2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧
球根は「bulb」、「bubble」は熱狂的な投機とその崩壊。1630年代のオランダのチューリップ球根への投機熱は、近年の日本の土地や証券の過熱した投機熱、あるいは、1929年の「大恐慌」をもたらした1920年代後半のアメリカにおける投機熱の原型の一つ。16世紀…
ツバキ(椿)、またはヤブツバキ(藪椿、Camellia japonica)は、ツバキ属の常緑樹。今では近縁のユキツバキから作り出された数々の品種が植樹されている。東京では暫く見頃である。一方、チューリップは3月に入り、温かくなりだすと咲き始める。 東西の博物…
辰巳の森海浜公園には二つの水泳場ができる。オリンピックアクアティクスセンターが新設され、東京辰巳国際水泳場が存続か廃止か検討されていたが、存続が決まった。 辰巳水泳場は観客席が3600席しかなく、運河に面していて大幅な拡張工事も難しい。そのため…
タイトルの問いは禅問答のような問いですが、二つの同じものを見分けることができる理由は何なのでしょうか。哲学史に詳しい人ならライプニッツの「不可識別者同一の原理」を思い起こすかも知れません。不可識別者同一の原理とは「任意のxとyについて、xのも…
(少々無謀でも、単純この上ない話) 私たちの視覚は他の感覚より長けている。だから、人は視覚的な動物だと言われてきた。まず強調せねばならないのは、知覚は一朝一夕に可能になるのではなく、生まれて以来長年の学習によって(正常に)見ることができるよ…
シロイヌナズナ 「音のある森の風景」(2月18日)に「シロイヌナズナ」について述べた。「ナズナ」と命名された花の白い植物があり、それとよく似た黄色い花をもつ別種の植物が「イヌナズナ」と命名された。そして、イヌナズナに似ているが花の白い植物が「…
生物種の数と分類 私たちの住む世界でH2Oは、水、水蒸気、霧、雲、雨等々、この世界での姿は多彩で変幻自在である。科学が不変で普遍なものを追求してきたのと対照的に、日常世界には多様な形態、色、音が溢れ、画一化に抗するかのように、様々な生物種が共…
冬は花が少なく、白梅とその横にあるエリカが目立つ。エリカは細い枝に小さな花がびっしりと咲く。ウメとは趣が異なるが、花は可憐で個性豊か。容姿だけでなく、開花期、花色、花形などが変化に富み、壷状やベル形のものから細長い筒状のものまで多彩である…
生物種の名前について前回二つの例を挙げたが、それと同じように今回は惑星と元素の命名について考えてみよう。 <惑星の名前> 私たちは物質が(後で考える)原子でできていることを知っている。では、昔の人は物質は何からできていると考えていたのか。古…
移植ではなく、植樹なのか、はたまた植林なのか、言葉遣いはよくわからないが、夢の島公園のアーチェリー会場の新設で、樹が伐採され、その補充のために何本か大きな樹が移植された。この公園にはユーカリの大木が目立つが、その他にも大きな樹木が多い。か…
固有名詞は確定記述(固有名詞が何を指示するかを決定できる文の集合)によって表現されるような意味をもつのか、それとも端的に対象を指示するだけなのか。このような問題が20世紀の後半に盛んに議論されたことがあった。同じころ、生物種は実在的なのか否…
近くの公園では河津桜が既に咲き誇っている。河津桜は寒緋桜と大島桜の自然交配種、サクラの代表格ソメイヨシノはエドヒガン桜と大島桜の交配種。河津桜のほうがピンク色が濃く、早いのは1月に咲き始め、そこからが長く、見ごろになるのは2月の下旬から3…
辰巳の森では大抵の風の音は車の騒音にかき消されてしまいます。「風の音」となれば、花鳥風月、雪月風花に欠かせない一つで、風流な詩歌の素材です。自然がもたらす快楽を享受し、それを表現した詩歌は、自然を賞味し、消費する点で、自然を分析し、生産す…
風景にも音があり、小川のせせらぎや波の怒涛、瀑布や暴風雨など静かな音からうるさい音まで多種多様である。だが、雪景色や(ジャングル以外の)森林に大きな音は馴染まない。いずれも静かな方がいい。そのためか、森林風景のステレオタイプに音は入ってい…
天狗は日本ではお馴染みの伝説の生き物。神社に祀られ、映画に登場したりと、親しみのある生き物。そんな天狗が持っているのがヤツデの葉っぱの団扇で、ヤツデの葉に魔除けの力があり、風を起こし、空を飛ぶためらしい。別名「天狗の羽団扇」(てんぐのはう…
斜めから見るとは、物事を素直でない捉え方をすることで、偏った見方をする、穿った捉え方をする、ひねくれた考え方をするなどと同じ意味で使われます。文字通りに斜めから見るのではなく、「斜め」も「見る」も比喩的な意味を込めて使われています。そこで…
かつて建設現場と言えば、むき出しで、うるさく、汚く、働く人で溢れていた。それがいつの間にかすっかり変わり、塀で囲われ、静かで、綺麗、少ない人になっている。注意して見ない限り、工事が行われているかどうかさえわからない程である。 確かにダンプカ…
少し前に「欲望:ヘーゲルまで戻ると…」でヘーゲルが欲望を重視したことを述べた。それを今日は意識の観点から捉えてみよう。 ヘーゲルは「自己意識」という言葉を二つの違う意味で使う。一方では、対象を意識している主体としての意識という意味での使い方…
例えば、梅擬き(ウメモドキ)の「擬き」は動詞「もど(擬)く」の連用形。主役にからんだり、滑稽なことを真似たりすることが擬きである。能の「翁」に対する「三番叟」がその一例。名詞の下に「擬き」をつけて、その名詞の指示対象に匹敵するほどのもの、…
ウメ、サクラ、ハナミズキなどは白やピンクの花をつけます。最近はウメが減って、ハナミズキが増えたような気がします。いずれも白とピンクの花をつけますが、アメリカ原産のハナミズキと違って、ウメは中国原産で、遥か昔から日本文化の構成要素となり、そ…
周りの景色を見ておやっと思うときが誰にもある。そんな光景が画像で、ごく普通の景色なのだが、それだけ切り取ると、確かに奇妙だ、不思議だというものに見えなくもない。(1)二兎を追うもの、あるいは器用貧乏船が見えるのだが、左手は水陸両用のバスで、…
ロールズの「正しさ」の考えの基本の解説が今日の目的です。ロールズは、原初状態で合意されであろう正義には二つの原理があると考え、それを次のように述べています。それぞれ、自由の平等な権利について、自由の不平等の条件についてのものです。<第一原…
梅が咲けば文句なしに春の訪れなのだが、その梅があちこちで花をつけている。妙に白とピンクの違いが目立つのは、紅白のコントラストを狙って植えたためか。菜の花の横にユキヤナギがあるのも普通はないことだが、これも公園の植栽ゆえか。いずれにしろ、そ…
「倫理的な正しさ」を、「善」を意識しながら(横に置きながら)考えてみます。倫理的な正しさには次のような三つの異なる立場があります。・個人の自由をベースに「正しさが善に優先する」とするリベラリズム・自由を正義の基礎と考えるリバタリアニズム・…
「東京臨海新交通臨海線」と言われてもピンとこないが、愛称の「ユリカモメ」となれば大抵の人が知っている。そのユリカモメは東京都の鳥である。 在原業平や和泉式部の歌には都鳥(みやこどり)がよく登場する。『伊勢物語』の記述によれば、「都鳥」は「墨…
私がいた高校の講堂には額があり、そこには上杉謙信の「第一義」の文字が書かれていた。在学中その意味について説明を聞いた憶えはなく、墨の黒さだけが印象に残っていて、私には講堂で孤立したような存在に見えた。 正義や善の話というと、法や道徳の他に忠…
桜が咲き始めている。寒緋桜(カンヒザクラ)は桜の原種の一つで、中国南部から台湾にかけて自生する。ソメイヨシノより、2か月ほども早く開花し、下向きに釣り鐘状の花が咲く。よく聞くのが「河津桜」で、寒緋桜と大島桜の自然交配らしい。私が公園で見た桜…
(私のノートへのコメントを二人の方からいただいた。それに刺激され、気になっていた謙信の「第一義」を見直してみた。高校の講堂にあった額の文字が「第一義」。墨の色が鮮やかだったことと、その意味がぼんやりしていたこととが好対照で、孤独な額だと感…
(以前のエッセイを「因果的に」見直し、修正したものです。) 物語は私たちが世界の出来事や現象の変化を知るための基本となる形式です。ギリシャ神話、聖書、千夜一夜物語、古事記、源氏物語、平家物語等々、私たちは大昔から物語を通じて世界と社会、そし…
私たちが生活する世界では判断できない事態がたくさんある。判断できない状態があれば、そのままにすることは「優柔不断」だと非難され、誰も優柔不断になれなどとは言わない。だから、優柔不断の人は嫌われる。判断する、しないが決まらずに宙ぶらりんにな…