イタドリの花と実

 日本からの外来生物として西欧で嫌われる先駆植物のイタドリは、湾岸地域にもまだあちこちに見られます。イタドリは雌雄異株で、私には雄花と雌花の区別が厄介で今年はまだ記さなかったのですが、実がつき始め、雌雄の区別にどうやら納得できました。

 若葉を揉んで貼り付けると痛みが取れるので「痛み取り」と言われ、訛って「イタドリ(虎杖)」になりました。また、中国名の「虎杖」は、若い茎に赤い節が多くつき、それが虎の模様に見えるところからつけられました。茎は酸っぱく、私も子供の頃に食べた記憶が微かにあります。茎の部分は酸っぱい味がして、それが別名のスカンポ、スイバの由来です。

 イタドリは雌雄異株で、目立つ雄花は雄しべが長く飛び出していますが、雌花は柱頭が3裂し、結実すると翼状の宿存萼に包まれ、花が咲いているように見えます。今頃になると、中に黒い種をもった実がつきます(画像)。その実はオオモクゲンジ(10月1日)の袋状の実を小さくしたような形で、大きさは1センチ前後。イタドリは花期よりも果実期のほうが綺麗です。つまり、雌の木の方が綺麗で、紅いものは「ベニイタドリ(メイゲツソウ)」とも呼ばれます。

雄花

雌花と実