方に分布し、乾燥した亜熱帯バイオームに生え、高さは1メートルほどになります。茎は直立し、細い枝を伸ばします。 その葉は小さな線形で、春から秋にかけて、枝先に…

アミメグサの葉

花壇の端に見かけたのが網目の入った葉の集まりで、その網目に妙に惹きつけられ、暫く網目模様の世界に浸ってしまった。昨今、観葉植物が増え、珍しい葉は珍しくなくなったが、それでも久し振りに葉の不思議な葉脈模様を堪能した。 その葉の持ち主フィットニ…

薄いピンクのユリの花

テッポウユリ(鉄砲百合)は細長いラッパ型のユリで、純白の清楚な花が特徴です。日本では九州~沖縄にかけて分布しています。テッポウユリは日本固有のユリで、切り花用として出回っているのは「ひのもと」という品種。テッポウユリの花は白色で、花筒が長…

マドンナリリーを巡って(3)

6月も中旬になり、大きなユリの花をあちこちで見るようになりました。ユリの代表と言えばカサブランカが思い浮かびます。カサブランカは初夏になると大輪の花を咲かせ、絢爛豪華な花と香りを楽しむことができます。純白のカサブランカに対し、黄色の色が入っ…

オニユリの花

ヒマワリとオニユリを舞台に上げれば、どちらも大きく派手で、夏の花の主役を競い合う。オニユリの花びらは見事に反り返り、橙色の地に褐色の斑点が入り、それが赤鬼を連想させ、その顔に見立てての命名だと言われているが、ヒメユリ(姫百合)と比べて大き…

ネジバナのピンク色の花たち

6月も中旬、あちこちでネジバナの花が咲き出している。らせん状に花が咲くので「ネジバナ」とは何とも直接的で、わかりやすい命名だが、ネジバナはラン科の多年草、別名がモジズリ(綟摺)で、興味深い特徴をもっている。花序がらせん的で、右巻きと左巻きの…

マドンナリリーを巡って(2)

ニワシロユリとテッポウユリは異なる植物種であっても、それらが象徴するものはキリスト教では同じでした。象徴するユリと象徴される純潔のマリアや死との関係はルーズで、象徴するユリの種類が変わっても象徴されるものに変化はありませんでした。物理的に…

マサキの花

マサキ(柾、正木、Euonymus japonicus)はニシキギ科ニシキギ属の常緑低木。マサキとサカキ(榊、賢木、栄木、モッコク科サカキ属の常緑小高木)、さらに真榊(マサカキ)となると、私の頭の中では子供の頃からずっと(植物と神道が)混同したままです。 マ…

若きブドウの実

緑道公園の中の100mほどしかない小さな散歩道に何とも立派な葡萄棚がある。いつもこの季節になると、その棚にはブドウの房がつき、緑の葉の中のブドウの実を愛でることができる。ブドウはペルシャ地方が原産で、日本には中国から渡来。つる性でどんどん伸び…

ノウゼンカズラの赤い花たち

ノウゼンカズラ(凌霄花)はノウゼンカズラ科の蔓性の木で、夏から秋にかけて赤色の花をつけます。今年は既に花盛りです。暑くなるのに合わせて、人の目を引くのが濃い赤色の花です。私の周りでも私の好みなどとは無関係にノウゼンカズラの花が例年の如く咲…

ユリズイセンの花

ユリズイセン科のユリズイセン(Alstroemeria pulchella、百合水仙)は観賞用に世界中で広く栽培され、USA、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランドなどに帰化しています。ニュージーランドではNew Zealand Christmas bellとして親しまれています。日本…