赤い実:ピラカンサ

 ピラカンサバラ科トキワサンザシ属の総称で、カザンデマリ(カンデマリ)、タチバナモドキ、トキワサンザシの3種をピラカンサと呼んでいます。カザンデマリ(カンデマリ)はヒマラヤ原産、赤い果実で、葉に鋸歯がないのが普通です。タチバナモドキは中国原産、橙色の果実で、葉に鋸歯があり、他の2種より長く大きめです。トキワサンザシは西アジア原産で、赤い果実。葉はカザンデマリより短く、幅広です。タチバナモドキとトキワサンザシは明治の中頃、カザンデマリは昭和の初めに日本に入ってきました。

 このように書くと、これら三つは簡単に見分けられそうですが、雑種も多く、区別はとても難しいというのが素人の私の印象です。そこで、まとめてピラカンサと呼ぶ慣例に従うことにします(調べれば、三者の区別についての説明はたくさんあります)。

 常緑低木のピラカンサは、細長い葉が短い枝に束になってつくことが特徴で、その短い枝の先はトゲ状になることも多く、今頃に橙色~赤色の果実を枝いっぱいにつけ、葉の緑色とのコントラストがとても美しいです。