ノゲシの花

 まだ1月なのにもうノゲシの花が咲いている。だが、湾岸地域では珍しいことではなく、日当たりの良い場所ではノゲシの花がよく見られる。別名はアキノノゲシと区別するためハルノノゲシで、キク科の越年草。日本には縄文・弥生時代に「史前帰化植物」として入ってきたようである。日当たりの良い荒地や道端などに生えていて、普通なら2月から夏にかけて黄色の花を咲かせる。私たちには「タンポポ似の雑草」の一つというのがノゲシ

 名前から野のケシを連想するが、全くの別物(ノゲシはケシ科ではなくキク科の植物)。レタスはキク科アキノノゲシ属で、収穫しないと、茎がのびて枝分かれし、黄色いタンポポのような花が多数咲く。だから、ケシとは違って、ノゲシは食べることができる。それどころか、ノゲシの苦み成分は安眠によいとされ、イヌリンが入っているため、糖尿病改善にも期待ができる。さらに、ノゲシ咽頭炎やヤケド、健胃にもよいと考えられ、昔から利用されてきた。

 私はいつもノゲシの花に見入ってしまう。その幾何学的で、集合的な美しさは見ていて飽きず、グロテスクに見える葉や茎とは随分と違う印象を与えるのである。

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