2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧
「モネの池」と「モネの庭」はよく似た名前だが、偶然の一致にしてはよく似た要素が多く含まれている。 「モネの池」は岐阜県関市板取の根道神社の参道脇にある貯水池の名前。高賀山の伏流水を使って1980年頃に灌漑用にに整備された。農業用水確保のためのい…
梅雨が明けたらしいのだが、実感が湧かなかった。昨日セミがしきりと鳴くのを聞き、梅雨が明け、夏が来たのだと納得した。節度なき暑さや寒さ、異常な高温、大雨など、尋常でない天候が増えた。とはいえ、自然の営みはそう簡単には崩れず、規則的な気候変化…
ヒツジグサは日本などが原産のスイレン科スイレン属の植物。妙高高原ビジターセンターに3株残っているという。寒さに強く初夏から秋に、低山~亜高山の湿原に生える世界最小のスイレン(睡蓮)である。花径は3~5 cm程度。単にスイレン(睡蓮)と言えば、ス…
樹木の幹は風景だけでなく触景もあり、触った感触は木によって様々である。ケヤキの冷たく堅い表面、スギの皺だらけの表皮には汗のように赤みがかったべっ甲色の脂が出ている。つるつるの禿のような幹をもつのがサルスベリで、その花があちこちで咲き出した…
イチジクの木は私の住む湾岸地域ではまず見ないので、見つけると妙に嬉しいのである。柿の木も桐の木も同じようにお目にかからないが、その共通の原因は定かではない。かつての田舎の植生と現在の湾岸地域の植生が違うとは思えないので、これはきっと人為的…
私は昨日次のように書きました。「親鸞もパウロも回心を経験しますが、そのきっかけはそれぞれ聖徳太子、キリストでした。真の信仰をもつきっかけは外からやってくるのが普通であり、ブッダやキリストもそうだったのではないでしょうか。外部からのきっかけ…
ヒャクニチソウはキク科の植物で、原産地はメキシコ、コスモスやダリアと同郷である。私の子供の頃の記憶ではヒャクニチソウというとお盆の花、供花であり、仏壇に供えられている花だった。コスモスやダリアとは随分イメージが異なる。だが、今は「ジニア」…
ヘクソカズラはアカネ科ヘクソカズラ属の雑草。葉や茎に悪臭があることから屁屎葛(ヘクソカズラ)の名がある。植えるのではなく、どこからか種が飛んできて、勝手に生える植物で、生育は非常に旺盛。ヤブガラシやカラスウリと同じようにどこでも逞しく茂る…
経典とはお経。誰でも聞いたことがあるように、お経は唱えられる。聖書もコーランも経典の数量に比べれば、何とも貧弱。ユダヤ教=旧約聖書+タルムード、キリスト教=旧約聖書+新約聖書、イスラム教=旧約聖書+コーランと大胆に図式化すれば、いずれも経…
マルメロはバラ科マルメロ属の落葉高木。マルメロ属はマルメロのみ。別名「セイヨウカリン」。栽培が盛んな諏訪市など一部の地域では「カリン」と呼ばれる。熟した果実は明るい黄橙色で洋梨形をしている。果実は緑色で灰色~白色の軟毛(大部分は熟す前に取…
『マハー・パリニッバーナ経』(「ブッダ最後の旅」)はブッダの死(=涅槃)を伝える原始仏教経典。80才になったブッダは肉体の衰えを感じ、侍者アーナンダと共に故郷に向けて最後の旅に出る。この経典はブッダの最晩年の姿と説法を伝えている。 ブッダはヴ…
オオセンナリ(大千成)は、ナス科オオセンナリ属の1年草。南アメリカのチリやペルーが原産で、江戸時代末期,嘉永から安政の頃に園芸用で渡来した。牛の飼料として輸入された干草に混じって野草化し、帰化している。1964年に福岡県北九州市で野生化が確認…
(1)ブッダと欲求の良し悪し ブッダの仏教は人間の何に貢献するのか?このような人間中心的な問いは人間の傲慢な態度の典型だと批判されても仕方ないだろう。絶対的な神にとっては人間など被造物の一つに過ぎず、その神が人間に貢献するなどということはあ…
さわやかな青や紫を中心に、小さく可憐な、アザミに似た花を咲かせる熱帯アメリカ原産の、非耐寒性の多年草。日本では冬越しできないため1年草として扱われる。花期が長く、花つきもよいので花壇だけでなく、切り花としても使われ、使い勝手のよさが特徴。矮…
仏教のスタートはブッダの開悟。ブッダは菩提樹の下で座禅を組み精神を集中させ、澄心端座の後、明けの明星を見て大悟したと伝えられているが、ブッダの開悟と坐禅の関係は強く結びついている。ブッダの修行を追って座禅(禅定)の役割をみてみよう。既述の…
セイヨウフウチョウソウはフウチョウソウ科の植物の一つ。蝶が舞う姿にも似た美しい花を咲かせ、観賞用に栽培されている。南アメリカ原産の一年草で、日本の暑い夏でも元気に花を咲かせ続ける。花の形がとても変わっていて、オシベが長く突き出し(画像参照…
釈迦が亡くなったすぐ後に、弟子たちが記憶した釈迦の教えを確認し、それをまとめた結果が初期経典で、どれも口伝です。後に経典は「如是我聞(私はこう聞きました)」という言葉で始めるという約束ができ、口伝形式の経典は物語形式をもった書物になってい…
キンシバイはオトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉小低木。湾岸地域の公園、歩道には特に多く、長い間花を楽しむことができる。キンシバイは中国原産で、宝暦10(1760)年に渡来、花の形が梅に似ていて、色が黄色であることが「金糸梅」という名前の由来。…
明治の「廃仏毀釈運動」は関山宝蔵院だけでなく、日本中の文化財の破却の危機をもたらした。それを救ったのが九鬼隆一と岡倉天心である。二人は全国の寺社仏閣を調査し、保護すべき文化財を調査し、文化財保護の基本となる古社寺保存法を明治30(1897)年に…
以前同じノリウツギを取り上げたことがあるが、その時はまだ花は少ししか開いていなかった。ノリウツギはアジサイの仲間だが、円錐形の花序(花房)をもつため、開花時の姿は普通のアジサイと少し違っている。開花の時期もアジサイより遅く、今頃が見頃で、7…
心の壁といえば、雲を掴むようなものと思われがちですが、実は簡単なことなのです。心の壁がつくられ、外の物理世界と内の意識世界が分けられることは、私たちが認識的な述語(epistemic predicate)を自ら使うことに起因しています。簡単には、心をもつとは…
オミナエシ(女郎花)は秋の七草の一つで、日当たりのよい草原に見られる植物。数本の茎をまっすぐに伸ばして株立ちになり、先端に多数の黄色い花を咲かせる。花房は全体で15~20cmほどの大きさがある。6月から9月にかけて花を開き、花が終わっても色を保つ…
世界が「空」だという唯識論の正しさの証拠になる程に、空(と雲)は私たちの心を掴む実体のない、正に空気のような変幻自在の存在。空と雲は「空」なる因縁の世界を生き生きと映像化してくれる。空と雲は共謀して思考の種子として、私たちの想像力を煽り立…
草のように見えるが、実は木。砂浜がほぼない湾岸地域でも海の近くにその姿をよく見る。名前は「浜をはう」という意味らしい。葉を風呂に入れるといい香りがする。平安時代の文献『延喜式』、『本草和名』では蔓荊子(はまはふ)、波万波比(はまはひ)など…
上杉謙信は「依怙(えこ)によって弓矢は取らぬ、 ただ筋目をもって何方(いずかた)へも合力す(『白河風土記』)」と書き、私利私欲で合戦はしない、ただ、道理をもって誰にでも力を貸すと表明している。筋目とは道理であり、大義、正義、仁義、信義と言い…
マメ科のヤマハギ(山萩)は山に普通に咲くハギ。日本各地の山野に生える落葉半低木。秋の七草の一つとして古くから日本人に親しまれてきた。『万葉集』にもハギを詠んだ歌が130首以上収められている。 6月から9月にかけて咲く花は直径1センチ程度の小さな…
フレーゲの意味(meaning)と指示(reference)の違いを思い出し、次の1と2の関係を考え直してみよう。 1. 明けの明星 = 宵の明星2. 「明けの明星」と「宵の明星」は同じ対象を指示する 2は1の正しい分析、正しい言い直しではない。というのも、1の報告の事…
魚のカマツカではなく、木のカマツカは日本、朝鮮半島、中国に分布する落葉低木。各地の二次林に普通に見られる落葉低木。伐採されると根際から萌芽する。材は粘り強いので鎌や鎚の柄にされる。鎌の柄には良い材料であるとの意味で、カマツカ(鎌柄)と呼ば…
令和に入って大雨と冷夏が続く。偏西風が大きく蛇行しているためだと気象予報士は言うのだが、なぜ大きく蛇行しているかは述べず、地球温暖化のためだと結論する。 自然の都合が脚色されることなく反映された知識やそれを表現する用語と、人の都合がもっぱら…
野菜のニンジンの野生種。私が住む湾岸地域でも空地、草地のあちこちで花をつけている。茎葉や花はニンジンと同じ。根は直径約1㎝と細く、食べられない。昭和の初期に牧野富太郎が見つけ、現在では日本全土で見られる。特に北海道に多い。ノラニンジンはヨー…