カマツカとナツツバキの青い実

 魚のカマツカではなく、木のカマツカは日本、朝鮮半島、中国に分布する落葉低木。各地の二次林に普通に見られる落葉低木。伐採されると根際から萌芽する。材は粘り強いので鎌や鎚の柄にされる。鎌の柄には良い材料であるとの意味で、カマツカ(鎌柄)と呼ばれているようである。別名がウシコロシ。これは、牛の鼻ぐり(鼻環)に使うことから付いた名前。短い枝先に小さな白い花が10~20個づつ房になって咲き、花が満開になるとその姿は見ごたえがある。その実は秋に赤く熟し、先端にガク片が残る(画像はまだ青い実)。果柄には褐色のイボ状の皮目が多い。
 ナツツバキ(夏椿)は、ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木。別名シャラノキ(娑羅樹)。その名の通り、6月~7月にツバキに似た小さな白花を咲かせる。幹の様子が美しく、シンボルツリーとして庭に植栽されることが多い。葉は長さ10センチほどで、表面の葉脈は凹み、裏面には長い絹毛がまばらに生じる。 花は5枚の花弁があり、その先端はまばらにギザギザしている。花の後にできる実は10月頃に熟すと五つに裂け、中から種子がこぼれ落ちる(画像は熟す前の青い実)。空になった実はその後も長い間、枝に残って越冬する。平家物語に登場する「沙羅双樹」(フタバガキ科)とは関連がない。

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