アヤメ科のチリアヤメ(ハーベルティア)

 チリアヤメは南米原産の多年草。チリアヤメの「チリ」はその原産国の一つです。昨年のオリンピックの工事で土が入り、今年はチリアヤメを見ることができませんでした。野生化したチリアヤメはなかなか頑丈なアヤメ科の植物。チリアヤメは、芝生の中などに点々と可憐な花を咲かせ、鮮やかな濃いブルーの花色が目立ちます(この色は江戸紫、フェルメールの青、北斎ブルー、それとも…)。花は朝開いて夕方にはしぼむ一日花です。

 チリアヤメは既述のディエテス・ビコロル、カキツバタハナショウブ、クロッカスなどと同じアヤメ科の花です。ですから、花の構造はよく似ています。花径は3cmくらい、3枚の丸みのある花弁(外花被)が広がり、中心部には濃淡の模様が入り、3枚の小さな花弁(内花被)があります。本当の花が随分と小さいことがわかります(画像)。

 日本へは大正4~5年に入ったといわれ、関東地方以西の平野部では野生化している場所もあり、条件がよいとこぼれダネで自然にふえます。

*午後になると花弁が先端から捲れ、しぼみ出します(画像)。画像はどれも昨年のものです。