2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

トレニアの小さな美

トレニアは、ツルウリクサ属の一年草、または多年草で、東南アジアからアフリカの広い地域に分布しています。トレニアの葉っぱは卵型で、その緑色は鮮やかです。唇形をした花は初夏から晩秋までの長い期間楽しむことができます。 別名の「ハナウリクサ(花瓜…

トキワヤマボウシの赤い実

秋になると、ヤマボウシの緑色の実が黄色味を帯びた赤色となり、膨らんできます。外皮は硬く、特徴的なイボイボがついていて、完熟すると地面に落下します。ヤマボウシの実は甘く、甘いものに目がない熊の大好物。 生食できるのは、赤い実が触るとわらかい感…

ミヤマガンショウ、あるいはミケリア・マウディアエの実

ハクモクレンに似た花をつけるのがモクレン科ミケリア属の学名ミケリア・マウディアエ(Michelia maudiae)。その別名が「深山含笑」。どうしてシンザンガンショウではないのか、が私の疑問。 ミヤマガンショウは中国原産で、2~3月頃にハクモクレンに似た一…

幻想的なム―レンベルギア・カピラリス

夏から秋に出る赤みを帯びた穂が、霞か雲のように美しく広がり、幻想的な景観を生み出すのがムーレンベルギア・カピラリス。秋に赤紫色をした花序の花を咲かせ、穂に光が当たると輝くように美しく流れ、触ると柔らかくフワフワしています。 ムーレンベルギア…

ギボウシの花(2)

ギボウシは山間の湿地などに自生します。「ギボウシ」は擬宝珠(ぎぼし、橋の欄干の上にある、玉ねぎをさかさまにしたような装飾物)の転訛で、つぼみ、または包葉に包まれた若い花序が擬宝珠に似ることに由来します。日本では、古くから観賞用の植物として…

ホトトギスの花:再訪

鳥のホトトギスはカッコウ科で、「杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰、時鳥、子規、田鵑」などと、漢字表記のとても多い鳥。ホトトギスは甲高い声で鋭く鳴き、口の中が赤く、「鳴いて血を吐く」と言われる。正岡子規は結核を患い、喀血した自分をホトトギスに重ね、…

ハナアロエの花

ハナアロエは4月頃から10月頃まで長い間咲き続ける。アロエはアロエ属、ハナアロエはブルビネ属で別属の植物。花は似ていないが、いずれも多肉植物である。 ハナアロエは南アフリカ原産の多年草。株立して、高さは60cmほどになる。葉は肉厚で細い披針形、…

サンゴバナの花

サンゴバナ(珊瑚花)はブラジル東部原産で、キツネノマゴ(狐の孫)科キツネノマゴ属の常緑小低木です。葉は鮮やかな緑色で長楕円形をしています。花茎を出し、初夏から秋に、花茎頂部から伸びた円錐花序に溢れるように花を咲かせます。羽毛のように花が柔…

ハキダメギクの花

キク科のハキダメギクは1年草で、北アメリカ原産。大正時代に東京で見つかり、現在では関東地方以西の各地に広がっています。茎は2分岐を繰り返し、高さ15〜60cmになります。葉は対生し、卵形〜卵状被針形で、波状の浅い鋸歯があります(画像)。上部の枝先…

シュウメイギクの花と実

シュウメイギクは「秋明菊」と書き、「秋に咲く、明るい菊の花」ですが、中国では「秋冥菊」。冥土の花ではなく、この世のものとは思えないほど美しい花という意味です。別名の「貴船菊」は京都の貴船で野生化したためです。 シュウメイギクはキンポウゲ科の…

オオニシキソウ(大錦草)の小さな花

オオニシキソウはトウダイグサ科トウダイグサ属で、明治に帰化したアメリカ原産の植物です。道端や田畑で普通にみられる植物で、とても小さな花をつけます。ところが、ニシキソウの仲間は花を肉眼では見つけられないほど小さく、それに比べるとオオニシキソ…

ベゴニアの花

ベゴニア (Begonia)はシュウカイドウ科シュウカイドウ属の植物の総称です。900余りの原種と15000を超える交配種があり、世界中に広がり、様々の環境に適応し、バリエーションが実に豊富です。 花色は白・ピンク・赤などがあり、ハート形の花弁は人気がありま…

ハツユキソウの花

既に何度も述べてきたのがハツユキソウ。ハツユキソウは北アメリカのミネソタ、コロラド、テキサス原産の一年草です。世界各国に1600種以上分布しているユーフォルビアの一種で、クリスマスに出回るポインセチアと同じ仲間。ハツユキソウというと初冬の花と…

点景のハチとアブを拡大すると…

キンケハラナガツチバチは「金毛」の名が示すように、金色の毛が胸全体と腹部の各節の後縁にびっしりと生えているツチバチ科のハチ。触角も随分と長いのが特徴です。体は全体的に黒色で、黄色く見える部分は毛が生えていて、そのために黄色く見えます。 ホソ…

キンモクセイの二度咲き

昨日、今日とまたキンモクセイの匂いがする。既に花は終わった筈だと思いながら、見るとオレンジ色ではなく、黄色の実がたくさん見える。咄嗟にそのように思ったのだが、キンモクセイは雄株だけとなっているから、実がつくはずがない。キンモクセイは中国原…

サルビア・アズレアの花

サルビア・アズレア(Salvia azurea、Blue sage)はシソ科アキギリ属の宿根多年生植物。アメリカ南東部原産で、夏から秋にかけて空色の花を咲かせます。 サルビアは品種によって開花期間が様々で、サルビア・アズレアは開花時期が晩夏~秋にかけて咲きます。…

ロボウガラシの花

ロボウガラシ(路傍枯らし)はその名の通り、路傍で見られる帰化種です。同じアブラナ科の「ルッコラ」に似ていて、味もゴマのような香りに辛みや苦みがありますが、植物学的には別物です。サラダリーフとして世界中で栽培されており、イタリア料理によく使…

クサキョウチクトウの花

クサキョウチクトウ(草夾竹桃)はハナシノブ科の多年草。北アメリカ原産で、観賞用植物として世界各国で栽培されています。和名の「クサキョウチクトウ」は明治時代に命名されましたが、キョウチクトウ科とは無関係です。別名はオイランソウ (花魁草、花の香…

タマスダレの実

タマスダレはヒガンバナ科の植物ですから、全体に毒性があります。「タマスダレ」という名前は純白の花を「玉」(真珠などの丸い、白い宝石)に、棒状の葉が集まっている様子を「簾」(すだれ)に見立てたことに由来します。 10月中旬になり、その花が終わり…

秋桜と蝶

孫悟空に阿弥陀如来は「この右手のひらから飛び出すことができたら、あなたの勝ち」と言います。悟空はあっという間に十万八千里を飛んだのに、それは如来の手のひらの上の出来事に過ぎなかったのです。阿弥陀如来の手のひらはコスモスであり、悟空はその中…

ルドベキア・タカオの花

ルドベキア・タカオ(Rudbeckia triloba ‘Takao’)は北アメリカ原産のキク科オオハンゴンソウ属の二年草、あるいは多年草で、花期は7月~10月。分枝した茎の頂部に頭状花を1輪咲かせます。頭状花は中心部分の小さな筒状花と、花弁のように見える舌状花からな…

二つの補足

最初はセイヨウフウチョウソウ(西洋風蝶草、クレオメ)で、既に1か月ほど前に述べました。属名のクレオメ(Cleome)と呼ばれることが多いフウチョウソウは西インド原産で、花の形が蝶の舞う姿を連想させることから命名され、英名は「Spider flower」。花の…

宗教二世問題へのヒント

宗教は正気と狂気が入り混じり、その葛藤が本性です。正気を失った宗教の狂気が凶器となって、脱社会、反社会となり、カルト集団へと変貌した例を私たちは幾つも知っています。宗教は個人の悟りと共に、共同体としての活動でもあります。日本にも一向一揆や…

私的な真、善、美

対象を一つだけ知覚すると、私は大抵美や醜を直感する。それは、花だけ、昆虫だけが端的に知覚される場合。 そこに花と昆虫が組み合わされると、美だけでなく真が気になり出すのが私。例えば、二つの対象にはどんな関係があるのか無性に知りたくなる。 そし…

イトラン(糸蘭)の花

イトランはリュウゼツラン科イトラン属の常緑の小木。「イトラン」という名前は葉の縁の繊維がほぐれて糸状になることからで、その英名はAdam’s needle。原産地は北アメリカ南部。 イトランの茎は伸びず、ほぼ地際から葉が放射状に叢生する。葉は剣状で、先…

ヤブランとその花色

ヤブラン(藪蘭)は東アジアに分布し、日本では主に関東以西に広く分布し、山野の林内で下草として自生。ヤブランは夏から秋にジャノヒゲの花に似た薄紫色の涼しげな花を咲かせる。今年は既に花が終わりに近づいている。 株の葉の間から多数の花茎が立ち上が…

秋のブタナの花たち

ブタナ(豚菜)はキク科の多年草で、湾岸地域にはどこにもある。ヨーロッパ原産で、日本では外来種、花はタンポポに似ていて、そのためタンポポモドキ(false dandelion)という別名もある。「豚菜」はフランス語の「salade de pore」を直訳したもので、豚が…

シコンノボタンの紫紺の花

「シコンノボタン」と聞くと、「紫紺の牡丹」なのか「紫紺野牡丹」なのか迷うところですが、正解は「紫紺野牡丹」。「紫紺」という色がピッタリのシコンノボタンは公園などでよく見かけます。紫色は幅があり、京紫から江戸紫までを優に含み、しかも変化しま…

ヒメリンゴの青い実を愛でる

5月末には既に青い実がついていたのだが、10月に入ってもその実はまだ青いままで、普通のリンゴとは随分違っているのがヒメリンゴ。近くの学校のグラウンド横に何本も植えられていて、綺麗な花と渋く苦い味のする青い実を今もつけている。この年齢になると、…

秋の黄色

昨日のハナセンナ、キンモクセイ、今日のキクイモの花はどれも黄色です。見比べてみると、どれも鮮やかな黄色で、正に秋の黄色の花。紅葉や黄葉が秋の代名詞になっていますが、私にはこれら三つの植物の黄色の花も秋を代表する色です。 とはいえ、花の色は季…