2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

赤い実:アロニア

アロニアは北米大陸東部が原産のバラ科の落葉樹。アロニアの実はアントシアニンを含み、健康食品として注目されています。でも、それだけでなく、初夏に咲く清楚な花や紅葉と赤い実も観賞価値があります。 アロニアは北米からヨーロッパへ、そしてロシアを経…

アオツヅラフジの花と実

私が歩道の植え込みに蔓延っていたアオツヅラフジ(青葛藤)を見たのは随分前だが、毎年元気に植込みの一部を確保、占領している。そのアオツヅラフジが今年も無事に花と実をつけた報告を忘れていた。今年も密かな期待に違わず、同じ場所で再会できた。 アオ…

紅葉狩:風景と色の対比

湾岸地域のモミジはまだ青葉のものがほとんど。妙高のように紅葉狩とはいかないが、秋色の葉が増え出している。休日の青空の下で色づき始めた葉が輝いている。青色の空の下では補色の黄色や橙色の葉が見事なコントラストを見せている。風景としての紅葉は誇…

紅葉狩:芸能から伝説へ

湾岸地域でも紅葉が色づき始め、妙高からは紅葉の便りがたくさん届いています。となれば、思い出すのは鬼女紅葉の伝説。「鬼滅の刃」で脚光を浴びていた鬼たちが登場するのが戸隠、鬼無里、別所温泉などに伝わる鬼女伝説です。この伝説は室町時代から江戸時…

赤い実:ヤブコウジ

ヤブコウジ(藪柑子)はサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑の小低木。「藪柑子」は「藪に生える柑子(ミカン類)」の意味で、林内に生育し、冬に赤い果実をつけ、別名が十両(ジュウリョウ)。 『万葉集』では山橘(ヤマタチバナ)として登場し、古くから日本人…

ナデシコの花模様

ナデシコ(撫子、瞿麦、牛麦)は秋の七草の一つです。ナデシコの仲間のダイアンサス属は世界に約300種が分布しています。カーネーションもダイアンサス属に含まれるのですが、カーネーションを除いたものを総称して「ダイアンサス」と呼んでいます。「我が子…

イヌタデの花

「蓼食う虫も好き好き」は、「タデの実は苦く、大抵の動物は嫌うが、好んで食べるものもいて、人の好みも同じようにそれぞれ」ということですが、そのタデはヤナギタデのことです。そして、そのヤナギダテを食う虫がハムシで、体長4㎜程度の小さな甲虫です。…

アゲラタム(Ageratum)の花

カッコウアザミ、あるいはオオカッコウアザミと呼ばれるキク科の植物は今あちこちでその花を見ることができます。アゲラタムは、さわやかな涼感のある淡いブルーの花色と、ふんわりとしたソフトな質感が魅力の花です(画像)。サルビアやマリーゴールドなど…

白粉花諸態

オシロイバナ(白粉花、白粧花)はメキシコ原産で、江戸時代初期に渡来。美しい花のため観賞用に栽培されましたが、今では広く野生化していて、湾岸地域でもあちこちで自由に咲いています。開花時期は6月末から10月末頃。画像の熟した黒いタネをつぶすと、白…

赤い実:ナナミノキ、クロガネモチ、ソヨゴ

ナナミノキ(七実の木)はモチノキ科モチノキ属の常緑高木。明るい緑の葉と鮮やかな赤い実のコントラストが特徴である。雌雄異株なので、実を楽しもうとすれば、雌木となる。葉は皮質で光沢があり、初夏に薄紫色の小さな花が咲く。秋から冬にかけて、クロガ…

白い花が満開のヒイラギモクセイ(柊木犀)

二度咲きの金木犀の花は終わったが、よく似た、上品な香りで目を向ければ、ヒイラギモクセイの5mを優に超える、白い花をつけた木が見える。人の眼はいい加減で、関心がなければ、周りの植物など無視してしまう。これほど大きなヒイラギモクセイの存在になぜ…

トキワマンサクの花

トキワマンサク(常磐万作)はマンサク科の植物で、花色はごく薄い黄色ですが、紅色の変種であるベニバナトキワマンサクが湾岸地域では目立ちます。紅花のトキワマンサクが登場し、その美しい花と丈夫な性質、刈り込みの容易さなどから普及しました。 トキワ…

記憶や知識への序想

ペンタスはアカネ科の常緑低木で、原産地はアフリカ。花は5~11月と長く咲き、夏の暑さや湿気に強いので、今では花壇や寄せ植えの素材として人気があります。小さな星型の花を上から見た場合と、横から見た場合を見比べて下さい。随分印象が違う筈です。 静…

おおえど

豊洲市場側から晴海埠頭を見ていると、変わった形の船が海上で旋回しているように見える。船体の色も普通の船とは違う。一体何の船かと目を凝らすと、東京消防庁という文字が見え、さらに、「おおえど」という平仮名もある。 消防救助艇の「おおえど」で、大…

今年はジョロウグモが目につく

ジョロウグモ(女郎蜘蛛)は害虫を捕食してくれる益虫で、都市部から山地のまで広く生息し、観察される時期は 9 月~11 月頃とされています。湾岸地域の辰巳や夢の島の公園内では今あちこちでジョロウグモとその網を見ることができます。これほど多いジョロ…

赤い実:ピラカンサ

ピラカンサはバラ科トキワサンザシ属の総称で、カザンデマリ(カンデマリ)、タチバナモドキ、トキワサンザシの3種をピラカンサと呼んでいます。カザンデマリ(カンデマリ)はヒマラヤ原産、赤い果実で、葉に鋸歯がないのが普通です。タチバナモドキは中国原…

ダリアの花

ダリア(dahlia)はキク科ダリア属の草たちの総称。和名は花の形がボタンに似ていることから、テンジクボタン(天竺牡丹)。だが、ダリアはキク科の草、ボタンはボタン科の落葉低木。 ダリアはメキシコ原産で、メキシコの国花。18世紀にその種がスペインに送…

クズの花(2)

クズは蔓性の半低木で、山野で普通に見られる。基部は木質、上部は草質となり、長さ10mにも達し、時には周りの木を蔓で覆ってしまう。根は長大で、多量の澱粉を蓄え、主根は長さ1.5m、径約20cmに達する。クズは子供の頃から身近にあった植物であり、夏には欠…

ムラサキハクチョウゲ、シチョウゲ、それともハクチョウゲの花?

湾岸地域でよく見かけるハクチョウゲは初夏に葉の上に雪が降ったように小さな花を咲かせます。花は一重で直径は1cmほどと小さく、花の先端は5つに裂け、外側には淡い紫色が入る場合があります。熊野川や四万十川流域に自生する同じアカネ科の落葉低木がシチ…

ギンバイカの花と実

梅の花に似た、雄しべの自己主張が目立つ白い小さな花をたくさんつける常緑低木がギンバイカです(銀梅花)。ギンバイカは6月中旬から7月に花をつけますが、梅の花に似ていることから「銀梅花」という名がつけられました。 ギンバイカは丈夫で育てやすく、常…

クサギの花と実

「臭木(クサギ)」はその名前とは裏腹に、白い花と実の瑠璃色が私を魅了してやまないのである(画像)。葉に異臭があることから「臭木」となったのだが、錠剤のビタミン剤の匂いに似ていて、なぜか懐かしい。 クサギの葉は大きく、長い葉柄を含めて30cmにも…

赤い実:サンシュユ

サンシュユ(山茱萸)はミズキ科の落葉小高木。春に枯れ木のような枝に先ず花が咲き出すのがサンシュユ。ハルコガネバナ、アキサンゴとも呼ばれ、春の黄色の花と秋の赤い実がその特徴です。 サンシュユは中国と朝鮮半島が原産で、享保年間(1720年頃)に薬用…

イチゴノキの花と実

イチゴノキ(Arbutus unedo)は地中海地方と西ヨーロッパ北部、西フランス、アイルランドに分布するツツジ科イチゴノキ属の常緑低木。花は両性花で白色(まれに薄いピンク)、花冠は直径4-6mmになる鐘形、秋に10-30花ほどからなる円錐花序を生成する(画像)…

ヘチマの花とクロウリハムシ

ヘチマはウリ科ヘチマ属の1年草で「糸瓜」と書き、キュウリ(胡瓜)、スイカ(西瓜)、カボチャ(南瓜)などの仲間。ヘチマは西アジア地方原産で、江戸初期に中国から渡来。夏から秋に黄色い花(画像は雄花)が咲き、その後長い実がなり、これがいわゆる「…

ユリオプス・デージーの黄色い花

秋が深くなり、キクの花が目立つようになってきました。湾岸地域の公園にはマーガレットコスモスやキバナコスモスが咲き誇っていましたが、それがそろそろ終わり、次に花を開くのがユリオプス・デージーで、コスモスと同じように集団の美しさを満喫できます…

ヒイラギモクセイ(柊木犀)の白い花

今はまだ二度咲きの金木犀の香りが続いているが、よく似た微かで、上品な香りで目を向ければ、ヒイラギモクセイの白い花が見える。ヒイラギモクセイはモクセイ科モクセイ属の常緑小高木。ヒイラギ(柊)とギンモクセイ(銀木犀)の交雑種。花期は10月から11…

カタバミとハナカタバミの花

「ひそと咲く 花かたばみの 美学かな(石川かおり)」の「花かたばみ」はカタバミなのかハナカタバミなのか、という問いはまるで文学的でない問いだというのは重々承知しているのだが…カタバミとハナカタバミの花を一緒に見ると、つい呟いてしまう。 クロー…

イタドリの花と実

日本からの外来生物として西欧で嫌われる先駆植物のイタドリは、湾岸地域にもまだあちこちに見られます。イタドリは雌雄異株で、私には雄花と雌花の区別が厄介で今年はまだ記さなかったのですが、実がつき始め、雌雄の区別にどうやら納得できました。 若葉を…

アブラナの花

ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)はアブラナ属の野草で、多様な栽培植物の原種と考えられています。古代から西アジアから北ヨーロッパに生える雑草で、古代、農耕文化が伝播すると共に、作物の種子に紛れてあちこちに広がったようです。 ブラッシカ・ラパ…

アブラナの葉上のオンブバッタ(負飛蝗)

オンブバッタはオンブバッタ科のバッタで、その名前の通り、メスの上にオスが乗っている姿が有名である。交尾のためにメスの上にオスが乗っている姿が、おんぶしているよう見えることからその名がついた。メスがオスをオンブしているのではなく、オスがメス…