ギンバイカの花と実

 梅の花に似た、雄しべの自己主張が目立つ白い小さな花をたくさんつける常緑低木がギンバイカです(銀梅花)。ギンバイカは6月中旬から7月に花をつけますが、梅の花に似ていることから「銀梅花」という名がつけられました。

 ギンバイカは丈夫で育てやすく、常緑で葉の密度も高く、刈り込みにも耐え、関東以西では屋外で冬越できるため、庭木としても人気があり、湾岸地域でも見ることができます。また、ギンバイカは、ヨーロッパでは古くから神聖な樹とされ、「祝いの木」とも呼ばれて結婚式で使われてきました。現在でもヨーロッパの結婚式の装飾や花嫁のブーケの材料に使われています。

 秋にできるギンバイカの実は青黒く、ブルーベリーを細長くしたような形で、オリーブの実にも似ています(画像)。生食できますが、独特の苦味があるため、乾燥させたものをスパイス等として使うのが一般的です。原産地の地中海沿岸やヨーロッパではリキュールにして楽しみます。黒褐色の実からは想像がしにくいのですが、3か月ほど漬けると琥珀色に変色し、立派なリキュールになります。