ムラサキハクチョウゲ、シチョウゲ、それともハクチョウゲの花?

 湾岸地域でよく見かけるハクチョウゲは初夏に葉の上に雪が降ったように小さな花を咲かせます。花は一重で直径は1cmほどと小さく、花の先端は5つに裂け、外側には淡い紫色が入る場合があります。熊野川四万十川流域に自生する同じアカネ科の落葉低木がシチョウゲ(紫丁花・イワハギ)で、それに対して、「白い丁型の花が咲く」ことがハクチョウゲの命名の由来。

 そのハクチョウゲに形がそっくりで、色が薄赤紫色の花が今咲いています(画像)。夏から現在までずっと咲いているので、狂い咲きとも思えません。確かにムラサキハクチョウゲ(紫白丁花、アカネ科ハクチョウゲ属)が存在し、実際にはハクチョウゲの園芸種扱いになっています。でも、これは上記のシチョウゲ(紫丁花、アカネ科シチョウゲ属)とは別種です。

 こうして、「ムラサキハクチョウゲ」はシチョウゲではなく、「紫色の白丁花」という意味不明の名前となるのですが、画像を調べる限り、ハクチョウゲの花にも薄く紫色が入っていたりするので、三者の区別をどのようにつけ、それを使って、画像が三者のどれかをどのように決めたらいいのでしょうか。

*湾岸地域に植えられているという文脈から、常識は「薄い赤紫色の入ったハクチョウゲ」と答え、それをムラサキハクチョウゲとも呼ぶのではないでしょうか。

ハクチョウゲ