スギナの胞子茎=ツクシ

 スギナ(杉菜)は、トクサ科トクサ属のシダ植物で、春先に出る「胞子茎」はツクシ(土筆)と呼ばれ、子供の頃ツクシを採ったことを思い出します。ツクシは、スギナにくっついて出てくることから「付く子」、袴の部分で継いでいるように見えることから「継く子」となったと言われています。また、ツクシ は土から出てきた胞子茎が伸びきる前は先端まで「袴」に覆われており、その形状が「筆」に似ていることから、「土筆」という字が当てられたと考えられています。

 スギナは胞子とともに地下茎でも繁殖します。春に胞子茎を出し、それが枯れると、光合成を行う栄養茎が伸びてきます。栄養茎は節で枝分かれし、内部は中空。私たちが見ているスギナは、実はこの枝分かれした茎であり、葉は退化して、節の部分に鞘状となっています。袴の部分が葉です。

 ツクシの胞子の入った袋は胞子嚢と呼ばれ、それをつける茎が胞子茎で、花が咲く植物では花茎にあたります(シダ植物は胞子、種子植物は種子で殖える)。スギナが春先に出す生殖用の茎(生殖茎/胞子茎)がツクシで、スギナの方は栄養茎と呼ばれます。

f:id:huukyou:20210325024728j:plain

f:id:huukyou:20210325024756j:plain

f:id:huukyou:20210325024835j:plain