「臭木(クサギ)」はその名前とは裏腹に、白い花と実の瑠璃色が私を魅了してやまないのである(画像)。葉に異臭があることから「臭木」となったのだが、錠剤のビタミン剤の匂いに似ていて、なぜか懐かしい。
クサギの葉は大きく、長い葉柄を含めて30cmにもなり、柔らかくて薄く、柔らかな毛を密生する。甘い香りがする花は夏に咲き始め、花びらは萼から長く突き出してその先で開く(画像)。雄しべ、雌しべはその中からさらに突き出す。花弁は白、がくははじめ緑色でしだいに赤くなり、甘い香りがある。
クサギの実は瑠璃色の液果で秋に熟し、赤いがくが開いて残るため、よく目立つ(画像)。クサギの瑠璃色の実は古くから「常山の実」と言われ、実をあつめて青色の染色材料にしてきた。これまで私は湾岸地域でクサギの花と実を二本の木で見てきたが、今日偶然に見つけた三本目の実が三枚目以降の画像である。今日初めて見たクサギの木の実の青磁色から瑠璃色への変化を読み取ることができ、色の深さを改めて感じるのである。