グラジオラス・ピュアベールの花

 アヤメ科のグラジオラスの別名は「唐菖蒲(とうしょうぶ)」。それをヒントに植物図鑑のアプリを検索し、以下のような順に植物名の特定が進行していったのが昨年の今頃だった。今話題の生成AIで名前が不明の対象をどのように検索し、特定するのか、格好の例として、年甲斐もなく考え込んでしまった。このような場合、私がAIにどのように質問するかが格段に重要で、質問の仕方に解答が大きく左右されるのが、特に名前の同定の場合である、と実感した。

 アプリの植物図鑑によれば、まず該当したのがアシダンセラ(Acidanthera bicolor(syn. Gladiolus murielae))。次に登場するのがグラジオラス・カルネウス(Gladiolus carneus)で、これも南アフリカ原産で、アヤメ科グラジオラス属の多年草。花色や花姿の画像から、私が見たものによく似ているが、それでも微妙に異なる。そこで、ランダムに園芸記録や日記などを漁り、「春咲きグラジオラス・ピュアベール」を見つける。「ピュアベール」を調べると、2001年にグラジオラスの一つとして品種登録されたもので、5月前後に開花することも判明。このピュアベールは私が見たものとピッタリだとわかる。

 昨年遭遇したのとほぼ同じ場所で、同じものを見つけた時はとても不思議な気持ちになった。だが、秋に球根を植え、春に花が咲くのがピュアベールで、原種に近く、栽培は至極簡単なようで、私が昨年と同じ場所に見つけたのも、何となく納得がいくのである。とはいえ、ほぼ1年ぶりの再会で、暫し見惚れるしかなかった。