2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧
キクモモ(菊桃)はバラ科サクラ属の落葉小高木。ハナモモの一品種で、名前は花弁が細長くキクに似ていることに由来。別名はゲンジグルマ(源氏車)。濃い紅色の八重咲き。花期は3月下旬から1か月ほど。今はハナモモの品種である「照手桃」、「源平枝垂れ」…
少々大袈裟ですが、<宗教-民俗学-アリストテレス>と<科学-進化論-ダーウィン>という組み合わせについて考えてみましょう。何とも奇妙な組み合わせに面食らう人がいる筈です。「変わらない本質」と「変わる変異」と簡単に対比してもよいでしょう。 老…
今年もコロナ禍が続き、花見はゆっくりできずに終わりました。花見はやはり染井吉野と思いながらも、今年の湾岸地域は大島桜の白い花が綺麗でした。少々見頃は過ぎましたが、大島桜と四種の園芸種の画像で花見を楽しむのもまた一興か。画像は大島桜、紅笠、…
江戸期から明治期にかけて関心を集めた国学は、日本の古典を研究し、儒教や仏教の影響が及ぶ前の日本独自の心や文化を見出すことを目的にして、儒教の「四書五経」や仏教の経典の研究を批判することによって生まれました。江戸期の国学者は全国に二千人程い…
子供の頃、裏庭のアキグミ(秋茱萸)を何度か食べたのだが、美味しいと思ったことは一度もなかった。そんなアキグミはグミ科グミ属の落葉低木。果実は食用となり、果実酒などに使われる。春に花が咲き、果実は秋に熟す。その花が満開である。アキグミの花に…
「天国と地獄」に似て、「浄土(じょうど)と穢土(えど)」は仏教でも神道でも際立って違った世界と思われてきました。「厭離穢土 (おんりえど、えんりえど)」は浄土教の用語で、欣求浄土(ごんぐじょうど)と対で使われると、徳川家康の旗印を思い出す人…
エノキは北海道以外の全国に自生するニレ科の落葉樹。エノキという名の由来には諸説あるが、漢字の「榎」は日本で作られた文字で、中国では「朴樹」と表記する。枝分かれが多く、大きな緑陰を作るため、各地で植栽され、その巨木が今日でも見られる。そのた…
声に出した言葉は、出来事に影響を与え、良い言葉を発すると良いことが、不吉な言葉を発すると悪いことが起こると信じられ、日本は「言霊の幸ふ国」とされました(『万葉集』)。古代には「言」と「事」が同じでした。これが言霊思想で、アニミズム的な思想…
今年もまたツタバウンランの花を見つけました。ツタバウンラン(蔦葉海蘭)はつる性の多年草で、地中海原産。観賞用に大正年間に入り、ロックガーデン等に植えられましたが、それが野生化したのです。オオバコ科のツタバウンランの「ウンラン」は、開花した…
昔から沢山の種類をもつスミレは、古くから日本人が親しんできた春の山野草の一つです。世界に約400種の原種がありますが、そのうち約80種は日本のスミレ。道ばたでもよく見かけます。路傍や空き地で咲く紫や青紫色のスミレの花は華麗なサクラとは好対照で、…
どの宗教でも霊魂は重要な概念、事柄です。平田篤胤の『霊能真柱』には神道の霊魂観が登場しますが、客観的研究となると、折口信夫の霊の研究まで待たねばなりません。折口は神道の霊魂を表す宗教用語として、「かみ」、「たま」、「もの」の三つを挙げます…
スギナ(杉菜)は、トクサ科トクサ属のシダ植物で、春先に出る「胞子茎」はツクシ(土筆)と呼ばれ、子供の頃ツクシを採ったことを思い出します。ツクシは、スギナにくっついて出てくることから「付く子」、袴の部分で継いでいるように見えることから「継く…
僧から法話を聞いた記憶はあっても、神職から神話(?)を聞いた記憶はない。子供のための神道など誰も教えてくれず、そのためか子供の頃の私には神社は寺のような親近感がまるでなかった。神道には開祖がおらず、教義もなく、それゆえ、魂の救済すらないと…
昨日に続き、今日も黄色の洪水である。それは満開のウンナンオウバイ。ウンナンオウバイの別名はオウバイモドキ(黄梅擬)で、モクセイ科ソケイ(ジャスミン)属の常緑低木。3月から4月頃に開花。つる性で、枝は枝垂(しだ)れる。花は鮮やかな黄色で、オウ…
湾岸地域の公園や道筋にはあちこちにレンギョウが植えられ、それが今一斉に黄色い花をつけています。レンギョウはモクセイ科レンギョウ属の総称。古名は「鼬草」(いたちぐさ)。レンギョウは中国原産で、江戸時代に渡来。当時は主に観賞用として栽培されて…
私がこれまで述べてきた柳田国男や折口信夫の民俗神道と正反対の極にいるのが葦津珍彦(あしづうずひこ)。葦津は神社本庁や日本会議を支え、天皇を中心とする神社神道を守ろうとした人物である。葦津は神社本庁を作る際に、柳田や折口の神道論を否定し、排…
「まず花が咲き、次に実がなる」ことを見事に示してくれる一つがカリンで、バラ科の落葉高木。花も実も特別美しかったり、美味しかったりということはないのだが、私の周りには意外に多く植えられていて、サルスベリに似て樹肌が滑らかなのが特徴である。コ…
クサイチゴは草本、つまり草(くさ)ですが、カジイチゴは落葉低木です。背の低いカジイチゴは、クサイチゴと区別しにくいのですが、葉の形がまったく違います。カジイチゴの葉にはカエデのような切れ込みがあります(画像)。同じカエデ型の切れ込みのある…
折口信夫にとって国学は単なる学問ではなく、むしろ倫理、道徳である。国学は賀茂真淵、本居宣長と続き、平田篤胤によって完成されたが、最初から倫理や道徳を目指していた訳ではない。学問としての国学を倫理や道徳に移行させたのは平田篤胤である。それゆ…
テルテモモ(照手桃)は花を観賞するために改良されたハナモモです。サクラの花の咲く時期に前後して開花の最盛期を迎え、あでやかなピンクや赤、白の花が春の庭を彩ります。モモは古来より中国では災いを除き、福を招くとされてきました。日本への渡来は古…
モクレン(木蓮、木蘭)はモクレン科モクレン属の落葉低木。花が紫色であるため、シモクレン(紫木蓮)が別名。外側が紫色で、内側は白色の花を春に咲かせるモクレンは、平安時代に中国から渡来しました。本来は観賞のためではなく、漢方で「辛夷」(しんい…
「依代(憑代、よりしろ)」は人工的なものでも自然のものでも構いません。人形(ひとがた)や祠(ほこら)は人工のもの、ご神木は自然のものです。依代は人や動物の場合もあります。『古事記』や『日本書紀』によれば、神はものに依り憑いて、初めて具象化…
3月も中旬を過ぎると、野原には春の花が咲き出している。そんな野草の一つがキュウリグサ。キュウリグサの花は小さいので、よくよく見ないと見過ごしてしまうが、目を近づけてみるとワスレナグサによく似た花をつけている。 キュウリグサ(胡瓜草)は、ムラ…
廃村、廃寺と並んで、それらより深刻そうなのが廃神社で、廃屋となった神社があちこち目立つ昨今です。 寺のお坊さんの職業名は「僧侶」ですが、それと同じように「神主」は神社の役職(神職)の名前ではなく、職業名です。「宮司」は神社の代表者で、その神…
雪が降らない湾岸地域で雪のような花をつけているのがユキヤナギ(雪柳)。ユキヤナギは枝垂れた枝先の長い穂にたくさんの花を咲かせる。庭や公園によく植えられていて、長い間春を感じさせてくれるお馴染みの植物である。辺りを白一色に変えてしまう程に花…
ハクモクレンに似たコブシ(辛夷、拳)の花が満開である。コブシはモクレン科モクレン属の落葉広葉樹。北海道から九州までの山林や原野に自生する。早春に香りのある白い花を咲かせ、春の訪れを告げる代表的な里山の花木である。街路樹や公園樹としての利用…
新型コロナウイルスの流行が続き、今年も花見どころではなくなっている。とはいえ、花見の主役ソメイヨシノの開花があちこちで始まっている。それに先駆けて、淡い赤紫色の一重咲きのヨウコウが既に咲いている。豊洲や有明に意外に多いのが「陽光」という桜。…
生田万は享和元(1801)年、館林藩の藩士の家に生まれる。藩校で儒学を学び、24歳で平田篤胤に入門し、国学を学ぶ。生田は碧川好尚とならぶ篤胤の二大高弟として平田塾の塾頭を務めた。生田は天保7(1836)年に越後の柏崎へ移り、桜園塾を開き、国学を教える…
運河沿いの緑道で満開の花を見つけたのだが、これが舌を噛みそうな名前の植物で、学名のViburnum tinusがそのままカタカナ表記されている。別名がトキワガマズミで、レンプクソウ科ガマズミ属。どうも別名の方が落ち着く。原産は地中海沿岸で、日本には昭和…
花序がトーチのような形をしていて、その花姿から「ストロベリーキャンドル」の名前がついたらしいが、画像は通常のクローバーと同じ姿である。花色は赤だが、白花品種も流通している。葉はいわゆる三つ葉で、シロツメクサ、ムラサキツメクサに似ているが、…