ウグイスカグラの花

 スイカズラ科のウグイスカグラ(鶯神楽)の別名はウグイスノキ(鶯の木)。ウグイスがこの木の茂みに入り込んで隠れることや、この木の枝を渡り歩く姿を「神楽舞う」としたこと、あるいはこの木がウグイスを狩る場(かつては狩場を狩座(かぐら)と呼んだ)になったことなどから「ウグイスカグラ」となった。また、「ウグイスノキ」はウグイスが鳴く頃に開花するため。

 落葉低木のウグイスカグラは北海道南部、本州、四国及び九州に分布する。野山の林縁に自生し、かつては茶庭で稀に使われる程度だったが、画像のような花、そして、赤い果実が好まれ、庭木として利用される機会が増え、湾岸地域でも見ることができるようになった。

 ウグイスカグラの開花は3月頃で、枝先にある葉の脇から伸びた細い柄に、ラッパ型をした花が一輪ずつ咲く。花はややくすんだピンク色で先端が5つに裂け、開花が進むにつれて平らに開くと5本の黄色い葯をもつ雄しべと丸い柱頭の雌しべが目立つようになる(画像)。さらに、初夏に赤く熟すグミのような実は甘みがあって生食できるようだ。果実は直径1センチほどで、細長い柄にぶら下がるとのことで、今から楽しみである。