秋のブタナの花たち

 ブタナ(豚菜)はキク科の多年草で、湾岸地域にはどこにもある。ヨーロッパ原産で、日本では外来種、花はタンポポに似ていて、そのためタンポポモドキ(false dandelion)という別名もある。「豚菜」はフランス語の「salade de pore」を直訳したもので、豚が好んで食べる花なので、「豚のサラダ」という訳である(英語名では「cat's ear(猫の耳)」)。『日本帰化植物写真図鑑』によると、1930年代に札幌(その際、「タンポポモドキ」と命名)と神戸(今度は「ブタナ」と命名)で発見された。

 開花時期は5〜9月頃と言われるが、湾岸地域では真冬以外は見ることができる。豊洲市場の周りの土手には既に2月末には花が咲き出し、年末でも元気に咲いている。ブタナは30〜60cm程度の花茎が途中で数本に枝分かれし、それぞれの頭に直径3cmほどの黄色い花をつけるのが特徴で、花茎に葉は付いていない。

 そのブタナが秋を楽しむかのように運河の土手に咲いている。